妊娠中の「眠い」「眠れない」睡眠トラブルはなぜ起こる?

妊娠中は、「ウトウトと眠くなる」「頭がさえて眠れない」などといった、睡眠トラブルが現れる人が少なくありません。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。妊婦さんのさまざまな悩みと向き合う産前産後助産院moegiの院長である森崎真澄さんに、解説していただきました。ここで、上手に眠れるヒントを見つけてくださいね。
変化する女性ホルモンが睡眠に影響する
妊婦さんと接していて、睡眠の悩みを相談されることはとても多いです。
具体的には、
「夜間に何度も起きてしまう」
「妊娠後期になると、あお向けで寝る姿勢がつらい」
「日中眠くなってしまう」
といった声をよく耳にします。
なぜ、妊娠中に「眠い」「眠れない」といった睡眠トラブルが起こるのかといえば、理由はいくつかあります。妊娠初期は、眠気を誘う女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌が増えて、日中でも強い眠気があります。また、妊娠後期になると子宮が大きくなり、膀胱を圧迫して頻尿になるため、トイレに立つ回数が増えて眠りが浅くなります。
大きくなった子宮が腰椎を圧迫して腰痛が起きるため、あお向けの状態だと寝るのがつらいことも。その他、出産への恐怖、育児への不安などがふくらんで妊娠中に眠れない人も少なくありません。
抱き枕やリラックス音楽なども活用
妊娠中の「眠い」は、可能であれば眠って身体を休めてあげればよいでしょう。「眠れない」といった睡眠トラブルを抱えた妊婦さんたちには、次のようなアドバイスをしています。
・疲れたら休んで無理をしない
・短時間の昼寝をする
・抱き枕などを活用して寝姿勢を楽にする
・早寝早起きを心がける
・スマホやテレビを寝る前に見ない
・寝る前に軽いストレッチをする
・お灸をして副交感神経を優位にする
・リラックスする音楽をかける
・ダウンライトを活用するなど寝室環境を整える
など。
妊娠中の「眠れない」を改善して素敵な妊婦ライフを!
私は病院の夜勤などで生活が不規則だった時代があるので、質のよい睡眠が健康のために重要なのだと身にしみて感じています。そのため、季節に合わせた清潔な寝具と、頭の高さに合わせた枕にこだわっています。
寝る3時間前までに夕食をすませて、スマホやテレビをシャットダウン。ゆっくりお風呂に浸かる、お灸をする、ストレッチをするといったことの他に、瞑想をすることもあります。そのようにして睡眠を大切にすることを常に心がけています。
これから始まる忙しい育児生活のベースとなるのは、まさに睡眠です。妊娠中から睡眠を大切にして身体を気遣うことが、安産や明るい子育てにつながっていくはず。ママの幸せは、赤ちゃんの幸せです。
この機会にぜひ、生活スタイルと睡眠を見直して、なるべく「眠れない」事態を改善し、よりよいマタニティライフを送ってくださいね。
取材・文/内藤綾子
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産前産後助産院moegi 院長
森崎真澄(もりさきますみ)
助産師、マタニティセラピスト。杏林大学医学部付属看護専門学校にて看護師免許を取得。
神奈川県衛生看護専門学校 助産学科にて助産師免許を取得。至誠会第二病院 産婦人科病棟にて10年勤務し、学生の指導にあたる。
2016年、自宅1階に「産前産後助産院 moegi」を開院。
https://sanzen-sango-moegi.tumblr.com/
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