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睡眠と脳の関係とは? 日中の作業効率がUPする睡眠のコツは?

睡眠中、脳はどのような状態になっていると思いますか?脳も休息をしていて働きを止めているのでしょうか? 睡眠時の脳がどのようになっているのか、翌日の作業効率がよくなる睡眠のコツなどを甲南大学の知能情報学部・知能情報学科准教授 前田多章(まえだ かずあき)先生に伺いました。

脳の構造と働き そして睡眠中に脳はどのような働きをしている?

──脳の構造や働きについて教えてください。

脳は、左右一対の大脳皮質(だいのうひしつ)、間脳(かんのう)、脳幹(のうかん)、小脳(しょうのう)に分かれています。大脳皮質は、情報を収集し記憶・想起をし、思考や動作を発現します。間脳は「生きていくための装置」で食べ物の摂取や性行動、身体の内部環境を調節しています。脳幹は「生命維持装置」で、呼吸や睡眠・覚醒を調節します。人はこれらの脳機能によって生活しています。

──睡眠中の脳は休んでいるのでしょうか?また、睡眠は脳にとってどのような役割があるのでしょう?

睡眠中でも脳はさまざまな仕事をしています。

大脳皮質
大脳皮質は、昼間に多くの情報分析・生成を行っています。そのため筋肉の4倍もの代謝が行われています。つまり、エネルギー消費が非常に高く、発熱が盛んなため、睡眠中に積極的に冷却をしないとオーバーヒートしてしまうんです。また、日中の体験、勉強、スポーツなどは、睡眠中に脳の中で「忘れない記憶」に置き換えられます。つまり、寝ないと日々の記憶や学んだことが脳に残らないようになっているのです。

間脳
間脳は、ホルモンによって脳や身体の内部環境を調節する役割を担っています。例えば、成長ホルモンは睡眠中に高濃度に放出されますが、この成長ホルモンによって子どもは身体を発育させ、成人は日中に疲労や損傷した部分を回復・修復しています。

脳幹
脳幹は、寝ている間も呼吸を制御し、睡眠を維持して朝になれば覚醒に導く重要な仕事をしています。
これらの脳機能は睡眠中に積極的に行われるものであり、睡眠にとって必要不可欠な要素です。このほか、睡眠中には脳の組織に隙間ができ、脳内に溜まったアミロイドベータ(*)などの除去が行われます。

*アミロイドベータとはアルツハイマー型認知症の原因となる物質

夢の働きって? 睡眠との関係は?

──眠っているとき、夢を見ているとき、脳ではどのようなことが起きていますか?

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠という2つの状態があり、ノンレム睡眠に続くレム睡眠というペアが朝まで繰り返されます。

夢の働きには多くの謎が残されていますが、これまでの研究で、睡眠中は長く夢を見ていることがわかっていて、ノンレム睡眠とレム睡眠とでは夢に異なる特性があることがわかっています。そして、睡眠時の脳の研究や光遺伝学の研究により、次のことが明らかにされています。

ノンレム睡眠時・・・比較的短く概念的な夢であることが特徴です。昼間に起きたこと、学習したことを忘れないようにする記憶の固定が行われていると言われており、その作業の際に夢を見ている可能性があると指摘されています。

レム睡眠時・・・比較的長く視覚的で感情豊かな夢を見ていることが特徴です。昼に経験したことをかつての記憶と関連付けしたり、記憶を思い出す際に必要な「索引づけ」をしたりといった働きがなされています。そして、その影響により夢を見ます。

いずれの場合も、脳の記憶の固定や整理に関連して夢を見るということですね。

脳によい睡眠時間と環境

──勉強や仕事など日中の効率を上げるためのよい睡眠時間とは?

年齢、個人差、日中の学習量などで異なりますが、通常は健康な成人の睡眠周期は、おおよそ90分~120分と言われています。

眠っている間は、状態の違う睡眠周期を繰り返すのですが、そのすべての段階が、さまざまな記憶の固定に重要な働きをしていると考えられており、必要な睡眠周期をすべて経るためには、およそ6時間の睡眠時間が必要とされています。

布団に入ってすぐには寝つけないことや、朝の目覚めのタイミングが、個人差や前日に行われた学習などの活動量によって変化することを考慮して、6時間半~7時間の睡眠時間をひとつの目安にするとよいでしょう。

──睡眠環境で気をつけたほうがよいことは?

睡眠時には、部屋の明かりは消灯すべきです。0.3ルクスの明るさは睡眠を妨げないとされますが、室内照明の常夜灯の下で寝ていると、顔の正面に明かりが照射され、充分な睡眠を妨げてしまいます。また、音楽やラジオなどを聴きながらの睡眠も問題です。大きくなったり小さくなったりとリズムや音量が変動する音楽やラジオも同じく睡眠を妨げます。これらの環境での睡眠では、脳が記憶を固定するための障害となりえます。

スポーツや勉強など効率アップのためのポイント

──スポーツや勉強の効率を上げるには、どの時間帯に行うのがよいでしょう?

