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【大塚家具のSAが解説】 後悔しない羽毛布団の選び方

そろそろ、羽毛布団の暖かさが身に染みる季節がやって来ます。しかし、いざ羽毛布団を購入しようと思っても、種類がさまざまで価格も幅があるため、「どう選んでよいかわからない」となってしまいそう。そこで、「絶対に後悔したくない!」という方のために、羽毛布団の重要性や選び方のポイントなどを、大塚家具のスリープアドバイザー今井敬紘がご紹介します。今季、見逃したくないおすすめ商品も要チェック!

いまや、一般家庭にすっかり定着

──秋が深まると、羽毛布団の注目度が高くなりますね。

「羽毛布団を探している」というお客さまは、この時期に多くなります。昔は、羽毛布団は「高級品」というイメージが強く、普及したのは富裕層が中心でした。しかし現在では一般家庭にすっかり定着し、綿などの重いかけ布団を使用しているご家庭は、少なくなりつつあります。

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羽毛布団に際立つ保温性と通気性

──なぜそこまで人気なのでしょう。代表的な特徴を教えてください。

ぐっすりできて満足感のある睡眠を得るには、寝床内環境の温度を33度に、湿度は50%をキープできるのが理想です。人は、寝ている間にコップ約1杯分の汗をかくと言われています。理想の寝床内環境を保つには、温度と湿度を自然に調整して、“天然のエアコン”とまで言われている羽毛布団がピッタリなのです。

──特に、羽毛のあったかパワーは無敵ですね。

羽毛は寒いと膨らんで開き、たくさんの空気を含む性質があります。羽毛布団は、体温から伝わった熱を空気層に貯めて逃がさず保温性を維持。密着性にも富んでいるので、身体を包み込んだ瞬間に密着して、肩から冷たい風が入りにくく、暖かい空気が逃げ出すのを防ぎます。そのうえ湿度の調整も得意なので、布団の中は常に快適というわけです。暑すぎて布団をはいだり、ジメジメして不快だったりということがありません。

また、ふわっと空気のように軽くて身体へ負荷がかからないのが、他のかけ布団にはない最大の特徴です。かけ布団が軽いと寝返りが楽なうえ、毛細血管の圧迫を防いで血流を促し、肩こりなどの軽減にもつながります。

羽毛布団を選ぶときはダウンの量にも注目

──保温性、通気性、軽さ、密着性、たくさんの特徴があるのですね。さっそく羽毛布団が欲しくなるところですが、選び方がむずかしくて……。羽毛布団には、「ダウン90%、スモールフェザー10%」といった表示がありますが、ダウンとフェザーの違いすらわかりません。

羽毛布団は、ダウンとフェザーの質と量が重要です。

ダウン……水鳥の胸に生えている毛のこと。見た目は芯がなく、タンポポの綿毛のようにフワフワとしています。空気をたっぷりと含むので暖かいうえ、吸湿・放湿性も優秀です。ダウンが多いほど上質とされ、価格は高くなります。

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フェザー……芯のある羽根(募金をしたときにもらうような、典型的な羽根の形状)のことを指します。ダウンほど保温力は高くありませんが、弾力性や復元力に優れ、通気性も申し分ありません。フェザーには、6.5cm以上の「フェザー」と、6.5cm未満の「スモールフェザー」の2種類があります。

羽毛布団の種類や産地いろいろ

──羽毛には、種類もありますね。

一般的に、詰め物として採用される羽毛の種類はダックとグースの2種類です。

ダック(あひる)……ダウンボールが小さく、充填量が多いと少し重く感じるかもしれません。グースに比べて価格が手ごろです。

グース(がちょう)……ダックに比べて体長が大きいため、ダウンボールも大きく、軽くてもフワフワのボリューム感があります。

マザーグース(繁殖用の親鳥)……食肉用に育てられたグースと違い、繁殖用に飼育されています。寒い冬を越えた親鳥の羽毛なのでしっかりと成熟し、グースよりもダウンボールが大きくて上質。ダウンひとつひとつが空気をたっぷりと含んで暖かく、軽くてもボリューム感は最高で、グースよりも高価です。

──ダックやグースの産地も気になります。

3大産地は、ポーランド、ハンガリー、カナダといった極寒の国です。寒暖の差が激しい地域ほど、原毛が上質とされています。中でも「ポーランド産」といえば、羽毛布団のブランドとなっているくらい人気が定着しています。ポメラニアン地方は、冬は雪が降りしきる極寒で、夏はかなり暑いため、羽毛に使われる水鳥の育成にぴったりな環境。上質なダウンがたくさん獲れるんです。

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ご存じですか? ダウンパワーとダウン率 どれくらいの比率が理想?

──品質表示で、「ダウンパワー」という言葉をよく目にするのですが。

羽毛の1gあたりのふくらみ具合を数値化したものです。わかりやすく表現すると、「どれだけフワフワしているか、どれほどの弾力性があるか」という意味で、羽毛のボリューム感がイメージしやすくなります。ダウンパワーの数値が高いほど、保温性が高いとされています。購入するときは、「400cm3/g」前後を目安にするとよいでしょう。

──ダウンパワーと同様に、「ダウン率」とは?

