憂うつな気分になりがちな梅雨の時期に睡眠の質を上げるには?
COLUMN

雨続きの梅雨の時期は、窓越しに降り注ぐ雨を見ると「今日も雨か……」と、ついため息が出てしまいそうになりますよね。一般的にこの時期は、誰でも気分が落ち込みやすく睡眠の質も下がると言われています。しかし、それはなぜなのか? また、睡眠の質を上げるにはどうすればよいのか? その疑問を解き明かします。
梅雨の時期に睡眠の質を下げる3つの要因
そもそも梅雨の時期には、この時期ならではの睡眠の質を下げる要因があるのです。
【①低気圧】
私たちの睡眠に深く関わっているのが自律神経。脳の中にある圧受容体・バロレセプターが気圧を感知して、高気圧であれば交感神経を、低気圧であれば副交感神経を活性化させると言われています。人間は通常、昼間に交感神経が優位になり身体を活発に動かし、夜は副交感神経が優位になり身体を鎮めリラックスモードへと導きます。
しかし、梅雨の時期は、とかく低気圧の日が続きがちになるため、常に身体は“お休みモード”に。天気が悪い日が1日程度であれば交感神経と副交感神経のリズムも戻りますが、低気圧の日が何日も続くことによって、正常なリズムに戻りにくくなってしまうため、その結果、睡眠の質も下がってしまうのです。
【②日照時間が少ない】
私たちの身体には、太陽の光を浴びることで生成される“セロトニン”という神経伝達物質があります。セロトニンは精神的な安らぎを与えてくれる物質なのですが、不足すると質のよい睡眠をとることが困難になると言われています。
梅雨の時期は曇りの日や雨の日が多く、必然的に日照時間が少なくなるため、セロトニンの生成量も減少してしまうのです。
【③湿度が高い】
布団の中の快適な湿度は、50%ぐらいが目安と言われていますが、人は寝ている間にコップ1杯~1杯半(200~300ml)もの汗をかきます。これがそのまま布団の中に滞ってしまうと湿気が多くなりすぎてしまうため、通常は布団の中の湿度が上昇しても、寝返りを打って身体の位置を移動させることで調節され、快適な環境に近づけることができます。しかし、梅雨の時期は、寝返りだけでは布団の中を快適な環境に整えることができないのです。
なぜなら、梅雨の時期は部屋の湿度自体も高くなってしまうからです。そのため、たとえ寝返りを打ったとしても布団の中の湿度の上昇があまり解消されず、その不快感から睡眠途中で目が覚めることが増えてしまうのです。
因みに2014年の気象データによると6月の湿度は75%で、これは、1年の中で室内の平均湿度が1番高い月であることを示しています。
睡眠の質を上げるポイントは“自律神経の働き”と“セロトニンの量”
梅雨の時期に睡眠の質を上げるには、交感神経と副交感神経の働きを正常のリズムに戻し、セロトニンの分泌量を増やすことがポイントです。
【交感神経の働きを正常リズムに戻す方法】
1 朝食をしっかり食べて内蔵を目覚めさせる
2 軽い運動をして身体を目覚めさせる
3 夜はできるだけリラックスする
【セロトニンの分泌量を増やす方法】
1 曇りや雨の日でもできるだけ外に出て、微量ながらも降り注ぐ太陽光を浴びるようにする
2 ストレスがあるとセロトニンが大量に消耗してしまうため、いつも以上にストレスの発散を心がける
3 セロトニンを増やすのに欠かすことのできない成分“トリプトファン”を多く含む食品を毎日食べるようにする
必須アミノのひとつであるトリプトファンを多く含む食品として、肉類と比べ胃腸への負担が少ない大豆製品の豆腐・納豆・豆乳などがおすすめです。ただし、同じ食品ばかりをとり続けると栄養が偏るため、これらの食品をバランスよく食生活へ取り入れましょう。
グッズを使って布団の中の湿度を下げる!
梅雨の時期に、できるだけ睡眠の質を上げて熟睡するためには、布団の湿気を取り除いて寝具を快適な状態にすることが不可欠です。
晴れ間の少ない梅雨の時期は、布団を天日干しするのは難しいですよね。そこで、
さまざまなグッズを使って布団の湿気対策を行いましょう。
・布団乾燥機を使う
・快適な湿度をキープする素材でつくられた調温マットなどを敷く
・ふとんやマットレスを直接フローリングに敷いている場合は、下にすのこを敷き、湿気が布団の中にこもらないようにする
このようにグッズを上手く活用すれば、快適な状態で眠りに就くことができるのではないでしょうか。
雨が降っているとどうしても家の中にこもりがちになりますが、できるだけ外出したり食事内容を意識するとともに、グッズを利用して睡眠の質を上げていきましょう。
【参考文献】
・病気知らずの体になる健康法40代50代のための健康法 梅雨に眠れなくなる原因と対処法!~梅雨の不眠はアレで解消!?
http://byokisirazu.info/618.html
・気象庁2014年データ
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2014
・スキンケア大学 セロトニンの合成に必要な食品とは?
http://www.skincare-univ.com/recipe/bihada/article/002274/
文/高橋晴美

高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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