「高齢になるほどよく眠れない」の悩みを解決
COLUMN

「若いころはあんなに眠れたのに、年齢を重ねるごとに眠りの充足感がなくなっていく……」。そう感じている高齢者は少なくありません。睡眠の質を改善するために、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
よく眠れない。睡眠の質が悪いのは、誰にでも起こる加齢現象
「夜中によく目が覚める」「トイレの回数が増える」「トイレに起きたあと眠れない」「朝起きたときすっきりしない」といったことは、高齢者がよく訴える睡眠の悩みです。夜の睡眠の質がよくないので、昼寝や居眠りも増える傾向にあります。
なぜ、高齢になるほど満足に眠れなくなるのでしょう。
その理由のひとつに、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が減るなどの生理的機能の低下があります。また、トイレが近くなるため夜中に目を覚ますことが多くなる、足腰が弱って外出が減るためエネルギー消費が減るといったことも挙げられます。
これらは加齢に伴う現象なので、「若いときのようによく眠れない」と感じることは誰にでも起こる普通のこと。日常生活において支障がない場合は、とくに心配する必要はありません。
とはいえ、日常生活を少し工夫することで睡眠の質を改善することはできます。次のポイントを参考にしてみましょう。
適度に身体を動かしてよい眠りを誘う
なるべく身体を動かす
日中はなるべく外出して、活動量を増やしましょう。近所を散歩したり、人と会って話をしたりするだけでも快適な疲れを感じることができ、安眠への手立てとなります。
昼寝は30分程度に
なるべく昼寝やうたた寝をしないように心がけます。どうしても眠くなったら、午後3時までに20~30分を目安に昼寝をするとよいでしょう。それ以上眠ったり、時間が遅かったりすると、夜の睡眠に影響が出ることがあります。
寝る前のカフェイン飲料は控える
寝る前にホッとする1杯を飲む習慣がある場合、緑茶やコーヒー、紅茶、ココアなどのカフェイン飲料やアルコールは、覚醒作用が働いてしまうので控えます。カフェインやアルコールには利尿作用があるので、夜中にトイレに行きたくなり、目を覚ます原因にもなります。心をリラックスさせるハーブティー、ホットミルク、カフェインの入っていない麦茶などがおすすめです。
快眠するには寝具の見直しも効果的
あまり早く布団に入らない
夕食を終えて、早々に布団に入る高齢者は少なくありません。夕食後は、家族との団らんや趣味の時間にあてるなどして、いつもより1時間~1時間30分ほど遅めに就寝しましょう。早く寝るとそれだけ早く目が覚めてしまい、午前2~3時ごろに起きてしまう場合もあります。
身体に合った寝具にこだわる
身体は、年齢を重ねることで変化して衰えていくものです。長年同じ寝具を使っていると、身体に合わなくなって、知らないうちに睡眠の質が低下していることも。枕、マットレス、リネンなど、より身体にフィットする寝具を探してみませんか。寝心地がよくなり、快適な睡眠と目覚めにつながります。
よりよい睡眠を目指す工夫はいろいろあるので、自分に合った方法を見つけてください。試したうえで、「睡眠の質が上がらなくて、日常生活がつらい」などと思い悩む日が続くようなら、専門の医師に相談することをおすすめします。
【参考文献】
スイミンネット「質の高い睡眠のために」
http://www.suimin.net/step3/age/
体内時計.jp「眠れないのは年のせい?高齢者にありがちな生活習慣からくる不眠の話」
http://www.tainaidokei.jp/seniorcitizens/lifestyle_1.html
文/内藤綾子
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内藤綾子(ないとうあやこ)
東京出身。保険会社でOLを経験したのち、編集プロダクションに転職してライター業をスタートさせる。
出産を機にフリーとなる。ビジネス、家庭、健康、育児、教育に関連する記事を雑誌やWebで執筆するほか、書籍の企画・構成なども行う。
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