この冬に実践したい! 良質な睡眠へ導く温活
INTERVIEW

身体の冷えが、睡眠に影響することはよく知られています。身体を温め、良質な睡眠へ導くヒントを、大塚家具のスリープアドバイザー中村拓也が解説します。
体温をコントロールすることが、睡眠温活への第一歩
──そろそろ寒さも本格的になる時期です。お客様から、「冷えて眠れない」といった声を聞くことはありますか?
冷えで悩んでいる方は、実は冬に限らず一年中いらっしゃいます。とはいえ、この時期は特に増えますね。20~40代前半くらいの女性に多く、「足先が冷たくて眠れない」といった声をよく聞きます。
──身体の冷えは、なぜ良質な睡眠を妨げるのでしょう?
良質な睡眠へとつなげるには、体温をコントロールすることがポイントです。体温は、活動的に過ごす日中は高く、夕方から少しずつ下がり始め、夜、急激に下がるのが通常です。
身体は夜になると、睡眠に入るために手足の皮膚の血管を拡張させます。そこへ流れる血液に熱を乗せて手足などの末端へ運び、体外へ放熱して体温を下げるのです。つまり、夜の体温低下とともに、眠りが訪れるというメカニズムです。
身体が冷えている場合、手足など末端の血管が収縮してしまい、放熱がうまくできず、寝つきにくくなってしまうのです。
──確かに、冷えは手足が一番強い気がします。
冷えから身体を守るには、血行をよくして温かい血液を末端まで送ってあげることが重要なのです。
シーツや布団カバーを綿素材に変えて、冬支度を
──寝具は、いつごろ冬支度するのが理想ですか?
それぞれの方が、「寒い」と感じる時期でよいと思います。あえて言うなら、衣服と同じ時期を目安に、10~11月ぐらいが適切ではないでしょうか。
──どのような寝具を冬支度すればよいでしょう?
今年の夏は、シーツならサラッとした麻、布団カバーならガーゼ素材が人気でした。そのような場合、冬は綿素材に変えることが簡単です。
シーツは、綿素材の中でも細く長い糸できめ細かく編み込まれている超長綿がおすすめ。しなやかでしっとりした感触があり、ヒヤッとしません。暖かくて蒸れも少ないです。布団カバーも、綿だと少し重量が増して暖かさが逃げにくくなります。
良質な睡眠へ導く、あったか寝具のイチオシは?
──この冬イチオシの、あったか寝具を教えてください。
かけ布団なら、羽毛布団が定番です。羽毛の量は600~1000gを目安に、ポーランドやハンガリーといった極寒の地で育ったグーズの羽毛であれば保温性に優れ、冬でも1枚で良質な睡眠に導かれます。
敷き布団なら、ボアのような毛足の長い繊維を取り入れたシーツや敷きパッドはいかがでしょう。毛皮のようにふんわりと起毛して織ってあるので暖かく、身体をやさしく包み込んでくれます。
羽毛布団と一緒に使えば、寒さには無敵の組み合わせです。
──布団に入ったとき、ヒヤッとするのがイヤでたまりません。湯たんぽなどを使うときの注意点はありますか?
電気毛布や湯たんぽを使う場合は、寝る前に布団の中へ入れておき、寝るときは布団の外へ出すようにするといいですよ。
布団の中に入れながら寝ると、身体を暖めすぎて余分な汗をかき、逆に冷えてしまいます。また、低温やけどのリスクもあるので気をつけてください。
厚着で寝るのはNG。身体を締めつけないパジャマが正解
──寝るときの服装で、冷えないために気をつけることは?
汗をよく吸い取り、身体を締めつけないパジャマ1枚で寝るのが、良質な睡眠をとるのに適しています。
冬は厚着をして寝る方が多いのですが、汗をかきすぎて冷えてしまうことが。また、スムーズな寝返りを妨げ、肩こりや腰痛、疲労が抜けないといった原因にもつながります。
──部屋着のまま寝る人も少なくありませんね。
スウェットなどで寝る方もいますが、手首や足首、ウエストのゴムが身体を締めつけていることが多く、あまりおすすめできません。血流が妨げられて、身体が冷えやすくなります。
靴下を履いて寝る場合も同様に、ゴムの締めつけが気になるので、布団に入ったときは脱ぐようにしてください。
──寝室の環境づくりで暖かくする工夫はありますか?
冬の理想的な寝室環境は、室温15~18度、湿度50%前後と言われています。エアコンなどで調節することを心がけましょう。
冬は乾燥も気になりますが、加湿器のタイマーを利用して2時間くらい活用すると、乾燥しすぎる心配もありません。
入浴、ストレッチなど、寝る前の冷え対策を忘れずに
──日常生活で温かく寝るために、アドバイスはありますか?
身体を温めるには、きちんと入浴することが大切です。浴槽に40℃くらいの湯をはって20分ぐらいつかっていると、身体が芯から温まります。
また、入浴してからベッドに入るまでに30分~1時間ほど時間を空けて、体温を下げることも大切です。入浴してすぐに布団に入ると、体温が上がったままでスムーズな眠りに入れません。「なかなか眠れない」と思うと、あせって眠りがさらに遠のいてしまいます。
──中村さんのあったかく寝る工夫があったら、教えてください。
寝る前には、軽いストレッチをしています。一日の疲れがたまって身体がガチガチになっているので、緩める目的があるのですが、血行もよくなり、冷え予防に役立っています。
──最後に、読者へメッセージをお願いします。
冷えは、生活習慣から寝具まで、あらゆる工夫で改善できると思います。良質な睡眠へ直結する睡眠温活を大塚家具もお手伝いしますので、ぜひショールームで声をかけてください。
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大塚家具 スリープアドバイザー
中村拓也(なかむらたくや)
大塚家具 有明ショールーム アシスタントマネージャー。 2007年に大塚家具に入社。 スリープアドバイザーの資格をいかし、「寝具ではなく、寝心地を提供させていただく」をモットーに、快適な眠りの環境作りをトータルにお手伝いしています。
【スリープアドバイザーとは】
睡眠研究機関である「スリープ研究センター」が認定している資格。睡眠の専門知識に関する講座を受け、試験に合格した人だけが名乗ることができます。大塚家具では、各ショールームでスリープアドバイザーがお客さまのより良い睡眠のための相談役として活躍しています。
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