寝室カラーコーディネートの決定版はコレ! 第2回

冬を控え、季節の変わり目には寝室に彩りを添えて、雰囲気を変えてみたくなります。そこで、寝室にふさわしいカラーコーディネートについて、カラーデザイナーとして活躍する秋山千惠美さんにアドバイスしていただきました。2回連載でお届けする第2回目は、秋山さんご自身の寝室カラーや寝室づくりのこだわりを中心にお話を伺います。
第1回の記事「寝室カラーコーディネートの決定版はコレ! 第1回」はこちら
アメリカに根づく色を楽しむ文化
──秋山さんはアメリカで暮らしていた経験がありますが、そこで色に対する認識が大きく変わったそうですね。
日本人に「引っ越した」と話すと「最寄り駅は?」「何LDK?」などと聞かれるのが一般的です。一方、アメリカ人の場合は、「何色の壁にするの?」と聞かれることがとても多かったんです。彼らにとって壁の色を変えるのはごく当たり前のことで、色を変えることが心理的にプラスに働くことをよく理解しています。暮らしの中にある色を楽しむことは、ライフスタイルを豊かにすることにつながるんだと思いました。
──今まで、数え切れないくらいお客さまの家を訪問されていると思います。寝室づくりには、どのような気持ちで取り組んでいらっしゃいますか?
「絵画が飾ってある、サーフボードが置いてあるなど、家というのはご家族の価値観が凝縮されていて、“家族の履歴書“のような印象を受けます。まさに、住む人の生き方そのものです。
寝室に関して言えば、本人が素に戻れる“自分らしい空間”にできるといいですね。1日の疲れを癒やし、明日への活力を養うことを目的に、「ベッドに入ることが楽しみ」というハッピーな気分になれる寝室づくりを心がけています。私はカラーの専門家ですが、カラーコーディネートだけで終わりというわけではないんですよ。
視覚だけでなく、五感でリラックスを
──「カラーコーディネートだけで終わりではない」とはどういうことでしょうか?
肌触りのよい寝具を新調する、間接照明を用いてやわらかな光を取り入れる、お香をたく、キャンドルを灯す、音楽を聴くといったさまざまなことも提案します。大切なのは、色の視覚効果に合わせて、触覚や聴覚といった感覚を丁寧に刺激し、五感全部で「心地よい」と感じられること。それができてこそ、真のリラックスが実現して質の高い睡眠につながると考えています。
──秋山さんご自身は、どのような寝室づくりをなさっているのでしょうか?
最近引っ越したので、寝室にはとてもこだわりました。私はグレーが好きなので、べースをグレー系にして全体的にシックにまとめています。今まで寝室へ入るたび、ベッドカバーに違和感があったので思い切ってベッドカバーだけは特注品に。壁のグレーに合わせて紺色に作り替えたら大満足の仕上がりになり、寝室へ入ることが楽しみになりました。
ベッドはクイーンサイズでゆったりと寝ています。横幅に余裕があるので、枕は硬めとやわらかめを1個ずつ並べてゴロゴロしたり(笑)。寝具はやわらかい触り心地にこだわっているので、肌に直接触れるシーツとかけ布団は綿の素材を選んでいます。
また、床には肌触りのよいカーペットを敷いていますが、これが大正解でした! 裸足で踏みしめた瞬間に睡眠スイッチが入り、寝室に入っただけで眠くなります。
プロに寝室のカラーコーディネートを頼みたいなら
──五感の中でも触感を大切にしているのですね。
それだけではありません。外で強い光を浴びているので、寝室にはやわらかいオレンジ色の間接照明をつけています。「とても疲れた」という日には、アロマキャンドルをたいたり香りのスプレーを寝室内に吹きかけたりしながら、心と身体をニュートラルな状態にするよう心配りをしています。
──秋山さんのように素敵な寝室カラーコーディネートを実現するために、プロにアドバイスを受けたいと思うことがあります。
「本格的にカラーコーディネートするかどうかは別として、とりあえず気軽に話だけでも聞いてみたい」という方は多いと思います。そんなときは、家具を取り扱うショールームへ足を運び、相談してみてはいかがでしょう。カーテン、ラグ、寝具などトータルでカラーアドバイスを受けられ、参考になることがたくさんあるはずです。ペイントや壁紙を取り扱うカラーワークスでも壁の色の相談を受け付けています。
東神田にあるパレットショールーム1F
暮らしの中に色を取り入れると生活が豊かに
──最後に、寝室を素敵にカラーコーディネートしたいと思っている読者へ向けて、メッセージをお願いいたします。
第1回でもお話しましたが、時間のあるときにインテリアの実例集を見るだけでも、心がワクワクしてくると思います。寝室づくりのイメージが、どんどん膨らんでくると思います。
寝室づくりが成功したら、ぜひ他の部屋にも色を取り入れてみませんか。気持ちを落ち着かせるアースカラーなどのナチュラル系はリビングや和室に、元気なイメージが強いイエロー系はダイニングや子ども部屋に、エネルギーに満ちた赤やオレンジは、ダイニングや仕事部屋がおすすめです。
色の効果を体感したら、タオル1枚買うときにも、「安いから」ではなく、「ブルーで落ち着くから」といった観点で物をセレクトしてみてください。色の持つ効果を引き出しながら生活すると、よりハッピーな毎日になるに違いありません。
取材・文 内藤綾子
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株式会社カラーワークス
秋山千惠美(あきやまちえみ)
カラーデザイナー、コミュニケーションディレクター。一般住宅から企業、店舗まで、空間の色や商品の提案・アドバイスに幅広く活躍。カラーマーケティング、マーチャンダイジング、プランニングやセミナーなども行う。 『カラーワークス』のオリジナルペイント「Hip」(グッドデザイン賞受賞)では、色の開発を手がけた。
カラーワークス ホームページ http://www.colorworks.co.jp
カラーワークス Facebook https://www.facebook.com/colorworks.jp/
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