めざせ合格! 受験に勝つ快眠法
COLUMN

受験生もいよいよラストスパートの時期。これまでの努力の成果を最大限発揮するために、今からでもぜひ取り入れていただきたい快眠法をご紹介します。勉強と睡眠の両立の秘訣は? 快眠のコツとは? 受験生とそのご家族はもちろん、勉強に励む全ての方、必読です。
受験生に『最低限』必要な睡眠時間は?
受験生にとって、毎日の勉強時間と睡眠時間の確保はとても重要な問題ですね。寝る間を惜しんで勉強したい気持ちもわかりますが、やみくもに睡眠時間を削ったからといって、日中に眠たくなってしまっては勉強の効率も上がりません。そして、受験生は得てして成長期で身体づくりに大切な時期でもあるため、健康を損なうほどの無理は禁物です。
では、受験生は何時間眠ればいいのでしょうか? 睡眠医療の専門医である遠藤拓郎氏は、著書『合格を勝ち取る睡眠法』(PHP研究所)の中で、健康を保ちながら合格をめざすための睡眠時間を、次のように提案しています。
・中学受験(小学6年生) → 平日6時間 + 土日7.5〜9時間
・高校受験(中学3年生) → 平日6時間 + 土日7.5時間
・大学受験(高校3年生・予備校生) → 平日4.5時間 + 土日6〜7.5時間
これはあくまで、塾や家庭学習に追われる生活の中でも、最低限確保してほしい睡眠時間の目安です。これより削ってはいけないという最低ラインです。これ以上寝られるのであれば、それに越したことはありません。平日は少しキツくても土日にカバーしたり、日中に眠くなった時には、5〜15分の仮眠をとることもおすすめしています。
快眠がカギ! 勉強の効率を上げる裏技。
脳はレム睡眠中に情報の整理をしていると言われています。記憶力を高めるためにも、受験生には快眠がとても大切。限られた時間の中で、すっと寝入って、ぐっすり眠り、すっきり目覚めるためには? 睡眠のメカニズムを上手に活用して、効率よく勉強しましょう。
・夕飯は温かいものを
私たちは体温が一気に下がると眠くなるそうです。寝入りをよくするためには、夕方から寝る1時間前までは体温を上げるようにし、寝る1時間前になったら一気に下げることが理想的。夕飯はできるだけ温かいものをいただきましょう。
・お風呂は勉強の後に
お風呂で身体の芯まで温め、お風呂から出て体温が下がって来た頃にちょうど眠れるのがベストです。逆に言うと、お風呂の後は勉強の効率が上がりません。お風呂に入るのは、勉強が終わって寝る前にしましょう。
・勉強中に眠くなったら、冷たいものを
夜の勉強中に眠気が襲って来たら、顔を水で洗ったり、冷たいものを飲んで体温を下げましょう。それでも眠い時はリズムに逆らわずにその日は寝てしまい、翌朝早起きして勉強するのが効率的です。
・休日も8時半までには起きる
明け方になると、コルチゾールというホルモンの働きによりブドウ糖が作られ、それがエネルギー源となって朝起きて活動することができます。ブドウ糖がたくさん作られる5時半から8時半の間に起きることが、目覚めをよくするコツです。
・勉強は夜遅くまでより、朝に
私たちの頭が一番よく働くのは、しっかり眠って気持ちよく目覚めた朝だと言います。コルチゾールの働きで血中のブドウ糖の濃度が高まっているうちに、1時間ほど勉強するのがおすすめだそう。前夜には解けなかった問題も解けるかも。
・朝はたっぷり光を浴びる
子どもは眠る力が強いのですが、起きることは苦手だそう。朝はカーテンを全開にして太陽の光をたくさん浴びてください。光の量が足りない時には、部屋の照明をつけるのも効果的です。朝が苦手な大人の方もぜひお試しを。
試験前日も、いつも通りに眠ること。
試験まで一ヶ月を切ったら、寝る時間を固定して一定のリズムを保つことが、パフォーマンスを低下させないコツだそうです。そして試験前日も、やはりいつもと同じ時間に寝ることがポイント。よく眠れても眠れなくても、あまり気にしないでよいとのこと。当日はリラックスして、心身ともに健やかでベストな状態で試験に挑めるはずです。
昔の受験生といえば、深夜に睡魔と闘いながら勉強し、最後は机に突っ伏して朝まで眠る、といったイメージでしたね。ですが、実際にそんなことをしていては、質のよい睡眠も効率のよい勉強も叶わないということが、おわかりいただけたかと思います。睡眠時間をしっかり確保して、勉強時間に限りがあると認識した方が、集中力もアップするそう。まさに、睡眠を制するものは受験を制す!ですね。
ご家族が受験生のためにしてあげるべきことは、夜食作りではなく、快眠のためのサポートです。ご紹介した裏技の中にも、協力できそうなことがいくつかあるので、ぜひ取り組んでみてください。もちろん、ご家族のみなさんも、毎日ぐっすり眠ることが大切ですよ。
春は必ず来ます。これまでの努力の成果が実って、吉報が舞い込んできますように。がんばれ受験生!
【参考文献】
『合格を勝ち取る睡眠法』(PHP研究所)
文/井田京子
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井田 京子(いだ きょうこ)
コピーライターとして、主に化粧品をはじめとした美容関係の広告制作を経験。過去には、多忙による自律神経の乱れから、過眠症になって睡眠外来に通ったことも。なんとなく治癒しましたが、睡眠について考えていると、ついウトウトしてしまう毎日です。朝が苦手で、子どもに起こされることもしばしば……。『快眠は人生を潤す』と信じています。
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