「寒くて眠れない」は解決できる!
INTERVIEW

肌寒い季節になると、寝室全体が冷え冷えとするうえに、布団の中に入るとさらにヒヤッとします。そのような状態では、眠りにつくまでに時間がかかることも。身体を温めてグッスリ眠れるように、寝室の環境調整や寝具のセレクト、あったかグッズの情報について、スリープアドバイザーが解説します。
睡眠は体温と密接に関係している
──冬が近づいて、急に冷え込むようになりました。身体が冷えていると、なぜ眠りにくくなるのでしょう。
人は眠りに入るとき、体温を上げて身体の表面から放熱し、体温が下がるとき、眠りに入るというメカニズムになっています。
身体が冷えると血のめぐりが悪くなり、体温が上がりにくくなって入眠の妨げに。スムーズな眠りにつくためには、寝る前の体温調整がきちんと行われるように、就寝前に身体を温めることが大切です。
──睡眠は体温と大きく関係しているのですね。部屋全体を暖める工夫はありますか?
まず、思い浮かぶのはエアコンだと思います。ですが、エアコンで暖めすぎると乾燥してしまい、のどが乾いて夜中に咳き込んだり、肌もカサカサになったりしてよくありません。エアコンを使うなら、寝室に入る1時間前くらいにスイッチを入れ、寝室に入ってから消すようにするとよいでしょう。
ただし暖房器具に頼らなくても、秋冬は厚手のカーテンがあれば十分。カーテンには保温性があるので、夕方ごろに閉めておくと、昼間の日差しで暖まっている室内の空気を、寝る時間まで保っておくことができます。
また、最近はフローリングの寝室が多く、「足元が冷える」という方が多くいらっしゃいます。ベッドの足元にラグを敷いて、足裏からの“ヒヤッ!と感”を防ぐこともポイントです。
ラグはインテリアのアクセントにもなるので、ファッション性の高い毛足の長い素材が人気ですが、掃除しにくいデメリットが。毛足の短いもので、ウールがおすすめです。ウールは保温性が高いので、昼間の暖かい空気を含んでくれるメリットがあるのです。
寒くて眠れない夜は羽毛布団に包まれて
── 布団の中に入ってから素早くポカポカになるために、就寝前にできる工夫はありますか?
軽いストレッチ、ホットドリンクを飲む、入浴などは手軽な方法だと思います。特に冷え性の方なら、あったかパッドを腰や足元などに敷くとよいのではないでしょうか。
昔から親しまれている湯たんぽや電気あんかなどもありますが、暑すぎて布団をはいでしまい、逆に身体を冷やす可能性があります。近年では低温やけどのリスクも指摘されていますから、注意してください。
── 秋になると、寝具の衣替えが必要ですね。ポカポカ寝具のおすすめは?
空気のように軽くて、身体に優しい羽毛布団が一番です。羽毛は空気を多く蓄えられるので、暖かいのはもちろん、湿度が調整できます。睡眠には、温度33度+湿度50%をキープできる寝床内環境がよいと言われますが、温度と湿度の両方を調整してくれるので、常に布団の中は快適。暑すぎて布団をはいだりすることもありません。
羽毛の種類で言えば、空気をたっぷり含み保温性に優れている「グース」がおすすめ。ポーランドやハンガリーといった極寒の国ほど、原毛の質がよいとされています。
羽毛の量は800g、気密性の高いマンションなら600gを目安にするとよいでしょう。産地や品質を考えると、10万円以上の商品を選ぶと「寒くて眠れない」といったことがなくなると思います。
とはいえ、リーズナブルな羽毛布団で「保温性が心配」という方でも大丈夫。毛布やタオルケットを羽毛布団の上にかけると暖かい空気が逃げなくなるので、試してみてください。
── 掛け布団は羽毛布団で決まりですね! 敷き布団で秋冬のイチオシはありますか?
ベッドを使用しているなら、ベッドパッドをウール素材にするのが“あったかワザ”です。ウールは、昼間の日差しやエアコンなどの暖かい空気を含んでくれるので、秋冬には最適なんです。
ついやってしまいがち。着込んで厚着して寝るのは×!
──寒くなると、つい着込んで寝てしまうことも。寝るときの服装に関するポイントはありますか?
パジャマは、吸湿性と放湿性がある綿素材のものを選んで。トレーナーなどを着込んでしまうと、逆に暑くて汗をかいて身体を冷やすことがあります。保温は寝具で行い、肌着に近い素材のパジャマを1枚シンプルに着てください。
──最後に、「秋冬は寒くて苦手。暖かくしてぐっすり眠りたい」という読者へ、メッセージをお願いします。
暖かくしてよりよい眠りを手に入れるには、寝具選びが大切です。売り場へ足を運んでいただければ、睡眠知識のあるスリープアドバイザーが、プロ独自の視点から寝具のアプローチできるでしょう。説明を聞き、実際に試してみることで「これが欲しかった!」という最高の寝具に出会えると思います。自分に合った寝具と睡眠環境も整えて、秋の深まった肌寒い夜の睡眠を極上のものにしてください。
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大塚家具 スリープアドバイザー
小澤聖史(おざわさとし)
大塚家具 南船橋店 プランニングチーム アシスタントマネジャー
よく眠ることは、誰にでもできる健康管理だと思います。毎日使うものだからこそ、こだわりをもって選んでいただけるよう、お客さまのお話を聞きながらしっかりとサポートできるよう努めています。
【スリープアドバイザーとは】
睡眠研究機関である「スリープ研究センター」が認定している資格。睡眠の専門知識に関する講座を受け、試験に合格した人だけが名乗ることができます。大塚家具では、各ショールームでスリープアドバイザーがお客さまのよりよい睡眠のための相談役として活躍しています。
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