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睡眠の質を上げて、熟睡を手に入れるために必要な習慣とは?

みなさん、質のよい睡眠はとれていますか? 睡眠の質を上げることは、日中のパフォーマンスが向上するだけでなく、美容にも効果絶大と言います。でも、そもそも睡眠の質がよいってどういうこと? そんな方のために、今回は、銀座内科・神経内科クリニック院長の霜田里絵先生に、睡眠の質がよいとはどういう状態か、睡眠の質を上げるために日々できる生活習慣などについてお伺いしました。

睡眠の質がよいかどうか、自覚できますか?

霜田さん:当クリニックは東京・銀座にあるのですが、場所がらか患者さまは海外を飛び回るお仕事の方、お休みがなかなかとれない経営者の方、深夜の飲食店で働く方などが多くいらっしゃいます。全国的にみれば睡眠時間が短い方が多いかもしれません。そして、みなさんに共通していることは「眠りの質」はよいですか?と聞いても分からないとおっしゃること。

「なんとなく疲れが取れない」「ちゃんと寝た気がしない」という感覚は持っているのですが、ご自身の睡眠の質がよいか悪いかということはあまり分からないんです。睡眠の質は、日中のパフォーマンスに影響しますから、パフォーマンスが下がったと感じているならば、睡眠の質が下がっている可能性がありえます。

睡眠の質は、量よりも大切?

霜田さん:ときどき「自分はある程度まとまった時間睡眠をとっているはずなのに、なぜか翌日も疲れが取れない、昼間にぼーっとしてしまう」という方がいますが、睡眠は長時間寝たからといって質がよいとは限りません。普段、仕事などできちんと眠れていないと、休みの日だけ何時間も寝てしまう人がいると思いますが、余計にバランスが乱れてしまいます。大切なのは毎日決まった時間に寝て起きること。できれば0時までには寝てほしいですね。

睡眠は心身を休めると同時に、脳の休養の役割もあります。昼間インプットされたさまざまな情報を整理整頓し、記憶として定着させるというアクティブな仕事も行なっています。眠りはレム睡眠とノンレム睡眠に分けられるのですが、夢を見ながら脳の点検をするのがレム睡眠、ぐっすり眠って頭を休ませるのがノンレム睡眠です。この二つがセットになって一定のサイクルで繰り返されていて、個人差はありますが、1サイクルはおおよそ90分と言われています。

質のよい睡眠を手に入れるにはこのリズムを守ることが大切なのです。ですから、最低6時間、あるいは7時間半ぐらいが理想的な睡眠時間と言えます。

寝はじめの2〜3時間、深い睡眠時には、私たちにとって欠かせない成長ホルモンの分泌がピークになります。この2〜3時間を一番大切に、より質のよい深い睡眠ができるように生活習慣を整えていく必要があります。成長ホルモンは、ホルモンの王様です。脳下垂体から分泌され、成長期の子どもだけでなく、大人の身体でも脳の活性化からみずみずしい素肌のキープまで大活躍してくれます。これは活用しないわけにはいきませんよね。

女性には「睡眠の質を上げると仕事のパフォーマンスが上がりますよ」というよりも、「美しくなるためには睡眠が大事ですよ!」と言った方が俄然やる気になるから面白いです(笑)。高価な美容クリームよりも、成長ホルモンがお肌のメンテナンスに効果を発揮してくれるのです。

成長ホルモンの各器官への作用とは?

・脳
記憶力を高める
意欲を高める

・肌
ハリや弾力の回復
新陳代謝の促進

・骨
骨の成長、発達を促す
骨の量を保つ

・生殖器
生殖機能を正常に保つ

・免疫系
免疫機能を保つ

・脂肪組織
脂肪の代謝を促す

・糖代謝
糖代謝を正常に保つ

・筋肉
筋肉の量を保つ

睡眠の質が悪いと、日々の生活にもデメリットが

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霜田さん:睡眠の質が下がると、日中のパフォーマンスが下がるだけでなく、物忘れなども増えてしまいます。当院には「物忘れ外来」があるのですが、患者さんの中には眠れていない方が結構多いんです。睡眠の質が悪いと記憶力や集中力が低下します。昨日何をしたかがパッと思い出せなかったり、会話の内容が思い出せなかったりと、些細なことを忘れやすくなってしまうと日常に支障をきたしますよね。

睡眠は時間より質とはいえ、やはりある程度まとまった睡眠時間は必要です。記憶が定着するには最低6時間以上の眠りが必要なので、「物忘れ外来」では改善策として6時間以上の睡眠をおすすめしています。そうするとだいたいは症状が改善していきます。また、ほかにも睡眠の質が悪くなると、免疫力が低下するために風邪をひきやすくなるなど、病気のリスクも高まります。

睡眠の質が悪くなるとこんなデメリットが!

