【専門家に聞く!】睡眠は美肌づくりの基本だった!第1回

睡眠と美肌には密接な関係があります。睡眠が肌にどのような影響を与えるのか、美容の専門家であるウェルネス&ビューティジャーナリストの久保直子さんに話を聞きました。2回連載でお届けする第1回は、美肌づくりに役立つ成長ホルモンや、肌トラブルが出たときの対処法などについて解説します。
第2回の記事「【専門家に聞く!】睡眠は美肌づくりの基本だった!第2回」はこちら
睡眠の質が悪くなる原因は、環境、デジタル機器、ストレス
──「睡眠不足は美容の敵」とよく言われますが、「美容は気になるけど、十分な睡眠がとれない」という人が多いのでは?
毎日忙しく働いている人の場合、「睡眠時間が少ない」「よく寝たのに疲れが取れない」「夜中に何回か目が覚める」など、睡眠の質が悪い人は現実として多いです。それで美肌が遠のいてしまうことがわかっていても、生活スタイルを変えづらい環境もあると思います。
──忙しい人の睡眠の質が悪くなるのは、なぜでしょう。
人には、活動モードになる交感神経と、リラックスモードになる副交感神経という2つの自律神経が備わっています。この2種類の神経がバランスよく保たれ、交感神経から副交感神経にスムーズに切り替わることで眠りに導かれます。
でも、交感神経がいつまでも優位のままで、副交感神経にうまく切り替えできない人が多いんです。
その理由のひとつとして、会社や店、家の中でも遅くまで照明を浴びているので、暗くなって分泌される睡眠ホルモン・メラトニンが十分に分泌されないことが挙げられます。その他、パソコン・スマートフォン・テレビなどデジタル機器を寝る直前まで見て、強い光を浴びている、ストレスをたくさん抱えているといったことも影響しているでしょう。
睡眠中に分泌される成長ホルモンが美肌づくりのカギ
──私たちの周りには、睡眠を妨げる理由がいろいろあるのですね。睡眠の主な役割を教えてください。
具体的には、
・細胞の再生
・記憶の整理
・肥満解消
・生活習慣予防
といった4つが挙げられます。睡眠中は、「何もしないで寝ている」だけではありません。身体や心の調整を行っているのです。
中でも、美肌づくりに役立つのは「細胞の再生」です。肌の奥で生まれた細胞は、少しずつ上に押し上げられていき、約28日間かけて一番上までたどり着くと、役目を終えてはがれ落ちます。この一連の再生の流れは「肌のターンオーバー」と言われ、睡眠中に行われます。
このとき、重要な役割をするのが成長ホルモンです。肌の代謝を促す働きがあるので、ターンオーバーを始めるために最も重要な“天然の美容液”と言えます。
──成長ホルモンは、いつ分泌されているのでしょう?
寝ついてから30分~1時間で分泌が始まり、3時間までがピークに。「肌のゴールデンタイムは午後10時~午前2時」とよく言われますが、実は眠りに落ちてからの3時間が重要です。逆に、眠らないと成長ホルモンは分泌されず、肌のターンオーバーが滞りがちになります。
睡眠が不足すると、ニキビや吹き出物などの肌トラブルに
──睡眠が不足すると、肌にはどのような不調が起こりやすいですか?
古い角質が肌に残り、新しい皮膚が再生しにくくなることに。くすみ、シミ、そばかす、毛穴の詰まり、ニキビ、吹き出物、乾燥、ごわつきなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
──肌の調子が悪いと、一日のモチベーションがなかなか上がらないことも多くあります。
身体の安定は、心の安定につながるので当然なんです。特に女性は、たったひとつのニキビを発見しただけで落ち込み、「一日やる気が出ない」なんてことも珍しくありません。
──気分を上げるためにも、肌の調子を整えるのは大切ですね。肌トラブルがあるときの、具体的な対策はありますか?
肌にトラブルがある人は、肌のバリア機能が低下して乾燥しやすくなったり、紫外線などの外的刺激を受けやすくなっていたりします。
肌をいたわることが第一なので、クレンジングを見直してください。きちんと洗顔して、古い角質や汚れなどを丁寧に洗い流すことが基本です。ミルクタイプのクレンジング剤で、マッサージしながらやさしく洗うのがおすすめ。ミルクタイプは肌にやさしく、どのような肌にもなじみやすいんです。
──フルメイクをしていて、ミルクタイプでは物足りないという人は?
肌にのばすとオイルへと変化するジェルタイプのクレンジング剤など、肌に負担をかけずに落としてくれるようなテクスチャーのものを試してみるといいですよ。それにこだわらず、好みで選んでもOK。
自分の肌に合ったアイテムでクレンジングをしっかり続ければ、肌のバリア機能が整ってきます。ターンオーバーがうまくいきキメも整うので、ツヤが出て肌の色が一段明るくなります。化粧のりもよくなるでしょう。
「肌に悪いから、きちんと寝なきゃ」とプレッシャーをかけないで
──肌の不調を感じたらクレンジングをしっかり行い、同時にきちんと睡眠をとることで、美肌をキープしたいですね。
肌の不調に悩んでいる人の中には、「肌に悪いから、きちんと寝なきゃ」と焦る人が多く見られます。それがプレッシャーとなり、睡眠を妨げたり、睡眠の質の低下につながることがあるので、思い切って起きてしまうのも自然な眠気を誘うひとつの方法です。
「あえて起きる」ほかにも、美肌をつくるのに大切な睡眠へ導くための工夫はいくつかあります。第2回ではそれらを詳しく解説するので、ご期待ください。
文/内藤綾子
監修:ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士
久保直子(くぼなおこ)さん
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ウェルネス&ビューティジャーナリスト/植物療法士
久保直子(くぼなおこ)
AMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、スポーツアロマテラピストの資格を持ち、植物療法、特に「メンタルビューティ」を軸にした独自のウェルネス&ビューティプログラムを企画&発信。10数年の美容ジャーナリストとして執筆してきた他、メディアでの監修、セミナー&ワークショップ、カウンセリング、プロダクツ監修、イベントプロデュースなどの活動や二児の母の立場を生かしmama caféや生教育ワークショップを主宰。オールアバウトガイド。&プレミアムで連載中。
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