寝つきや目覚めを左右する!? 眠りの質を上げる照明の使い方
COLUMN

暗いところで本を読むと目が悪くなる、といわれてきたせいで、昼夜問わず蛍光灯を点けたままで過ごす習慣をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
寝つきや目覚めが悪いとお悩みの方は、眠りの質を高めるために部屋の照明の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。照明を上手に使って寝つきや目覚めをよくするコツについてお話しします。
眠りの質を上げるため、帰宅後は必要最低限の照明に!
メラトニンは夜、体温を下げて眠気を感じやすくなるホルモン。深い睡眠を得るためにはこのホルモンの分泌を高めることが大切だと言われています。メラトニンは、朝の光と夜の暗さで分泌されます。
帰宅したら、部屋の電気をすべて点けていませんか?一般的なリビングの明るさは500ルクス以上と言われています。この明るさでは、メラトニンの分泌を妨げてしまいます。
お家に帰ったらシーリングライトのように、部屋全体の明るさを確保するための照明から部分照明のスポットライトやフロアスタンドのような、欲しい場所の部分のみ照らす照明に、切り替えましょう。間接照明の穏やかな光はリラックス効果が期待できます。
スマートフォンやパソコンのディスプレイの光にはブルーライトが含まれており、この光がメラトニンの分泌を妨げることが知られています。また、LEDライトの中には、白色LEDと呼ばれるブルーライトと黄色い光の混合で白く見せているものがあるので注意して選びましょう。ブルーライトをカットするタイプのライトなどもご活用ください。
お風呂・階段・廊下・トイレ・寝室の照明も見直しましょう。
就寝の1時間~1時間半前にお風呂に入ると、体温の上昇と下降が効率的に行われます。脳の温度がある程度下がっていくことで眠気を感じやすいと言われています。お風呂の光も大切です。暖色系の色の電球に取り換える、またはお風呂に浮かべられるようなアロマポッドなどを使うことで就寝前のリラックス効果を得られます。ほの暗い光に包まれて緊張した身体をオフモードに切り替え眠りの質を高めましょう。
また、トイレに起きた時に、電気をパチッとつけると目が覚めやすくなります。センサーで足元を自動的に照らすフットライト(0.1~0.3ルクス)を活用しましょう。トイレの電気も夜には電池式のキャンドルライトなどを活用し、強い光を避けるようにしましょう。
さらに、寝室は豆電球をつけて寝るという方も多いと思いますが、ある実験では、50ルクス(薄暗い部屋)程度でも睡眠の質が低下することが分かったそうです。そのため、ほぼ暗闇でうっすら顔が見える程度の0.3ルクスくらいの寝室が就寝時には眠りを妨げないと言われています。寝るときは寝室の豆電球(10ルクス)を消しましょう。
寝室の照明をつけたまま寝ると、レム睡眠中はまぶたの下で目玉がきょろきょろ動いて(眼球運動といいます)光を感知し眠りの質を低下させます。無意識に布団をかぶり、睡眠の質が低下していきます。暗闇が怖いという方は、カーテンやブラインドを少し開けて月明りで調節しましょう。また、ベッドに入って数10分程度で照明が消えるようにタイマーセットするのも一つの手です。
朝起きたらカーテンを開ける習慣を!
体内時計は24時間と10分程度と言われています。地球の時間の24時間に合わせるために朝、光を浴びて光を脳に届けることでこのズレを調整して体内時計を整えています。朝食は窓際の日当たりのよい場所で食べましょう。
朝、光を浴びることで、セロトニンと呼ばれる脳の神経物質が増えます。セロトニンは、スッキリとポジティブな気持ちで元気に過ごすために重要なホルモンです。光を浴びることで目覚めもよく
午後から元気に過ごせます。
曇りや雨の日は光が入りにくいため寝起きが悪くなりがちです。優しい光で目覚めをサポートしてくれる光目覚まし時計やタイマーセットのできるシーリングライトなどを活用して、太陽光の力と照明の光でしっかりと目覚めましょう。
夜の光と朝の光を上手に活用して眠りの質を上げましょう!
文/塚島早紀子
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快眠プランナー、上級睡眠健康指導士
塚島早紀子(つかしまさきこ)
約10年間の睡眠サポートサービスの運営を経て、楽しい睡眠をテーマにした「pleasantsleep.jp」を開設。
執筆、講演、メディア出演などを通じて帰宅後から寝るまでの習慣改善プログラムや寝室環境の改善などエビデンスに基づいたホームケアの方法をお伝えしています。
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