・仕事のパフォーマンスが低下する
・記憶力が低下する
・集中力が低下する
・病気のリスクが高くなる

睡眠の質をあげるために必要な習慣とは?

霜田さん:冒頭でも触れましたが、睡眠の質をあげるためには、毎日の就寝・目覚めの時間を同じにすることです。休日の寝溜めはできるだけ避けましょう。朝は太陽の光を浴び、夕方以降は部屋の明かりを少し暗くするなど、光をうまく調節することで眠りに入りやすくなります。日中はできるだけ活動的に身体を動かしてエネルギーを使うことが大切ですね。そして、寝る2〜3時間前に入浴をしてください。

お風呂で身体を温めて、体温が下がってくるタイミングを入眠時間に合わせれば、深い眠りにつきやすくなります。睡眠の質を上げる食事というのは特にありませんが、バランスのよい食事を意識して、寝る直前に消化の悪いものを食べないなどは意識して心がけてください。

よい睡眠のために毎日気をつけたいこと

・毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるよう心がける
・休日などに寝溜めをしない
・朝に太陽の光を浴びる
・日中は活動的に身体を動かす
・夕方以降は部屋の明かりを暗くする
・お風呂で湯船に浸かり、体温を上げる
・寝る直前に消化の悪いものは食べない

睡眠の質をあげるためのアイテム

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霜田さん:睡眠の質を高めるためのアイテムはいろいろありますよ。実は私も睡眠が得意ではないので、快眠を期待してさまざまなアイテムを試してきました。なかでも一番おすすめしたいのがネックウォーマーです。首を温めることで緊張がとれて寝つきがよくなるんです。冷えや肩こりの改善にもなります。首元があいたカットソーなどを着て寝ている方が多いですが、頭痛持ちの方は特に、首を温めることを心がけてください。

あとはアイマスクも大活躍中です。明け方の光で起きてしまうので、アイマスクのおかげで途中覚醒することがなくなりました。最近は薄いものではなくて、ふんわりとした素材で目元を覆ってくれるつけ心地のよいアイマスクが開発されています。私は大きくて厚みのあるタイプがお気に入りです。ちょっとした光で起きてしまう方はぜひ取り入れてみてください。

あと、着心地のよいお気に入りのパジャマを着るだけでも気分が違いますよ。きちんとパジャマを着て寝るのと、フード付のスウェットなどを着て寝るのとでは寝心地が格段に違います。寝返りがしやすいこともあり、寝ている間のストレスが軽減されます。

枕やマットレスも大切です。クリニックにいらっしゃる患者さまは、バスタオルを使って自分に最適な高さを見つけてから枕を購入するようにおすすめしています。バスタオルを二つ折り、三つ折りにしてみると自分の首がフィットする高さがわかるんです。

香りも大事ですね。心地よい香りは、睡眠の質をあげる脳内物質セロトニンに作用します。リラックスできて眠りを誘うラベンダーの香り、自分の好きな香りや心地よいと感じる香りを選ぶことが大切です。香りを活用するというと、アロマポットなどを買わなくてはと思われるかもしれませんが、そういったアイテムがなくても好きな香水をティッシュにひと吹きして枕元に置いておくだけでよいのです。男性にもぜひおすすめしたいですね。

睡眠の質を高めるためのアイテム

・自分に合った高さの枕
・ネックウォーマー
・アイマスク
・耳栓

睡眠の質をさげる、就寝前に避けた方がよい行動

人間は、目が覚めると交感神経が優位になり、身体がシャキッとして活発になります。日中は心身が興奮状態にあるのですが、反対に、寝ているときは副交感神経が優位になり、心身がリラックスします。このように、起きているときと寝ているときとで、自律神経がきちんとバランスを取れている状態が健康でいるために大切なことなのです。よって、就寝前に興奮するような行動は控えましょう。

アルコールやカフェインを摂取しない

まず、睡眠直前のアルコールやカフェインの摂取は避けるようにしましょう。アルコールは寝つきがよくなるからといって飲む方が多いのですが、逆に眠りの質を下げてしまいます。夕方以降に飲むのはノンカフェインの飲み物にしてください。

パソコンや携帯などをいじらない

スマホなどの電子機器の閲覧は睡眠の質をさげる大きな原因です。デジタル機器は活動系の神経伝達物質であるドーパミンの分泌を促すので、脳が活動的になってしまうのです。特にSNSはずっと会話をしているようなものなので覚醒してしまいますし、ストレスにもなります。睡眠が得意な人はよいけれど、苦手なら思い切ることも大切です。

とはいえ、小さいお子さんがいらっしゃる方は、寝かしつけの後はやっと自分の時間。スマホを使用することがリラックスタイムになっている方もいらっしゃるかもしれません。時間を決めて就寝直前は見ないようにするなど、意識的に遠ざけてみてください。

