【医師に聞く】目覚めスッキリ!新生活からの早起き習慣 前編

今朝も目覚ましのアラームとバトルをしながら、なんとか起床したという方。新年度がはじまった今こそ、その習慣を変えてみませんか? 目覚めスッキリ習慣が身につくコツを、『起床術』(講談社)などの著者である、むさしクリニック院長の梶村尚史(かじむらなおふみ)先生に教えていただきました。
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目覚ましアラームが鳴らなくても、スッキリ目覚められる毎日へ。
—1日をスッキリとはじめるには?
1日を気持ちよく過ごすためには、質のよい睡眠をとったうえで、朝はきちんと早く起きるということが大事ですよね。それも、1日だけ早く起きるというのではなく、常日頃から一定した生活や睡眠のリズムを整えておき、毎朝その時間になると自然と目が覚めるという状況になっているのが理想です。
よい睡眠をとって規則的な生活を送っている場合は、目覚ましアラームが鳴らなくても目が覚めるという人が多いのではないでしょうか。一応、保険のために目覚ましアラームをセットしていても、鳴る直前に自然と目が覚めるという話もよく聞きますよ。スッキリと目覚めるためには睡眠のリズムを意識しておくことがポイントです。
休みの日の“寝だめ”で、時差ぼけのような状態に!?
—睡眠のリズムが乱れやすいのはどんな人?
一方、夜更かしをする機会が多いなど、生活習慣が乱れている人は毎朝目覚めスッキリとはいきにくいですよね。生活習慣の乱れで特に多いのが、平日と休日の睡眠のリズムが異なる人。平日の朝はなんとか起きて学校や会社に行って、休日の前夜は夜更かしをし、休日の朝は昼まで寝ているようなパターンです。土日が休みなら、その2日間で睡眠のリズムが数時間ずれてしまい、月曜日の朝が辛くなってしまいます。
これは“社会的時差ぼけ”と呼ばれる状況。海外旅行に行ってもいないのに、自分で睡眠時間の時差を作っているということです。
私たちの体内時計の長さは、24時間より少し長く、24時間半もしくは25時間と言われています。だから後ろにはずらしやすいのですが、前に早めるのはなかなか難しいのです。油断していると夜更かしになりがちで、結局は平日の朝の起床にしわ寄せがきてしまいます。
休日の朝の早起きが、平日の朝の目覚めスッキリを作る!
—睡眠のリズムを整えて毎日スッキリ目覚めるには?
とにかく平日と休日の睡眠時間のずれをなるべく少なくすることが重要。例えば、土日が休みの人が、月曜日から金曜日まで朝7時に寝て12時に布団に入っているなら、土日も同じ時刻に起床・就寝する。休日の朝に「もっと寝ていたい」と思っても、同じ時間に起きるようにする。そのためには、自分に必要な睡眠時間を認識して、普段から睡眠不足にならないような生活を送っていることが大事です。
「会社の歓迎会などでどうしても遅くなってしまう」ということもあるでしょう。普段は夜の12時の就寝が、夜中の2時や3時になってしまったときにも、普段7時に起きているならやはり7時に起きることをおすすめします。
睡眠のリズムのずれと睡眠不足のどちらが問題かというと、リズムのずれの方が与える影響が大きいんです。1日程度の睡眠不足なら翌日1日程度で取り戻せるのですが、リズムのずれは取り戻すのに2〜3日かかってしまうでしょう。これは「仕事が忙しくて徹夜してしまった」という場合も同様。明け方から昼にかけての睡眠はなるべく避けましょう。
とにかく朝の起床時間を一定にすることが、睡眠のリズムを整える秘訣。睡眠時間が不足した日は、夜に眠くなったら早めに寝てもよいです。ただし、眠くないのにむりやり早めに就寝しようとしても寝られないことが多いので、“眠くなったら早く寝る”と覚えておいてくださいね。
後編では、いつもより早起きしたいときに睡眠のリズムを整えるコツや、わかっていても生活習慣を変えられないときのスイッチの入れ方についてご紹介します。
取材・文/武田明子
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むさしクリニック院長
梶村尚史(かじむらなおふみ)
医学博士・日本睡眠学会認定専門医(睡眠医療認定医)・日本精神神経学会認定専門医・精神保健指定医。1981年山口大学医学部を卒業後、同大学附属病院神経精神医学教室に入局。1990年より国立精神・神経センター武蔵病院に勤務、アメリカ国立精神保健研究所(NIMH)への2年間の留学を経て1997年より国立精神・神経センター武蔵病院精神科の医長をつとめる。
2003年に同病院(現 国立精神・神経医療研究センター病院)を退職、「むさしクリニック」を開院。
2000年に「日本睡眠学会研究奨励賞」を受賞。著書に『「朝がつらい」がなくなる本(三笠書房)』、『起床術(河出書房新社)』など。
むさしクリニック:http://www.musashi-cl.com/index.html
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