【専門家に聞く!】 やってしまった!寝坊して遅刻したときの対策を伝授します 第2回 「絶対に避けたい寝坊、どのように対策する?」
INTERVIEW

目覚まし時計を見て、「うわっ、遅刻!」という場面は、誰もが経験しているのではないでしょうか。寝坊が理由で遅刻したとき、どのように対策すればよいのか、マナー講師の三上ナナエさんに解説していただきました。2回連載でお届けする第2回は、寝坊の予防対策などについてアドバイスします。
第1回の記事「【専門家に聞く!】 やってしまった!寝坊したときの対策を伝授します 第1回「会社への連絡方法や謝罪の仕方」」はこちら
寝坊した理由を聞かれたら、必ず付け加えたい言葉
──寝坊して遅刻したあと、出社後の態度でその人の評価が変わると思いますが、いかがですか?
そう思います。言い訳はせず、真面目な態度で黙々と仕事をする態度を見せてください。その後の仕事ぶりも信頼を回復するための重要な要素です。返事はハキハキ、仕事はテキパキこなし、気持ちを新たに仕事と向き合うことが大切です。
寝坊した理由を聞かれたら、
「目覚まし時計が鳴っているのに気づかず、寝てしまいました」で終わらず、
「目覚まし時計が鳴っているのに気づかず、寝てしまいました。今後は2個かけます!」など、寝坊しないようにする対策まで言うと反省していることが伝わり、相手は安心します。評価もそれほど下がらないと思いますよ。
──反対に、評価が下がるのはどのような態度ですか?
寝坊した理由を聞かれてもいないのに言い訳ばかりして、「自分は悪くない」ことを主張すること。また、すぐにケロッとした態度をしていると、「反省しているの?」と周囲はモヤモヤします。
落ち込み過ぎるのもいけません。「元気出しなよ」と周囲に気を遣わせてしまうことになり、“面倒な人”になってしまいます。
ときどき、先輩が「落ち込むなよ、オレもよくやったから」と慰めてくれることがありますが、「そうですよね! あ~よかった」なんて調子に乗ってしまうこともNG。「気を遣ってやったのに」と反感を買うことがあります。「慰めてくれてありがとうございます」と、真摯にお礼を言いましょう。
目覚まし時計は手の届かない所へ
──寝坊しないために、やっておくとよい対策があったら教えてください。
目覚まし時計を複数活用することがおすすめです。中でも1個は手の届かない所へ置くようにすると、ベルを止めるのに起きなくてはならなくなります。
スヌーズ機能を活用するのもよいですが、「また鳴るだろう」という油断ができ、また寝てしまって結局遅刻してしまうことも。「スヌーズ機能は3回まで」といったように、制限をかけておくといいですね。
──寝室環境で工夫できることはありますか?
寒い時期は、「もうちょっと布団の中にいたい」という気持ちが働き、布団から出るのに時間がかかります。エアコンのタイマーなどを活用して、起きる時間は寝室を暖めておくとよいでしょう。
寝坊を防ぐ対策の基本。夜はスマホやパソコンから離れて
──寝坊しないためには、日常生活を見直すことも大切ではないでしょうか。
その通りです。寝坊して遅刻すると、「寝る時間が遅すぎるのではないか」「夜遊びして生活が乱れているのでは」など、私生活に対してよくない印象を持たれることもあります。
寝る前に多くの人が、メールの返信、残った仕事の片づけなどをしているようです。夜にブルーライトなどの強い光を浴びると、睡眠の妨げになります。夜はスマートフォンやパソコンなどから離れて、10時ごろには寝ると決めてはいかがでしょう。
夜に行っていたことは、朝早く起きてやってみてください。夜の疲れた身体でやるよりも効率よく進むはずです。
──その他、寝坊を防止する具体的な対策はありますか?
人によって必要な睡眠時間は違います。自分に適した睡眠時間や行動サイクルをつかんで、そこからなるべく乱れないように生活してください。
ひとつのポイントとして、翌朝の起床時間から逆算して、前日の行動を考えるクセをつけるといいですよ。「朝6時に起きるためには、前日は10時に寝る」「朝5時起きの日は、休日は家でゆっくり過ごして夜は9時に寝る」といったようにしてみては。
集中力低下にイライラ。睡眠不足は仕事のパフォーマンスを下げる
──三上さんは、仕事をするうえで、睡眠をどのように考えていらっしゃいますか?
睡眠は仕事の疲れを癒やし、能率アップするためにとても重要と感じます。睡眠が足りていなかったり熟睡できていなかったりすると、仕事中は頭がボーッとしてしまい、ケアレスミスが多くなります。
身体の疲れがとれず、気持ちはイライラして笑顔も出ません。周囲に与えるイメージも悪くなります。
──最後に、メッセージをお願いします。
新人研修を行っていると、新入社員から、「失敗しちゃいけない」「目立ちたくない」という印象を受けます。「寝坊による遅刻」はどちらにも当てはまり、“大事件”かもしれません。でも大切なのは、寝坊して遅刻したことよりも、その後の言動や態度です。前向きな仕事ぶりと遅刻を繰り返さないようにする姿勢で、信頼は回復できるでしょう。
寝坊することは、「睡眠を見直して」というサインでもあります。日常生活を立て直して改善できるように心がけてください。
文/内藤綾子
監修:マナー講師 三上ナナエさん
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マナー講師
三上ナナエ(みかみななえ)
1990年に北海道リコー株式会社へ入社(現リコージャパン)。販売戦略、セールプロモーションに従事。1995年日本空輸株式会社入社。客室乗務員としてジャンボ機チーフパーサー、新人OJTトレーナー、グループリーダーに従事。2005年~現在 企業研修、コンサルティング、および個人イメージコンサルタントとして稼働。年間 80回以上の企業研修を実施。
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