健やかな成長のために。赤ちゃんの布団やマットレスどう選ぶ?
INTERVIEW

1日の多くを眠って過ごす赤ちゃん。マットレス選びは体や肌にどんな影響があり、どんなポイントで選ぶとよいのでしょう。素材や硬さ、衛生面を保つためのポイントなどを「北浜こどもクリニック」院長の北浜直先生にお伺いしました。
アレルギー予防のためにも通気性が大切
──布団やマットレスは赤ちゃんの成長や快適さに影響するのでしょうか?
快適さはもちろんあると思いますが、我々大人と同じ感覚でいいと思いますよ。僕たちが快適に感じるものは赤ちゃんも同じように感じると思います。
あとは通気性。赤ちゃんは発汗が多く、たくさん水分を出すので、着るものや寝具に湿気が移るとカビの原因になります。カビが生えてしまうとアレルギーの原因になってしまいますから。
──赤ちゃんの寝具は肌への影響もありそうですね。素材はどのように選んだらよいのでしょうか?
中国製よりは日本製がいい、化繊はあまりよくないなど世間的な風潮はあると思いますが、近年は化繊のなかでも実はすごく性能がいいものも出ていますし、あまり素材にはこだわらなくてもいいと思います。
マットレスは硬めを選ぶことで危険を回避
──赤ちゃんの布団やマットレスはどのような硬さを選んだらよいのでしょうか。
これは月齢によっても違いますが、寝返りを打って埋もれてしまい、窒息の原因になるので、ふわふわした布団やマットレスは避けて、首が座って自分でものを持ち上げるられるようになるまでは、なるべく硬めのものを選んだ方がよいと思います。
──マットレスの硬さを気にするのは、首がすわる頃を目安にしたらよいのでしょうか?
多少ふわっとしたものでもよいかもしれませんが、うつぶせ寝が「乳幼児突然死症候群」の原因になり得るので、首がすわってからも、乳児と呼ばれる1歳くらいまでは、顔が埋もれてしまうような柔らかいものは控えて、硬いものを使った方がよいでしょう。
──衛生面に関してはどのように気をつけたらよいでしょうか?
赤ちゃんにとって寝具は、1日8時間くらいの長時間肌に触れているものなので衛生面はとても大切です。
とくにまくらカバーや布団カバーなど、肌に直接触れるものに関しては、強いアレルギーを持っている赤ちゃんの場合、できれば毎日の洗濯をおすすめします。ただ毎日となると大変でしょうから、せめて3日から1週間に一度は洗濯したほうがいいと思います。
衛生面はこまめな洗濯と掃除機で予防を
──どのように洗うか、洗濯のポイントはあるのでしょうか?
洗って陰干しをして、乾いた素材の上から掃除機をかけることで、寝具に入り込んだダニや残ったカスも取ることができます。掃除機は、性能のいいものも販売されていますが通常のタイプで大丈夫ですよ。
アレルギーのある人にとって非常によいですし、予防にもなります。生活スタイルもあると思うのでなかなか難しいかもしれませんが、なるべくこまめな洗濯をおすすめします。
──こまめな洗濯は赤ちゃんの肌にとってどう影響するのでしょうか?
アレルゲンは皮膚から取り込まれます。進行してしまうとアトピーになってしまうので、アレルギーを取り込む赤ちゃんの時期に、少しでも取り込む量を減らしてあげることでアトピーの予防になります。肌が荒れやすかったり、敏感な赤ちゃんは一層気をつけてあげた方がいいと思います。
マットレスは硬いものを選ぶことで、危険から赤ちゃんを守ることができるようです。また、目には見えない衛生面での効果的な掃除の方法や洗濯頻度、とっても役立ちますね!
北浜こどもクリック
理事長/院長 北浜直先生
2010年、神奈川県川崎市高津区の小児科・アレルギー科クリニック「北浜こどもクリニック」を開業。子どもにとって不必要となる検査や処置は行わず、待ち時間が短いことでも定評がある。地域に密着したママの駆け込み寺を目指し、小児科・アレルギー科診察の他にも育児相談から、これからママになる妊婦さんの相談外来も受け付けている。