【専門家に聞く!】睡眠は美容の特効薬! プロが実践する睡眠法は? 第1回「健やかな肌や髪に、睡眠が影響するのはなぜ?」

美容家は、睡眠をとても大事にしています。美容にはなぜ睡眠が必要かをひも解き、美のプロが実践している睡眠の工夫などについて、ホリスティック美容家の岸紅子さんに2回連載で話を聞きました。
第2回の記事「【専門家に聞く!】睡眠は美容の特効薬! プロが実践する睡眠法は? 第2回「岸紅子さんのキレイのヒミツは睡眠にあった」」はこちら
肌のくすみ、髪のパサつき、睡眠が美容に与える影響
──「睡眠美容研究家」の肩書きも持つ岸さんの元には、睡眠に対する相談が多く集まると思います。睡眠に対して、最近の傾向があったら教えてください。
忙しい人ほど、十分な睡眠をとれていないように思います。「必要な睡眠時間を確保できない」「ベッドに入ってもスムーズに入眠できない」といった訴えが多いです。ストレスも大きく影響しているのでしょう。
──睡眠不足や睡眠の質が悪いのですね。そのような状態が続くと、美容にどのような影響が出ますか?
・肌に、ベタつき、くすみ、肌荒れ、シミ、シワ、クマが出る
・髪のパサつき、つがなくなる
・爪が割れやすい、縦線が出てくる
といったことが目立ってきます。
キレイのヒミツは、入眠後3時間にアリ!
──睡眠が美容に影響を与えるメカニズムを教えてください。
肌細胞は、常に紫外線や外的刺激やストレスによって傷ついており、眠っている間に細胞分裂を行い、修復することで健やかな状態を保っています。「ターンオーバー」という言葉は聞いたことはあるでしょうか?肌の生まれ変わりのサイクルをいうのですが、ターンオーバーは、成長ホルモンの分泌により促進されているんです。
成長ホルモンは、入眠後3時間くらいのノンレム睡眠時にたっぷり分泌されることがわかっています。きちんと眠らないと成長ホルモンは十分に分泌されず、スムーズなターンオーバーができないため肌の修復や再生につながりません。
──成長ホルモンをしっかり分泌させるために、深く眠ることが大切なのですね。
それだけではありません。忙しい人たちの心と身体は、常にアクセルを踏んだ状態です。睡眠によって休ませ、意識がない状態を作ることが必要。そうしないと巡りの悪い身体になり、肌や髪、爪といった末端まで血液や栄養が届かず、顔色が悪くなるといった美容トラブルを引き起こしやすくなるのです。
自分に合った睡眠時間を知らない人が多い
──理想的な睡眠とは、どのようなものですか?
必要な睡眠時間は人それぞれ違うので、「○時間寝てください」と言うのは難しいです。「朝スッキリ起きられる」ことを目安にするとよいでしょう。
また、寝る時間帯も大事です。体温や血圧、ホルモンの分泌など、身体の基本的な働きは、約24時間のリズムで変化しています(概日リズム)。 概日リズムに合わせた睡眠をとることを意識して、寝る時間は23時前後がおすすめです。遅くともその日のうちにベッドに入ることを目標としましょう。
睡眠の悩みが深い人ほど、自分に合った睡眠時間などをわかっていません。何時にベッドに入り、何時間寝るとスッキリ目覚められるかをいろいろ試して、自分に合った睡眠を知ることが重要です。
──きちんと睡眠をとるための、寝る前の過ごし方で注意することはありますか?
身体は、交感神経と副交感神経がバランスをとりながら働いています。昼間に活動しているときは交感神経が優位になり、眠りに向かうときに副交感神経が優位になるのが自然なリズムです。寝る前は副交感神経を優位にして、リラックス状態をつくることがポイントです。次に挙げることを参考にして、身体を眠りモードに導いてください。
・夕食は寝る4時間前に
夕食は寝る4時間前を目安に、遅くても2時間前には食べ終わるようにしましょう。食べてすぐに寝ると、寝ている間に消化作業をすることになるので胃腸が十分に休むことができず、浅い眠りになりがちです。
・寝る1時間前に入浴を
38℃〜40℃くらいのぬるめの湯にゆっくりつかり、一日の心と身体の疲れをとってください。入浴後、体温が高いままベッドに入ると汗をかいて風邪をひくことも。寝る1時間前くらいに入浴するのがベストです。
・寝る前に強い光を浴びない
寝る前に強い光を浴びると、脳が起きる時間だと勘違いして交感神経が優位のままに。副交感神経を優位にするために、ブルーライトを発するパソコンやスマートフォンを使うことは控えましょう。
朝の過ごし方が夜の睡眠を左右する
──きちんと睡眠をとるための一日の過ごし方で、アドバイスはありますか?
睡眠というと、夜の過ごし方にばかり気をとられがちです。でも実は、朝の過ごし方が睡眠の質を左右するんですよ。
朝起きたときに太陽の光を浴びると、セロトニンという活動ホルモンが分泌されます。セロトニンの分泌から約14時間たつと、セロトニンからメラトニンという睡眠ホルモンに変わる仕組みに。朝、太陽の光を浴びることは、夜の睡眠に欠かせないポイントなのです。
──睡眠に重要な朝の過ごし方を具体的に教えてください。
・起きたら窓を開けて、太陽光を浴びる
セロトニンの分泌には1万ルクス以上の光が必要と言われています。曇りの日でもOK。
・朝食をきちんと食べる
食べ物を胃腸に入れることで、目覚めのスイッチが入ります。食べ物を咀嚼することで反復運動になり、セロトニンの分泌が促進されます。
また、セロトニンは95%が腸でつくられています。腸内環境を良好な状態にキープすることは睡眠にとても大切。規則正しい食事や栄養バランスの見直しも心がけてください。
みずみずしい肌と艶やかヘアの岸さん。第2回は、誰もが知りたい! 透明感あふれる美しさをキープする岸さんの実践する睡眠についてお届けします。
文/内藤綾子
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ホリスティック美容家
岸紅子(きしべにこ)
NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事。発酵食アドバイザー、睡眠美容研究家。大学時代にホリスティック医療と出会い、多くの代替療法を研究。NPO法人日本ホリスティックビューティ協会を設立し、2010年に「ホリスティックビューティ検定」開始。国内外で検定やセミナーを通じて自然治癒力の高め方やセルフケアを伝える。
https://h-beauty.info
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