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【スペシャリストに聞く】いびきの原因と最新治療法とは? 第2回目

いびきに詳しい『世田谷睡眠呼吸センター』の川原誠司院長に聞く連載記事。第1回目では、「パートナーに、いびきが大きくて眠れないと言われたら、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い」と川原先生に教えていただきました。そこで、睡眠時無呼吸症候群の原因や症状、リスクや治療法について伺いました。

第1回の記事「【スペシャリストに聞く】いびきの原因と最新治療法とは? 第1回目」はこちら

いびきは、睡眠時無呼吸症候群の症状の1つ。その原因とは?

—睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで、睡眠の質と体内の酸素が低下し、日常生活にいろいろな障害をもたらす疾患です。その多くが、喉の空気の通り道である気道が狭くなることが原因となって起こります。

いびきをかくことも、その症状の1つ。睡眠中に無呼吸になっている間はいびきが止まるのですが、その後激しい呼吸や大きないびきで呼吸が再開されたりします。窒息感で目が覚めたときに、心臓がドキドキしているようなときは、睡眠時無呼吸症候群の兆候かもしれません。

さらに、夜中に何度も目が覚めたり、睡眠の質が低下したりすることで、熟睡感が得にくくなるのも特徴です。「8時間寝たのにすっきりしない」というような場合も睡眠時無呼吸症候群が原因になっていることがあります。

メタボ体型のおなかの脂肪が喉に悪影響!? 睡眠時無呼吸症候群になりやすいタイプは?

—どんな人が睡眠時無呼吸症候群になりやすい?

まずは、太っている人。首回りの皮下脂肪が多かったり、舌やのどちんこなどのやわらかい組織に脂肪がたまっていたりすると、喉(気道)が狭くなって睡眠時無呼吸症候群になりやすくなります。また、実は、おなか周りの脂肪が、横になると上の方に移動して肺を小さくし、結果的に気道が狭くなることがあるんです。だから、メタボ体型の人は、睡眠時無呼吸症候群になりやすいんですよ。さらに、顎が小さい人が太ると、睡眠時無呼吸症候群になりやすいという傾向があります。

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あとは、第1回でお話したいびきの原因と同様に、飲酒や睡眠薬、鼻づまり、女性ホルモンの減少などで起きやすくなります。

年代としては、40代〜50代の働きざかりの男性に多いですね。結婚して体重が増えたり、年齢とともに運動不足になったことが原因となって、30代くらいから起こりやすくなります。一方、女性の場合は、女性ホルモンの分泌が減る更年期以降は気をつけた方がよいですね。

将来的に高血圧や脳梗塞になりやすいというリスクも。

—睡眠時無呼吸症候群のリスクとは?

睡眠の質や体内の酸素量の低下などが原因となり、日中の眠気や集中力・記憶力の低下、頭痛や倦怠感などが症状としてあらわれやすくなります。特に車の運転や命に関わるような機械の操作をする人は、事故などの危険性が高まりますので注意が必要です。

一方で、睡眠時無呼吸症候群が治療されず長期にわたって続くと、高血圧や糖尿病になりやすくなる、動脈硬化が進行して脳梗塞や心不全になりやすくなるなどと言われています。酸欠状態を繰り返したり、無呼吸に伴って心拍や血圧の上昇が何度も起きたりすると、体内の血管に負担がかかってしまうんです。

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睡眠時間は1日の約1/3、人生のなかでも大きな割合を占めています。その睡眠中に身体の中でよくない状態が続くと、将来的に病気になるリスクが高くなるということなんです。

呼吸器で、眠りの質を上げ、将来的な病気のリスクを下げる。

—睡眠時無呼吸症候群の対策や治療法は?

対策としては、まずは、肥満に注意することが大事。肥満度を示すBMIの値<体重kg÷(身長×身長m)>が25以上の肥満の人は睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われているので、減量するように心がけることが大切です。もし、鼻づまりがあれば、鼻の通りをよくすること。軽度の睡眠時無呼吸症候群なら、痩せたり鼻づまりを改善したりすることで、よくなる可能性もあります。

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また、軽度の睡眠時無呼吸症候群の治療法として、マウスピースを使って下顎を前に出すように固定することで、気道が広がり、症状が改善する場合もあります。歯医者さんで型を取って作ってもらうのですが、睡眠時無呼吸症候群であれば健康保健が適用になるので、使っている人はけっこう多いですよ。

重度の場合は、CPAP(シーパップ)という装置を用いて治療をすることになります。寝ている間、鼻にマスクをつけてもらい、喉の奥が陰圧になって閉じてしまわないように、喉の奥に空気を送り込んで陽圧を保つようにする装置です。人工呼吸器の一種ですね。継続して使うことで、無呼吸やいびきが起きにくくなり、将来的な病気の発症予防にもなると言われています。

日本では、定期的に通院してもらいながら、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止するCPAP(シーパップ)という機器をリースするスタイルで使ってもらいます。睡眠時無呼吸症候群であれば健康保健も適用され、リースなので壊れても安心ですよね。当院の場合は、3割負担の健康保健が適用されると自己負担は毎月5000円弱が目安です。

CPAPを使うことで、重症の人ほど「ぐっすり眠れた」という実感が大きいようです。検査をすると、睡眠の質が治療前よりよくなっていることも分かります。

睡眠時無呼吸症候群は、ある日突然なるわけではなく、徐々に症状があらわれるものです。「最近、なんだか疲れやすいのは歳のせいかな」と自己判断して、なかなか受診できなかったという人もいます。一人暮らしだと気づきにくいのですが、社員旅行などで指摘される場合もありますね。

もし、睡眠の質が悪くて、睡眠時無呼吸症候群が疑わしいと思ったら、一度専門の病院を受診してみることをおすすめします。迷っているなら「CPAPの装置を使ってみて合わなかったら、やめればいい」くらいの気持ちでよいと思います。睡眠の質を上げながら、将来の病気になるリスクを下げるかもしれない一歩を踏みだしてください。

取材・文 武田明子

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