羽毛布団の詰め物のうち、ダウンがどのくらい入っているかを「%」で示したものです。この割合が多いほど、羽毛が多く入って暖かいと言えます。

「羽毛布団」と呼ばれる寝具は、ダウンを50%以上使用していなくてはいけません。「ダウン率95%の羽毛布団」と表示されていれば、95%のダウンと、5%のフェザーが詰められていることになります。ダウン率90%以上を目安に、できれば95%を選べば間違いありません。

羽毛布団の側生地にふさわしい素材は?

──羽毛布団の中身はよくわかりました。中身を包む側生地の素材について、どのような生地がよく使われますか?

軽くて柔らかく、通気性があることが重要です。シルクやポリエステルもありますが、綿が通気性に優れ、羽毛による温度や湿度の調整機能を最大限に活かすことができます。

中でもエジプト超長綿は、光沢があって手触りがしなやか。身体をふんわりと優しく包み込んでくれて、通気性も抜群です。細くて長い糸で緻密に織られているので、目が詰まっていて、羽毛の吹き出しも防いでくれます。まさに、羽毛布団にふさわしい素材といえます。

羽毛布団の中には、羽毛の吹き出しを防ぐほか、プリントで華やかな見た目にするために、樹脂でコーティング加工してあるものも目立ちます。側生地が密閉状態になり通気性は落ちるので、そのような特殊加工がされていないものがおすすめです。

生地の仕立ては立体キルト加工

──羽毛布団は、仕立てにも特徴がありますね。

一般的な羽毛布団はキルティングに仕立ててあり、多いのは立体キルト加工です。表と裏の側生地の間にマチが入って、ひとつのマス目を箱状にした立体的に区切る構造です。ダウンのふくらみを妨げず、暖かい空気をたっぷりと含むことができます。内部で羽毛が一部に偏るのを防ぎ、全体的な暖かさを保ってくれる役割もあります。

その他、表と裏の側生地を直接縫い合わせる、平面キルト加工も多く見かけます。谷の部分はダウンがつぶれた状態になり、保温力が低下するのでよく見極めてください。

羽毛布団の選び方3つのポイント

──羽毛布団の選び方について、ポイントをいくつか教えてください。

ポイント1 ダウン率
「ダウン95%、スモールフェザー5%」を目安にするとよいでしょう。95%が、ダウンの混合率では最大の状態。ダウンはもともと鳥の毛を手で選別するため、どうしてもわけきれないスモールフェザーが紛れ込むからです。

ポイント2 側生地
羽毛布団を1枚かければ、毛布などを重ねてかけなくても暖かく眠れます。したがって肌に直接触れるので、肌触りが心地よい綿がおすすめです。

ポイント3 充填量
羽毛布団の中に入っている羽毛の量の目安は、住宅環境によって違います。機密性のある集合住宅なら600g、一戸建てなら800gがちょうどよい充填量。それを基本として、マンションに住む暑がりの男性なら400g、一戸建てに住む寒がりの女性なら1000gなどと調整してもよいですね。

──羽毛布団は、インターネットやテレビ通販などでもたくさん販売されています。種類、ダウン率、充填量などを確認できるので、通販で購入してもよいのでは?

通販では、いろいろな数値は確認できますが、触ることはできません。羽毛布団の選び方として、側生地をチェックして肌触りを確認することはとても重要です。毎日身体全体を包み込む生地なので、「心地よいかどうか」は、そのまま「快眠できるかどうか」に直結します。できればショールームへ足を運んでください。

ショールームでは「持つ・押す・かける」で試して

──ショールームでは、どのように選ぶとよいでしょうか?

手に持ってみる
ぜひ軽さを体験して、驚いてください! 空気を持っているような感覚かもしれません。

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上から押してみる
折り畳んで、上から手で押してみましょう。それほど力を入れなくても、空気がスーッと抜けていくなら側生地の通気性がよい証拠。ムレる心配がなく、品質のよい羽毛布団です。

身体にかけて寝てみる
羽毛布団を探している方には、実際に身体にかけて試していただくようにしています。ほとんどの方から、「うわっ! 何もかかってないみたい。軽い!」と声が出ます。その瞬間、羽毛布団に魅了されるようです。

──羽毛布団と一緒に、そろえておきたい寝装品はありますか?

羽毛布団カバーがあると、側生地の傷みを防ぐことができます。羽毛布団の保温性や通気性を損なわない綿がおすすめ。中でもエジプト超長綿なら完璧です。

価格は品質に比例する!

──お客さまから、よく聞かれる質問は?

