眠りが浅い? いつも眠い? 眠りの質は朝の”光”で解決!
COLUMN

「いつも眠りが浅い気がする」、「昼間も夜も眠い」。そんな睡眠の悩みを解決する糸口は、“光”にあるかもしれません。朝の光の浴び方や一緒に暮らす家族の起こし方などもご紹介します。
“眠りが浅い”を改善するカギとなるのは“メラトニン”。
人間の脳には睡眠を左右する“メラトニン”という物質があります。メラトニンが脳内で増えると眠くなり、減少すると目覚める仕組みになっています。このメラトニンは光によって分泌量が異なるという特徴があります。
そして、メラトニンの分泌にはリズムがあり、起床後4時間以内に脳が光を感知すると量は減り、やがて夜になって暗くなると徐々に増加します。入眠後3時間後に最も量が多くなり、その後、朝に向かって再び減少していきます。
脳が朝であることを感知するには1000~2000ルクスの強さの光が必要です。一般家庭の場合、照明の明るさは500ルクス程度なので、室内の照明だけでは、脳は朝を感知することができません。朝、目覚めたらまず、カーテンを開けて窓から外を見れば、それだけで約3000ルクスの光を浴びることができます。更に屋外に出ればそれだけで、約1万ルクス以上の光を網膜に届けることができると言われています。
このとき、窓の側までわざわざ行くというような意識的な行動をしなくても、脳が光を感じられるように、窓の側にテーブルを移動させてテレビを見たり、朝食をとるというように自然な流れができる環境を整えることをおすすめします。
天気のよくない日や冬の早朝に起床する場合の対処法。
では、曇りや雨で天気が悪い、冬の早朝に起きなければならない場合は、一体どのようにして脳を目覚めさせればよいのでしょう。それには、デスクライトなどの人工的な照明の力を借りましょう。デスクライトに顔を近づけることで約1000ルクスの光を脳に届けることができると言われています。但し、顔は近づけても光源は直接、見ないように注意しましょう。1分ほど光を浴びることで頭がスッキリとするそうです。
いつも同じ時間に起きるのがベストですが、前日、深夜まで残業をして寝坊してしまった場合などでも、必ず窓の近くに行き、脳に午前の光を届けることは大切です。また、防犯上の問題がなければ、寝る前にカーテンを少しだけ開けておき、夜明けとともに光が差し込むようにすると、目を閉じていても脳に光を届けることができると考えられています。光を見ている状態と比較すると効果は低いかもしれませんが、習慣化することでリズムが回復しやすくなります。
一緒に暮らす家族を優しく&パッチリ目覚めさせるコツ。
一緒に暮らすパートナーや子どもを起こすとき、いつもどのようにしていますか? 何度声をかけても目覚めない相手に、つい大声で「起きなさい!」と言いながらカーテンをいっきに開ける……ということはありませんか!? 実はこの“不意打ち起こし”は、NGな起こし方なのです。先に起きた人は既にメラトニンの量は減少して体温も上がっていますが、まだ、寝ている人はメラトニンが多く、体温も低い状態です。そこに、いきなりカーテンを開けて大声で起こすと、相手の脳に大きな負担をかけてしまうことになると言われています。
まず、寝ている人を起こすときには、カーテンを開ける前に「カーテンを開けるよ」と、優しく一声かけてあげましょう。人の睡眠リズムを変えるには1カ月ほど時間がかかることもあります。大らかな気持ちで、相手の睡眠リズムが整うように、ゆっくりと見守りながら根気よく続けてあげましょう。
【参考文献】
メディアファクトリー刊「快眠の3法則」著者・菅原洋平氏(作業療法士)
文/高橋晴美
関連するキーワード

高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
大塚家具のLINE公式アカウント!
続けて読みたい!あなたにオススメの記事