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アラームだと起きられない? 上手なアラーム活用術を伝授!

朝、起床するときは何をお使いでしょうか。目覚まし時計や、音楽の自動再生などのほか、携帯のアラームを使って起床する方も多いのではないかと思います。そもそも音は、人間の身体のどこに、どのように作用しているのでしょうか?

また、携帯のアラームで起床する場合、どのタイミングでアラームが鳴るように設定すると起床しやすいのか、スヌーズ機能の上手な使い方、知らぬうちにいつもアラームを消してしまって起きられないときの対処法など、音と睡眠について、大分県立看護科学大学、教授の影山隆之さんにお話を伺いました。

耳からの刺激による影響とは

──耳から入る音は、おもに人間の身体のどこに、どのように作用するのでしょうか?

下図は、音の健康影響について説明した図です。音は、いくつかの経路で脳に到達し、身体や精神に影響を及ぼします。
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(影山隆之さん作成・2018年)

①聴覚影響
聴覚影響とは、強大な音による影響で内耳が損傷を受けることで、一過性で聞こえが悪くなったり、騒音性難聴になったりします。

②聴取妨害
音が②の経路で伝わると、脳の表面にある大脳新皮質(だいのうしんひしつ)が音の意味を知覚します。これが、電話の声のような別の音と競合すれば、後者の聴取が妨害されます。もし2つの音が競合すれば、この知覚が混乱します。例えば、自宅の外で大型車が通ったため、電話の音が聞こえなかったというような状況がこれに当てはまります。

③睡眠影響
音は、また別の経路で網様体(もうようたい・脳幹に網目状に広がる神経系)を刺激することがあります。網様体は意識レベルを支えていて、眠りたいときや睡眠中などに網様体が刺激されると睡眠妨害を引き起こします。

④精神的妨害・情緒的影響
網様体を経由した刺激はさらに、視床下部(ししょうかぶ)、大脳旧皮質・古皮質(だいのうきゅうひしつ・こひしつ)、大脳新皮質(だいのうしんひしつ)へと伝わります。このため、大脳新皮質を使う精神的作業(考え事や読書など)が妨害されたり、大脳旧皮質・古皮質でイライラなど不快な感情が発生したりします。

⑤身体影響
また、視床下部は自律神経系の指令センターなので、ここに刺激が到達すると交感神経が反応して身体への影響(血管収縮、心拍上昇など)も起こる場合があります。視床下部の隣には下垂体(ホルモンの指令センター)があるので、そこまで及んだ刺激がストレスホルモンを放出させると、さらに全身に影響が及びます。

アラームで起きられない?上手なアラームとスヌーズの活用法

──携帯のアラーム機能を使って起床することが多い現代の人々。例えば「起床30分前に3回鳴らす」といったような起床しやすく上手なアラームの使い方はありますか?あればその理由を教えてください。

「絶対に起きなければいけない時刻」の20分前と、その時刻、二通りのアラームを設定する方法がおすすめです。前者はできれば、短く小さな音がよいでしょう。

健康な成人の夜間睡眠では「ノンレム睡眠→レム睡眠」が3~5周期繰り返され、1周期は90~120分です。レム睡眠とは、脳の一部や自律神経が活動している時間帯で、ふつうは朝方の周期ほどノンレム睡眠は短く、レム睡眠が長くなります。レム睡眠で起こされると比較的目覚めがよいのですが、ノンレム睡眠のときに起こされると寝起きが悪いことがあります。

そこで、もし一度目のアラームで気持ちよく目覚めたならば(そのときは、きっとレム睡眠だったのでしょう)そのまま起床すればよいのです。

もしそのときノンレム睡眠であれば、小さな音では起きない可能性が高いのですが、朝方はレム睡眠が多いので20分後にはレム睡眠になっている確率が高く、今度はきっと起きやすいことでしょう。

──携帯にはスヌーズ機能がありますが、寝る前には何度も鳴る安心感が得られる一方、朝はストレスになりかえって起きづらくなる方もいるように思います。何度もアラームを鳴らすことはよいでしょうか?また、どんな影響がありますか?

ご紹介した「20分間隔で2度アラームを鳴らす」方法で、一度目のアラームでスヌーズ機能を使ったとします。もしノンレム睡眠のときに一度目のアラームが鳴り、起きられないのにスヌーズ機能で何度も音が鳴ると、本当は「あと20分寝てもよい」のに寝られないため、不快に感じる可能性があります。しかし二度目のアラームでは、「絶対に起きなければいけない」のですから、この場合は音が大きくても構いませんし、スヌーズ機能を使ってもよいでしょう。

──なかなか起きられず、知らないうちにアラームを消す、またはアラームの音が聞こえないという方々にとって、工夫できることはありますか?

実は、ノンレム睡眠は早い周期ほど長くて深く、就寝からの時間が影響します。レム睡眠は、朝方になると多く出現し、何時に就寝しようと、朝方という時刻が影響する性質を持っています。就寝時刻が極端に遅い人は、朝方になっても脳がノンレム睡眠を欲していて、レム睡眠が出にくくなり、なかなか起きられない、知らぬうちにアラームを消すなどが起こりやすくなります。そもそも睡眠時間も不足しているため、余計に起きられなくなる可能性が高まります。

また、気持ちよい起床を助けるのはアラームだけではありません。スッキリとした目覚めには、朝の光も重要です。分厚い遮光カーテンで真っ暗な寝室で寝ていると、朝になっても目覚めにくいのは当然です。もちろん、前日の過剰な昼寝や夕食抜き、暑さ寒さなどの不適切な寝室環境のせいで、一夜の眠りの量や質が不十分であれば、目覚めにくいのは当然です。睡眠と目覚めに影響する要因はたくさんあるので、生活全体のデザインを考えることが大切です。

就寝中と入眠前の音について

──眠りに入る前に、CDなどの音楽機器や自然界の音、オルゴールなどを耳にするのは睡眠によい影響があるのでしょうか?

スムーズな入眠のためには、布団に入る前に脳の興奮を鎮めた方がよいので、そういった目的で穏やかな音を聴くことは意味があるかもしれません。音の効果は一概に言えませんから、自分の好きだと感じる状態を選ぶのがよいでしょう。また、布団に入ってからの時間帯は静穏なほうが入眠しやすいでしょう。眠りに入る前は、脳を興奮させる種類の音楽や、音楽以外でも音量の変化が激しいサウンドは、入眠の妨げとなるので避けた方がよいでしょう。

アラームをかけてもなかなか起きられない、聞こえない、スヌーズがストレスで目覚めが悪いなどよく耳にする悩みについて、また音と睡眠の関係についてお話を伺いました。アラームの上手な使い方は二通り、またどんな音を選ぶとよいかというお話、とても参考になりますね。上手にアラームを使って、気持ちのよい目覚めを。

取材・文/数野由香子

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