助けて! パートナーのいびきで眠れない
INTERVIEW

睡眠の悩みのひとつに、いびきを挙げる人は多いのではないでしょうか。いびきをかいていると、本人だけでなく、隣で寝ているパートナーも、「寝つきが悪い」「熟睡感がない」など睡眠の質が落ちてしまいます。いびきについて、どのように対策をすればよいのでしょうか。
「恥ずかしい」と、いびきに悩む女性が多い
──お客さまから、いびきのことで相談を受けることはありますか?
寝具のご相談を受ける会話の中で、いびきの話題が出てくることは少なくありません。いびきの主な原因は、なんらかの理由で空気の通り道である気道が狭くなることにあります。狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなり、呼吸したときに粘膜が振動していびきが出ます。
──どのような人がいびきをかきやすいですか?
首の周りに脂肪がついている人が多い傾向にあります。肥満の人はもちろんですが、やせていても運動不足で首周りに脂肪がつく場合があります。あごが小さい人や、鼻づまりで口呼吸になっている人もいびきをかきやすいと言われています。また、お酒を飲むと筋肉がゆるんで気道が狭くなることがあるので、たくさん飲んだ夜も気をつけてください。
──「夫のいびきがうるさくて眠れない」といった、妻の悩みが多いのですか?
いびきをかく人は男性が多いので、そのような訴えはあります。しかし、悩んでいるのは女性が目立ちます。「いびきをパートナーに聞かれると恥ずかしい」「周囲に迷惑なのでは」といった心理が働くのでしょう。
浅い睡眠になり、身体の疲れも取れない
──いびきをかく人には、睡眠にどのような影響があるでしょう。
寝つきが悪くなり、浅い眠りが続いて目覚めもよくありません。身体の疲れが十分に取れず、身体がだるい状態で一日を過ごさなくてはいけないことも。いびきをかく人の騒音に悩んで、隣で満足に眠れない人も同様です。
──いびきをかく本人が、少しでも快適な睡眠になる工夫はありますか?
寝るときに胸の上に両手を置く姿勢を好む人は、それだけで胸が圧迫されて呼吸がしづらくなり、たくさん酸素を取り込もうとして、いびきにつながることが少なくありません。 両手はなるべく胸の上から解放してあげてください。
また、舌がのどに落ち込みやすく、気道が狭くなるあお向け寝より、横向きの寝の方が気道が開いて、いびきの軽減に役立ちます。
──お互いに気持ちよくグッスリ眠れるおすすめ寝具を教えてください。
いびきの原因は、その人の体型や寝姿勢などさまざまありますが、寝具が合っていないことも影響します。一番手軽なのは、枕を見直すこと。高さがある枕を使っていると、首が必要以上に手前に傾いて気道を狭くする要因になります。
5~7センチほどの低い枕で、首が手前に傾く角度が5度程度が理想です。横向き寝をキープするのに、抱き枕も便利。最近は、横向き寝専用の枕もあるので、試してみるのもよいでしょう。
横向き寝がいびきを軽くする
──横向き寝の枕! それは便利ですね。
横向き寝は、口が閉じやすく気道が確保されてスムーズに呼吸できるため、いびき対策に効果的と言えます。横向き寝の枕は耳や肩への負担が軽減されるように工夫されています。
横を向く方向は、右肩を下にした方が身体に負担がかからないといわれています。スムーズな腸の働きを促して夕食後の消化が早くなることと、左側にある心臓を圧迫しないからです。
──枕のほかの寝具で、いびき対策によいものはありますか?
掛け布団は、なるべく軽いものを選ぶこともひとつの方法です。重いほど身体を圧迫するので、自然な呼吸を多少なりとも妨げる原因となり、いびきをかいてしまうことも。羽毛布団などの軽いものにすることが大事です。また、マットレスも眠りを左右する大きなポイントなんですよ。
──マットレスは、どのようなものを選ぶとよいのでしょう。
頭、肩、おしりが沈むなど、寝る姿勢が不自然だと、身体が傾いて気道を狭くしていびきにつながる可能性があります。きちんと体圧が分散され、身体に負担のない寝姿勢がとれるものがおすすめです。
また、枕とマットレスの相性も大事なのでトータルで考えていくのがおすすめです。
自分に合った枕、掛け布団、マットレスを
──究極を言えば、夫婦で別々の部屋に寝るという選択もあるのでは。
それもひとつのアイデアですが、寝室というのは夫婦のプライベート空間でもありますから、いびきで別々になるのは少し残念ですね。また、部屋数が少ないお宅では実現が難しいものです。
部屋ではなく、マットレスを別々にする方が理想的です。クイーンやダブルサイズの1枚のマットレスだと、いびきの振動がパートナーに伝わりやすく寝つきが悪くなることがあります。シングルサイズ2台を並べて、マットレスを別々にするという方法も。「すでにマットレスは1枚で、買い替えの予定がない」という人は、せめて掛け布団は1枚を共有せずに、別々のものを使いましょう。
──最後に、いびきで悩んでいる方へメッセージをお願いします。
いびき対策には、鼻孔拡張テープやマウスピース、耳栓など便利なグッズが数多くありますが、寝具でも軽減することはできます。いびきだけでなく、上質な眠りを得ることにもつながるので、特に枕、掛け布団、マットレスが自分に合っているか見直してみてください。
関連するキーワード

大塚家具 スリープアドバイザー
市村達也(いちむらたつや)
大塚家具 銀座本店 アシスタントマネージャー。2006年に大塚家具へ入社。お客様の声に耳を傾け、時には自宅へ訪問してアドバイスするなど密に接する中で、その方に合った最適な睡眠環境を提案をしています。
【スリープアドバイザーとは】
睡眠研究機関である「スリープ研究センター」が認定している資格。睡眠の専門知識に関する講座を受け、試験に合格した人だけが名乗ることができます。大塚家具では、各ショールームでスリープアドバイザーがお客さまのよりよい睡眠のための相談役として活躍しています。
※記事内の写真・文章・価格・人物などは記事の更新日時点での情報となります。
現在の情報と異なる場合もございますので、ご了承ください。
大塚家具のLINE公式アカウント!
続けて読みたい!あなたにオススメの記事