就寝前や朝に食べておきたい。睡眠によい食事とは?

寝る前や朝の食べ物が、睡眠の質に影響することがあります。睡眠によい食材や食事について、管理栄養士の元雄桜子(もとおさくらこ)さんに解説していただきました。
夜は、すりおろし生姜のホットティーを
人が眠りにつくときは、手足の皮膚表面から熱を逃がすシステムが働いて、深部体温(身体内部の温度)を下げ、脳と身体を休息へと導く仕組みがあります。
そのため、いったん深部体温を上げて熱放出を促すことが大切になり、それに役立つ食材が生姜です。生姜の特徴は、「ジンゲロール」「ショウガオール」という辛み成分があること。ジンゲロールには血行をよくする作用があり、手足などの末端まで温かい血液を行き渡らせて温めます。ショウガオールは胃腸の動きを活発にして、身体を内部からホカホカにしてくれます。
生姜を使ったおすすめレシピ:すりおろした生姜とはちみつを加えたホットティー
温かい紅茶に、すり下ろした生姜(チューブでもOK)とハチミツをそれぞれ小さじ1ずつ加えます。紅茶はノンカフェインを選ぶのがポイントです。
寝る前に飲むと身体の芯から温かくなり、スムーズな入眠につながります。
朝は、トリプトファンを摂取して睡眠ホルモンの分泌を促す
朝も、夜の睡眠を意識した食事にしてみませんか。睡眠を促すホルモンとして知られるメラトニンは、セロトニンという神経伝達物質からつくられています。セロトニンをつくる材料が、トリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンは、たんぱく質の多い食品にたくさん含まれています。
朝は、たんぱく質をしっかり取り入れた朝食を食べてトリプトファンを摂取し、窓辺に立つなどして太陽の光を浴びてください。脳がシャキッと目覚めて、昼間にセロトニンの合成が活発になり、夜間にメラトニンがスムーズに分泌されるサイクルをつくることができます。
<トリプトファンを多く摂取できる食品・食材>
牛・豚・鶏肉、魚類、豆腐、納豆、牛乳、チーズ、ピーナッツ、アーモンド、バナナなど
睡眠の3時間前には食事をすませて
夜は、睡眠の3時間前には食事をすませるようにしてください。どうしても遅くなる場合は、柔らかく煮た野菜など、消化のよい食材を選ぶとよいでしょう。
「早めに夕食をすませると、どうしても小腹がすいてしまう」という人は、
・ホット豆乳(糖質が少なく、たんぱく質が多い)
・ホットハーブティー(温かい飲み物で空腹感がやわらぎ、カフェインが入っていないので安眠につながる)
などをおすすめします。
逆に、「知らないうちに、睡眠を妨げる食事になっている」人もいるかも知れません。次のような食事には気をつけてください。
・刺激の多い食材を使っている(唐辛子やにんにくたっぷりなど)
・胃に負担をかける揚げ物
・食べ過ぎ
・興奮作用のあるドリンク(コーヒー、アルコール、エナジードリンク)の飲み過ぎ
腹八分目くらいで寝ると、快適な目覚めにつながる
私自身は、よい睡眠をとることはもちろん、よりよい目覚めも重視して食事に配慮しています。「少しおなかが空いているかも」と感じるくらいで眠りにつくのがポイント。朝起きるとき、「まだもう少し寝たい」という気持ちよりも、「おなかがすいていて、朝ごはんを早く食べたい!」と思えると目覚めが格段によいし、胃がスッキリした状態で起きることもできます。
日々の疲れや緊張で、夜もリラックスできない人は多いはず。そんなときこそ、睡眠によい食事を意識して、質の高い睡眠の準備を行いましょう。その他、入浴やストレッチなども上手に取り入れてみてください。
取材・文/内藤綾子
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管理栄養士
元雄桜子(もとおさくらこ)
新卒で大手料理教室勤務にて料理講師を経験。同社ヘルスケア事業部では妊産婦食、スポーツ栄養といった専門分野にも従事する。後に、SNS料理動画メディアにて商品のプロモーション提案やレシピ開発に従事。 現在はフリーの管理栄養士として企業のレシピ開発をメインに、イベント企画や講師を担う。同時に栄養専門学校にて講師を務めている。複数社のプロジェクトコンサルに参画するなど多方面で活躍中。”IT × 食”が得意分野。sakurakmotoo.com
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