一般的に体温の上昇が見られる夕方には、運動に関わる学習が適しているとされます。 また、勉強や暗記などは、覚醒度の高い午前中の学習がよいと考えられます。夕方や夜に学習する場合は、昼に短い仮眠をとることで、午前中の精神疲労をリカバリーすることができます。

その反対に、短い昼の仮眠がないと精神疲労が高まってしまうため、夕方には集中力が下がります。そして、夜は集中できない状態になることが報告されています。

よく、夕方に仮眠をとる学生を目にしますが、17時~19時は睡眠禁止時間帯とされ、この時間に仮眠をとると夜の睡眠の質が下がります。ちなみに、19時〜21時に寝ようとすると、夜間に目覚めてしまいます。この時間帯を入眠禁止時間帯と言います。夜勤勤務者にとっては利用すると便利な仮眠時間帯でもあります。

──次の日の動きをよくするためにしたほうがよいこと、避けたほうがよいことはありますか?

朝食の摂取

脳はブドウ糖と酸素を使って仕事をしますが、一日で約120gのブドウ糖(グルコース)を消費すると言われています。脳はグルコースをエネルギーとし、このグルコースが結合することでグリコーゲンとなり肝臓や筋に蓄積されます。

脳がすぐに使えるグルコースは、脳内や血液、肝臓に蓄えられているのですが、その量は60~70g程度です。脳は寝ている間も多くの仕事をしているため、夕食後から朝までの間に脳が使えるブドウ糖のほとんどはなくなってしまうというわけです。

そうすると、今度は筋肉に蓄えたグリコーゲンを使おうとするのですが、このグリコーゲンは一旦、乳酸に変えてからブドウ糖にしないと脳で使うことができないため、時間を必要とします。そこで欠かせないのが朝食です。

朝食で糖質や炭水化物を効率よく摂取することにより、脳は飢餓状態を乗り切り、午前中を活動的に送れるようになります。また朝食では、糖質や炭水化物のほか、タンパク質の摂取が欠かせません。とくにトリプトファンを含有する食物がよいでしょう。

トリプトファンを含むおもな食べ物
・大豆製品
・乳製品
・卵
・バナナ

トリプトファンは日中に太陽光を浴びることによってセロトニンに変換されるのですが、このセロトニンは、脳では日中を気分よく快適に過ごすために重要なホルモンになります。なので、昼間の動きを快活に行うためにも朝にトリプトファンを摂ることを心がけましょう。

午前中の日光浴および軽い反復運動
ウォーキングのような反復運動はトリプトファンをセロトニンに変化するのを助け、記憶を固定するうえでも大切な働きをします。
また脳内のセロトニンは、夜になり太陽の光がなくなるとメラトニンに変換され、体温を下げて睡眠に導いてくれる働きをします。

セロトニンは夜にスムーズに入眠するためにも大切なホルモンというわけです。セロトニンがうまく生成させるためにも適度な運動を日々の生活に取り入れてください。

昼の短い仮眠
先に述べたとおり、午前中の疲れは、短時間の昼寝をとることで回復するとよいでしょう。昼寝は、若い方で15分ほど、高齢者の方では30分ほどとるのがおすすめです。これにより午後のパフォーマンスが上がり、更には夕方の眠気が軽減し、仮眠の必要がなくなるため、夜間に睡眠の質が落ちることがありません。また、昼寝の習慣はアルツハイマー型認知症のリスクを軽減することも知られています。

夕食と食後の飲み物
夕食は早めにとることが理想です。また高カロリーな食べ物は睡眠中に分泌される成長ホルモンを抑制してしまうため、避けるべきでしょう。

また一般的に、寝る前に温めた牛乳を飲むことをすすめる場合があると思います。でも実は、温めた牛乳がとくに睡眠によい効果を得られる訳ではないとされています。

牛乳にはトリプトファンが含有されていますが、トリプトファンがセロトニンに変換されるには太陽光が必要になるため、夜に飲んでも効果は得られません。また温かい飲み物の摂取および、牛乳に含まれるたんぱく質の一部が熱に変換されると、本来は眠る前に下がらなくてはならない体温が上昇してしまうことも理想の睡眠を妨げてしまいます。

早めの入浴
寝る直前の入浴は体温が上昇してしまうため、入眠を妨げます。就床の1時間半~2時間前までに入浴を済ませて、涼んでから就床しましょう。遅い入浴の場合、長湯は避けて下さい。ちなみに「半身浴」は深部体温を下げてしまうので寝る前は避けるべきです。

──脳が充分に休めているなと分かる目安はありますか?

良質な睡眠がとれているかのバロメータは、睡眠時間の長さに関係がなく、翌日の日中の活動量が指標になります。

週末についつい朝寝坊をしてしまう場合には、睡眠負債がたまっているとも考えられます。この場合は、通常より少し早寝をして睡眠負債を返済しましょう。朝寝坊は気持ちがよいものですが、その晩の睡眠の質を劣化させてしまうことが知られています。

次の日、活発に動ける感じや集中しやすいといった感じがあれば、前日の睡眠で脳が充分に休めたと言えるでしょう。更によいことに、日中の活動量が増えれば睡眠の欲求が高まって夜の入眠がスムーズになります。

いかがでしたか?睡眠時の脳の働きについてお話を伺いました。寝ている間もたくさんの仕事をしている脳。寝室の環境や食事とすぐに取り入れられることばかりですね。

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