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【教えて!Dr.】「よく眠れない」は漢方でやさしく治す 第1回「具体的な漢方治療の進め方と漢方薬について」

「よく眠れない」「目覚めが悪い」といった不眠症状は、身体にやさしい漢方で改善を目指すことができます。漢方外来で多くの不眠患者に治療を施す代官山パークサイドクリニックの岡宮裕先生に、漢方と睡眠の関係について聞きました。2回連載でお届けする第1回は、具体的な漢方治療の進め方や漢方薬の特徴などについて解説します。

第2回の記事「【教えて!Dr.】「よく眠れない」は漢方でやさしく治す 第2回「不眠症状に効く漢方薬とは?」」はこちら

スマホやPCのせいで、不眠の低年齢化が加速中!

──不眠に悩む人の、最近の傾向はありますか?

低年齢化が進んでいるように感じます。以前は仕事で忙しい大人が大部分だったのですが、今は中学生や小学生まで、「よく眠れない」といった症状を訴えています。

──原因は何なのでしょう?

身体は体内時計の作用で、明るいと活動し、暗いと眠くなるようにできています。しかし、夜になっても会社、街頭、コンビニ、家の中などは明るいし、家に帰っても、テレビ、パソコン、スマホを見ている人が少なくありません。

大人から子どもまで、目から受ける光の刺激が強すぎます。そのような、自然な眠気が訪れにくい環境が大きく影響していると思います。

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オーダーメイドが漢方薬の強み

──不眠の症状には、睡眠改善薬や睡眠薬というイメージがあります。漢方からのアプローチというのは少し意外でした。西洋薬と漢方薬の違いは何ですか?

次のように、まとめることができます。

西洋薬
・病名を決めて薬を選ぶので、同じ病名の人には同じ薬が用いられる。
・「よく眠れない」といった症状をピンポイントに抑えるため、速くて強い効果が現われる。
・薬の作用で眠気を誘っているので、本来の睡眠リズムを崩すことに。また、根本的な不眠の原因を取り除いていないので、不眠そのものが改善されるわけではない、あくまで対症療法。
・依存傾向が強い。

漢方薬
・症状や体質などから薬を決めるので、オーダーメイドの薬が処方される。
・不眠の原因となるストレスや神経症状に対する抵抗力を高め、体全体を整えるという働きをする。
・効きめはゆっくりでマイルド。ただし、漢方薬によっては即効性があるものも。
・依存性はない。

ストレスなどが原因で「よく眠れない」ときこそ漢方を

──不眠に漢方薬が効くのはなぜですか?

いまや不眠は国民病とも言われ、「よく眠れない」「寝つきが悪い」「眠りが浅く寝た気がしない」といった不眠の症状が目立ちます。その代表的な原因が、

・小さなことでイライラするなどのストレス症状
・クヨクヨして眠れないなどの神経症状

です。

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実はこれらの症状には漢方薬が効果的なのです。

──たしかに、現代人はストレスから不眠になる傾向が強いですね。

東洋医学では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)のうち「肝」は血を蓄えたり、気の流れを生み出したりする場所と考えられています。

また、「肝」は感情をコントロールしているとされ、ストレスがかかると「肝」の気の流れが乱れ、神経が高ぶることに。そのため、イライラの症状が出て不眠につながるのです。

「肝」のバランスを整え、神経を鎮める作用がある漢方薬によって、これらの症状を改善し、自然な眠りへと導きます。

漢方外来は、どんな診察をする?

──漢方外来には興味がある反面、難しい診察ではないかとドキドキするのですが……。

手順は普通の内科と変わりませんよ。

・詳しい症状などを聞く
・お腹の張り具合を診る
・舌の状態を診る
・脈・血圧を調べる
・まぶたの裏側の状態を診る

といった、問診と触診を行います。

また、尿検査、血液検査などの西洋医学的な検査も組み合わせ、体質、現在の健康状態を詳しく診断した上で、その人の「証」を診断します。

──「証」とは何ですか?

簡単に言うと、その人の身体や病気・体質・見た目の特徴のことです。「証」を見極めて初めて治療方法を決め、適切な漢方薬を処方していくのです。

漢方で体質の分類に使われているのが、次の3つです。

・実証……体力のある人
・虚証……虚弱な人
・中間証……実証と虚証の間に位置するバランスのとれた人

不眠を訴えるのは、虚証の人に多くみられます。「気」という生命エネルギーの流れが滞りがちでストレスなどを抱え、睡眠や覚醒のリズムが乱れやすいのです。

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漢方薬を試したいときに、漢方薬局へ行くのは?

──「病院へ行くほどでもないけれど、漢方薬をちょっと試してみたい」と思ったとき、漢方薬局へ行くのはよいのでしょうか?

できることなら、まずは医療機関へ足を運んでほしいと思います。漢方はオーダーメイド治療です。「証」を足がかりに最も適した漢方薬を選択し、経過に応じて調合を微調整します。まさに「医者のさじ加減」が重要なのです。

触診や血液検査などをしないで、漢方薬局で自分に合った漢方薬を探し出すのは限界があります。

──地方へ行くほど、不眠を扱う漢方外来は少ないのが現状です。

そんなときは、漢方を取り扱う内科で相談するとよいでしょう。事前に電話して、「よく眠れないのですが、漢方薬を処方していただけますか?」と聞いてみることをおすすめします。

第2回は「不眠症状に効く漢方薬とは?」です。漢方薬を服用するときの注意点や日常生活のアドバイスなどについて解説します。

第2回の記事はこちらから

文/内藤綾子

監修:代官山パークサイドクリニック 岡宮 裕(おかみやゆたか)先生

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