ココアやチョコレートで!? 昼間の眠気対策にカカオの力を活用!
COLUMN

前日に、十分な睡眠時間をとっていたとしても、ランチ後に眠気におそわれることはありませんか? 午後の仕事も効率よく進めるために、昼間の眠気対策について方法を探ってみました。
そもそも昼食後に眠くなるのはなぜ?
睡眠のメカニズムは、夜になったら眠くなる“体内時計”と、疲れると眠くなるという“ホメオスタシス(生体恒常性維持)”の2つから成り立っていると考えられています。1日の中で午前2時~4時の時間が最も眠くなるピークになります。そして、その12時間後にあたる午後2時~4時も眠気が強まる時間帯となります。そのため、たとえ前日に質のよい睡眠をとったとしても、昼食後の午後2時~4時の時間に眠くなるのは自然なこと。特にデスクワークが中心で、身体を動かすことが少ない職業の人に多いのではないでしょうか。
そんなとき、昼間の眠気対策に効果を発揮してくれるといわれているのが“ココア”と“チョコレート”です。
昼間の眠気対策にはカカオのもつ成分が有効。
ココアとチョコレート。この2つに含まれる共通の主原料がカカオ豆です。カカオの木の果実の中にある種子で、学名はアオギリ科テオブロマ属カカオ。ココアは、カカオ豆をローストした後に砕き、外側と胚芽部分を取り除いて乾燥させてすり潰し“カカオマス”をつくります。それをパウダー状にしたものが“ココア”。カカオマスにカカオバターや砂糖、乳製品などを加えたものが“チョコレート”になります。
カカオの成分で昼間の眠気対策に効果が期待できるのが、覚醒作用をもたらす“カフェイン”と“テオブロミン”です。カフェインは緑茶や紅茶、コーヒーなどにも含まれます。もうひとつのテオブラミンは、カカオのみに含まれる成分です。カフェインほど刺激、興奮性はなく効果が長時間持続するという特徴があります。カカオポリフェノールの健康効果に詳しい、品川イーストワンメディカルクリニックの板倉弘重医師によると、「テオブロミンは自律神経を調節する働きもあるので、緊張を和らげリラックスを促し、ホッとした気分にさせる効果もあります。それだけではなく、大脳を刺激して集中力や記憶力、思考力を高めて気力をアップさせる働きがあることも確認されています」。
昼間の眠気対策のほかにもさまざまな健康があり、ブレイクタイムにもピッタリですね。
昼間の眠気対策にはカカオの含有量がポイント
ココアには、練乳やブドウ糖、麦芽糖などの脱脂粉乳や乳製品などを加えて飲みやすくした「ミルクココア」や「調整ココア」があります。飲むココアの素として、糖分を加えていない「ピュアココア」あるいは「純ココア」の方が、カカオの含有量は多いのです。また、チョコレートにも乳製品や糖分を加えた「ミルクチョコレート」がありますが、同様に「ミルクチョコレート」よりも「ビターチョコレート」などの方が「カカオ」の含有量は多くなります。さらに、高カカオチョコレート(カカオ70%以上)の方が、カカオの含有量は増えます。昼間の眠気対策には高カカオチョコレートがおすすめですが、カカオの含有率が高くなると脂肪分も高くなるので、高カロリーになることも覚えておくとよいかもしれません。
個人差はありますが、一般的にカフェインの覚醒効果は飲んでから30分程度で効き始めるといわれています。逆算して眠気が強くなる前にココアを飲んだり、チョコレートを食べると眠気覚ましになるのではないでしょうか。ただし、どのような食べ物も食べ過ぎは弊害をもたらすので適量を守りながら昼間の眠気対策に役立ててください。
【参考文献】
「病気の原因は「眠り」にあった 心身がよみがえる熟睡のヒント」(実業之日本社)
「日経ヘルス」2月号(日経BP社)
文/高橋晴美
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高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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