お酒と睡眠のイマイチな関係
COLUMN

「ナイトキャップ(寝酒)」という言葉があるように、夕食後や寝る直前など「1杯飲んでから寝よう」という人は少なくありません。お酒を軽く飲むと寝つきがよくなることは確かですが、毎日飲み過ぎると……。「知らなかった!」ではすまされない、お酒と睡眠の関係を解説します。
寝つきがよくなる一方、中途覚醒の原因に
お酒が寝つきをよくすることは、広く知られています。たしかに、少量のお酒はストレスを紛らわせ、血行を促して多少寝つきをよくする効果があります。しかしそれは一時的なこと。毎日飲んで3~7日でアルコール耐性が出てくるため、効果は長続きしないと言われています。
アルコールには、睡眠を直接誘う作用はありません。寝つきはよくなるものの、途中で交感神経の活動が高まって睡眠が持続せず、早朝覚醒や中途覚醒を起こす原因になるのです。
たとえば、お酒を飲んだ翌朝は、予定時刻よりも早く目覚めることがあります。これはたっぷり眠れたというわけではなく、眠りが浅いために起こる現象。十分な睡眠がとれていないので、日中に眠くなったり、疲れやすくなったりするなど、仕事の能率も低下します。
お酒が深い眠りを妨げていることに加え、アルコールには利尿作用があるので、夜間にトイレへ行く回数が多くなり、ますます熟睡を遠ざけることにつながります。
「飲まないと眠れない」となるリスクも
さらに注意したいのは、アルコールに依存することです。「眠れないから1杯」という習慣を身につけると、身体がアルコール耐性をつけ、「なかなか眠れないからもう1杯」というように、2杯、3杯と増えていく傾向があります。そのまま量が増えると、「飲むと寝つきがよくなる」から「お酒がないと眠れない」になってしまい、アルコール依存になるリスクがあるのです。
しばらく毎日飲み続けたあと、「これではいけない」と思って急に飲酒を中断すると、一時的に不眠がひどくなるケースもあるので注意してください。
お酒は絶対NGではないが、毎日飲むのは×
「なかなか寝つけない」と感じたら、お酒よりも安眠ドリンクを飲むのはいかがでしょう。カモミールティーなどカフェインレスのハーブティーや、身体を温める効果があると言われているシナモン入りのホットミルクなどがおすすめ。生活習慣、寝室環境や寝具を見直してみることもひとつの方法です。
寝る前のお酒は絶対ダメ!ということはありません。少なくとも“眠るために”飲むのはやめて、夕食時の晩酌として少量たしなむ程度がいいようです。毎日飲まないことを習慣づけて、お酒と上手に付き合いながら毎日の快眠につなげませんか。
【参考文献】
・SASnet「アルコールと睡眠の関係」
http://www.kaimin-life.jp/column/15.html
・日本大学医学部附属板橋病院睡眠センター「睡眠よもやま話~第五話アルコールと睡眠」
http://www.med.nihon-u.ac.jp/hospital/itabashi/sleep/column.html
『1日1分で劇的に変わる! ねむりのレシピ』(ナツメ社)
『女性のための睡眠バイブル』(主婦と生活社)
文/内藤綾子
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内藤綾子(ないとうあやこ)
東京出身。保険会社でOLを経験したのち、編集プロダクションに転職してライター業をスタートさせる。
出産を機にフリーとなる。ビジネス、家庭、健康、育児、教育に関連する記事を雑誌やWebで執筆するほか、書籍の企画・構成なども行う。
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