寝室に仕事を持ち込まない

寝る直前まで仕事をするのも脳を刺激するので同じですね。脳がリラックスすることで睡眠の質が上がるので、就寝前は仕事のことは忘れて心が穏やかになるような本を読むなど、スイッチの切り替えを心がけてください。

眠れないときに、有効な睡眠の質をあげる運動

霜田さん:眠れないときには、全身の血行をよくするストレッチがおすすめです。凝り固まった身体の筋肉をほぐすことでリラックス効果も期待できます。夜の運動で特におすすめなのがスクワット。スクワットなど負担のかかる運動をすると、筋肉の繊維が破壊されます。そうすると成長ホルモンがその修復に働き、細胞の新陳代謝を高めたり、脂肪を燃焼したり、疲労を回復してくれるのです。

眠りについてからすぐに分泌される成長ホルモンが、筋トレによってさらに増えるということがわかっていますので、ぜひ夜には大腿筋を意識しながらのスクワットを20回以上続けてみてください。

寝る前の5分間!睡眠の質をあげる瞑想

運動とは真逆ですが、私はプチ瞑想もおすすめしています。脳と心のための時間です。これは仕事に向かう前に行うと意欲や集中力が高まるというメリットもあるのですが、寝る前に行うことでもリラクセーション効果があり、睡眠の質を高めてくれます。

ベッドの上で目を閉じて、自分の呼吸を感じながら行います。ゆっくり鼻から息を吸って8秒、そして口から8秒かけて息を吐き出します。これを5分以上続けてください。頭の中を空っぽにするイメージですが、何か思い浮かんできてもよいです。浮かんできたらポイっといい加減に投げ出す感覚です。

最初は5分でも長く感じるかもしれませんが、慣れてくると30分くらいできるようになります。プチ瞑想は、日常の不安感や恐れ、苦手意識などを必要以上にふくらませることがなくなり、落ち着いた心を保てるようになります。

悩みやストレスで寝つけない人は「3ミニッツ・ハッピネス」を!

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もう一つ、“脳へのギフト”としておすすめしたいのが「3ミニッツ・ハッピネス」です。眠れない原因には人間関係の悩みや仕事で気になっていること、必ず解決しなければいけない案件、家庭の問題、将来の不安、いろいろありますよね。どんなにハードな日々でも、寝る前の3分間だけ、脳に“幸福感”を与えてほしいのです。

具体的には自分に「ない」ことではなく、「ある」ことを考えてください。自分には親がいる、パートナーがいる、子どもがいる、友達がいる、かわいいペットがいる、健康である、趣味がある、旅行の予定がある、素晴らしい思い出がある……なんでもよいです。

自分が持っていないものについて不幸な気持ちになるのではなく、自分が持っているもののことを考えて、幸福な気分を味わってください。これを続けることで、脳に幸福感やポジティブな気持ちを運んでくる神経伝達物質のセロトニンが分泌されて、心身ともにリラックスします。

3ミニッツ・ハッピネスとは
自分に「ない」ことではなく、「ある」ことを考えることで、ネガティブ思考を軽減し、寝る前の2〜3分間、脳を感謝と幸福感で満たすもの。これにより、寝入りをスムーズに促し、睡眠の質を高めるというもの。

中高年の睡眠の質に関する悩み

中高年になってくると早期覚醒や中途覚醒などの睡眠維持ができないことが増えてきます。原因はさまざまですが、メラトニンの分泌量が減ってくることがひとつの原因だと思います。加齢により、メラトニンが減少するため、長時間眠ることが困難になり、早期覚醒や中途覚醒の症状が現れます。

また、男女問わず高齢になると多いのが過活動膀胱です。夜間にトイレに何度も起きてしまうため、眠りが分断されてしまうので睡眠の質がよいとは言えませんね。夜間頻尿の場合は薬がありますので医師に相談してください。

ほかにも、頭痛やむずむず脚症候群、睡眠時無呼吸症候群など、眠りを阻害する病気はいろいろ考えられますので、具体的に眠れない原因がある方は病気を疑い、早めに専門の医師に診てもらいましょう。

いかがでしたか? 睡眠の質を上げるために今すぐできる習慣やアイテムをたくさん教えてくださいました。寝る前の「プチ瞑想」や「3ミニッツ・ハッピネス」もぜひ取り入れたいですね!睡眠は空いた時間にするものではなく、積極的にするもの。どんなに忙しくても、悩みがあっても、睡眠時間だけはしっかりとる!という意識で過ごしていればおのずと睡眠の質は上がります。睡眠を自分へのギフトととらえて、リラックスして心地よい睡眠時間を楽しんでくださいね。

取材・文/横田可奈

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