【専門家に聞く】寝具の選び方やおすすめ睡眠法は?

これまで、さまざまな専門家から「睡眠」にまつわる情報・知識などを教えていただきました。そんな眠りのスペシャリストの寝室はどうなっているの? どんな睡眠環境で寝ているの?という素朴な疑問から、専門家ご自身の睡眠環境についてお話を伺うことにしました。
今回は、日本栄養睡眠改善協会代表理事で栄養睡眠改善トレーナーとしてご活躍中の村井美月さんに、寝具の選び方や質の高い睡眠をとる工夫などをお聞きします。
睡眠改善で日本を元気に! 日本栄養睡眠改善協会とは
──村井さんが代表を務める日本栄養睡眠改善協会の役割とは?
睡眠を改善するには「栄養面からの情報」と「睡眠の正しい知識」が必要です。この2つを広めることで、人々の健康の維持向上を目指しています。それによって日本が元気になればと思っています。
──具体的にはどんな活動をされているのでしょうか?
「睡眠改善」と「食生活改善」に関する正しい知識・情報の普及とその活用を適切に行える「栄養睡眠改善トレーナー」の育成、資格認定事業を行っています。睡眠不足が事故に直結するバス、タクシー、鉄道などの事業者、顧客対応に追われ不眠で悩む医療関係、朝型の生活スタイルにすることで成績向上を狙う教育関連事業者といった方々を対象に、講座や研修事業も行っています。
専門家ならでは! 身体に負担をかけない寝具の選び方&寝室環境
──専門家である村井さんの寝具の選び方を教えてください
寝具は、横になったときに身体が沈まず、しっかり身体を支えて寝返りがしやすいものや、お尻が沈んでしまわないことがポイントです。そこで私は硬めのマットレスの上に薄い綿の敷き布団を重ねています。また掛布団は身体に負担をかけない毛布と羽毛布団を選ぶようにしています。枕はやや低めで大き目のもの。頭だけでなく首もちゃんと乗るものにしています。
──これから暑くなりますが、夏場の工夫は?
夏場は綿の掛布団で、足が隠れる綿素材の長ズボンのパジャマを着て寝ています。冷房を使うので足腰の冷えや風邪予防のためにそうしています。また触り心地のよい、ひんやりする抱き枕を使っていますが、とても癒されますよ。
──寝具や寝室の色合い、寝るときの明かりはどうしていますか?
シーツや布団カバーに、心を落ち着かせるブルーや緑色を使っています。また照明は暖色系の電球で、明るさが2段階で調節できるものにして、夕食後は暗めにして過ごし、読書の際は電気スタンドを利用しています。就寝時は、隣の部屋から曇りガラス越しにもれる豆電球の光だけで、寝室はすべての明かりを消して寝ています。
──寝るときに工夫していることはありますか?
寝る前には「腹式呼吸」をしています。夜、寝床でお腹に手を当てて、鼻から吸ってお腹に息をためて数秒止め、口から息をなるべく長く吐くという「腹式呼吸」を毎日5回から10回ほど行うことで、ぐっすり寝られるんです。すると朝、目覚めた時に疲れがとれている気がします。この呼吸法によって頭痛や持病のぜんそくが改善し本当に助かりました。
専門家お勧め! 就寝前に飲む安眠ホットドリンク
──安眠のためにしている専門家ならではの工夫を教えてください。
食事は寝る3時間前までに終えるのが理想と言われていますので、なるべく19~20時には終えるようにしています。そして寝る前はホットドリンクタイムを作るようにしています。毎晩、飲むものを変えて楽しんでいるのですが、香りが楽しめてリラックスできるのでお勧めです。
──ホットドリンクが安眠に導いてくれるのでしょうか?
人間の身体は、昼間の活動時は「交感神経」が、夜間の休息時には「副交感神経」が働くようにできているのですが、不眠に悩む方は「副交感神経」への切り替え、いわゆる「リラックスモード」にうまくなっていないようです。なので、ホットドリンクを飲むことでゆったり過ごす時間を持つとよいでしょう。こうした時間が徐々に身体をリラックさせスムーズな入眠へと繋がると思いますよ。
──お勧めのホットドリンク教えてください。
ノンカフェインのルイボスティー、黒豆茶、ラベンダーティー、麦茶などはティーバッグでかんたんに入れられるのでお勧めです。少し手間がかかりますが、さらに安眠できるドリンクのレシピもご紹介します。
まずは、カモミールミルクティー。カモミールには神経を落ち着かせる働きがあります。
材料1人分⇒カモミール:小さじ1 スキムミルク:大さじ1 湯:200 ml
作り方⇒1:ティーポットにカモミールを入れて、沸かしたてのお湯を注ぎます。
2:5分蒸らしてからカップに注ぎ、スキムミルクを加えてよく混ぜます。
不眠気味の方には、ホットではありませんが、シソジュースがよいと思います。漢方では不眠の方にシソを処方します。ショウガやネギには神経を落ち着かせる成分が含まれています。
材料1人分⇒シソの葉:2束 ショウガ:1かけ ネギ:20 g 水:大さじ3 はちみつ:少々
作り方⇒1:シソの葉、ショウガ、ネギをジューサーにかけます。
2:水、はちみつを加えて混ぜます。
快眠を得るためには寝る前の準備がとても大切なんですね。寝具や寝室のカラーコーディネートや、ホットドリンクタイムも参考にしたいものです。今日からすぐにでもできるのは、寝床での腹式呼吸ですね。ぐっすり眠り、すっきり目覚めるためにもぜひ取り入れてみて下さい。
取材・文/三浦秋彦
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栄養睡眠改善トレーナー
村井美月(むらいみづき)
女子栄養大学卒、同大学院修士課程修了、修士(栄養学)。医化学研究室にて、睡眠とうつ、食生活、遺伝子多型との関連を研究。食・栄養・睡眠・健康に関する企画・執筆活動、及び大学を含め全国各地での講演活動、企業研修、健康食品会社等のコンサルタント、栄養と睡眠の資格認定等に従事している。
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