「冬でも羽毛布団1枚で大丈夫です」とお伝えすると、「これだけで、本当に寒くない?」という声があります。タオルケット、毛布、綿布団など何枚もかけている方にとって、当然の疑問かも知れません。羽毛布団の特徴をよく説明すると、安心されます。

また、長年の習慣で、「少し重量があった方が暖かく感じる」という方もいらっしゃいます。その場合、「タオルケットや毛布などを羽毛布団の上にかけてください」とお答えしています。ときどき、タオルケットの上に羽毛布団をかけてしまう方がいますが、せっかくの羽毛布団の保温性が発揮できないので注意してください。

── 一番気になるのが価格です。どのくらいの予算を考えておくとよいですか?

羽毛布団は品質に比例するので、あまり安価なのはおすすめできません。一般的には10万円以上を目安にするとよいでしょう。「購入したときは高いと感じたけれど、長く使っていくうちに性能がそれほど低下しないことを実感して、逆にお得だと感じた」とおっしゃる方がとても多いです。

大塚家具のおすすめ羽毛布団コレクション

──大塚家具で羽毛布団のおすすめを教えてください。

大塚家具の有明のショールームでは、展示しているだけでも20種類程度あります。1つのシリーズでも、冬がけと呼ばれるレギュラー、夏向きの肌がけ、中間のミディアムと、羽毛の充填量によってバリエーションが豊富です。

そんな中、ダントツに人気が高いのが「ダウナ」です。希少性の高いポーランド北部産のホワイトポメラニアンマザーグースより摘み取った羽毛は、ダウンボールが互いにからみあい、小さな空気の層をたくさん作るため、きわめて高い保温力を発揮します。高品質のエジプト超長綿を用いた緻密な平織りの側生地を使用し、抜群の手触りで極上の寝心地に。ダニアレルギーにも対応し、赤ちゃんにも安心してお使いいただけます。

大塚家具ベストセレクション1 「ダウナ レギュラー800g」

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800gは、年齢や男女問わず満足できる基本的な充填量で、定番の人気があります。特に一戸建てのご家族におすすめです。〈シングル189,000円(税込)〉

大塚家具ベストセレクション2 「ダウナ ミディアム600g
機密性の高い集合住宅にお住まいの方には600gがちょうどよいです。また、暑がりの方にも適しています。〈シングル163,000円(税込)〉

大塚家具ベストセレクション3 「ローナ 1200g
ポーランド産ホワイトマザーグースのダウンが原毛。ポーランドの厳冬を越すため、ダウンボールが大きく高品質で、保温性と調湿性に定評があります。側生地は、エジプト超長綿100%で通気性も十分。ダウナに比べてお手ごろ価格です。〈シングル108,000円(税込)〉

──ちなみに、今井さんはどのような寝具を使っていますか?

大塚家具の社員の多くはダウナを愛用していて、私もダウナ歴18年ほどになります。これだけ長く使っていても保温性は買った当初のままで、心地よさも保たれています。毎日の疲れがとれて、目覚めも快適。心から「買ってよかった」と思える寝具です。

こんなに簡単でいいの!? 羽毛布団のお手入れ方法

──日常のお手入れはどのようにすればよいでしょう?

カバーを洗濯すること以外、基本的にお手入れは不要です。「干さなくてよいの?」と思うかもしれませんが、ダウンには水分をはじく力があるので、水をほとんど吸いません。通気性のよい側生地の羽毛布団なら、湿気がこもらないので干す必要もないのです。

逆に、太陽に当てると紫外線が羽毛にダメージを与えてしまいます。「どうしても干したい」という方は、カバーをかけたまま30分くらい干して“風を通す”程度にとどめるのが適切です。

──干さないと、ダニが繁殖しそうで心配なのですが。

ダニは、湿度55%以上ないと生きていけません。上質な羽毛布団なら、湿度を50%にキープできてダニはすみつかないので安心してください。

80年はもつ羽毛の耐久性は最強

──耐久性はどの程度ありますか? 寿命はどのくらい?

マザーグースの羽毛は、70~80年はもつと言われています。ただし、汗をかけば側生地が傷んでくるので、羽毛布団自体の寿命は10年が目安に。とはいえ買い換えることはなく、10年に一度リフォーム(打ち直し)すれば、半永久的にご使用になれます。リフォームは、購入した店でお願いすると安心です。

大塚家具でも、中の羽毛を全部出して洗い、側生地も新しくして新品同様にリフォームし、2~3週間でお客さまの元へ戻します。新しく購入するより、約3分の1の価格ですみます。

──最後に、読者へメッセージをお願いします。

羽毛布団は秋冬の寝具というイメージがありますが、通気性に優れているのでジメジメした夏でも快適に、一年中使える寝具です。季節ごとに布団の衣替えをする必要がなく、収納場所も必要ないので、特に収納の少ない集合住宅で重宝されています。このようなちょっとした利便性も、人気につながっているのかもしれません。

羽毛布団の選び方では、ダウン率などの数値に注目しがちですが、産地や品質、側生地、加工といったトータルバランスで考えてみてください。そうすれば、後悔することのない一生ものの羽毛布団で、毎日快眠できること間違いありません。

取材・文/内藤綾子

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