足がムズムズして眠れない? 「むずむず脚症候群」が原因かも

夜、眠りたいのに足がムズムズして不快で眠れない、身体に虫が這うような感覚があってなかなか寝つけない、眠っても途中で起きてしまい熟睡できない。そんな悩みを持たれている方は、もしかしたら「むずむず脚症候群」が原因かもしれません。
この病気は、近年、認知度が少しずつ高まっているものの、どのような原因があるのか、治療法はどんなものか?と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。むずむず脚症候群による不眠について、京都府の心療内科「タニムラ医院」の谷村洋平先生に話を伺いしました。
むずむず脚症候群の症状と原因
──むずむず脚症候群の代表的な症状はどのようなものがありますか?
夕方から夜間にかけて足に違和感が出現し、この違和感のために眠りにくいのが典型的な症状です。この違和感の感じ方は、足がムズムズする、足に虫が這っている感じがする、火照る、足が重たいなど、さまざまな感じ方があります。足を動かすことによって違和感が若干和らぐのがむずむず脚症候群の特徴です。
──足がムズムズする原因は何でしょうか?なりやすい体質や、生活習慣などはありますか?
原因として、身体的な病気である、鉄欠乏性貧血、腎不全、パーキンソン病、葉酸欠乏のほか、妊娠によって続発的にあらわれることが知られています。また、飲酒や過度なカフェインの摂取が原因となることも知られています。しかし、これらの疾患がなく原因不明に現れる特発性のむずむず脚症候群も多いのが実情です。
足がムズムズして眠れない。その対処方と自覚とは?
──眠りたいのに足がムズムズするなどの症状が出て眠れないときの対処法はありますか?
足を動かす、マッサージをする、暖めるなどの対処療法があるのですが、その効果は限定的です。早めに睡眠学会専門医を受診されることをお勧めします。
──むずむず脚症候群の方はその病気だという自覚があって来院される方が多いのでしょうか?
最近になって、この病気の認知度が少しずつ上がってきたこともあり、自ら「むずむず脚症候群では?」と受診される患者様が増えてきました。しかし、まだまだ「足が気持ち悪く病院を受診したが、いっこうによくならない」と病院を数件回られたあと、受診される患者様も多くいらっしゃいます。
むずむず脚症候群の治療法
──診断には問診以外にも何か特別な検査がありますか?
また、むずむず脚症候群の治療法はどのようなものがありますか?
問診のほかには、身体疾患を除外するために採血を行います。 お薬を使用することで、ほとんどの場合は症状が改善します。原因となっている身体疾患がある場合は、その治療を優先して行います。原因疾患のない特発性むずむず脚症候群の場合も、お薬を服薬していただくことでほとんどの場合、症状は改善します。最近では、飲み薬のほかに貼り薬があります。貼り薬は1日に一回、貼り替えることで改善されるというものです。
足がムズムズして眠れない、そんな不快な症状を伴うむずむず脚症候群ですが、近年認知度が高まっているうえ、投薬治療でほとんどその症状は改善するそうです。睡眠にも大きく影響を及ぼすので当てはまる症状がある方は、専門医へご相談を。
取材・文/数野由香子
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医療法人タニムラ医院理事長・院長
谷村洋平(たにむらようへい)
京都市生まれ。金沢医科大学卒業。大阪医科大学附属病院、金岡中央病院勤務を経て2013年タニムラ医院院長就任。日本睡眠学会専門医。早期発見・治療を重要視し、うつ病、不眠症、更年期障害、パニック障害、統合失調症など幅広い精神科領域の病気に対応。
http://tanimuraiin.com
・公益社団法人日本精神神経学会認定精神科専門医
・日本医師会認定産業医
・精神保健指定医
・日本睡眠学会専門医
中山書店『専門医のための精神科臨床リュミエール8 (精神疾患における睡眠障害の対応と治療)不安障害の不眠とその治療』著者
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