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睡眠の質を向上させる 陶板浴とは?

季節が冬に向かうにつれ、手足が冷えてなかなか眠れなかったり、夜中に目が覚めてしまったり、睡眠に関する悩みを抱える方も多いのでは?身体の冷えは、外気温からの影響だけでなく、自分自身の心と身体のコンディションで大きく変わります。

質のよい睡眠の妨げになる、身体の冷えを取り除くのに効果があると言われている「陶板浴」。実は、冷えを取り除くだけでなく、眠りの質を高める効果が期待できるとのこと。どうしてそのような効果があるのか、陶板浴サロンで話を聞いてきました。

副交感神経を優位にして質の良い睡眠を

人間の身体を動かす神経のうち、自分の意志では自由にコントロールができない神経に自律神経があります。この自律神経には、交感神経と副交感神経があり、1日のうちでこれらの神経はバランス良く交互に働き、その働きによって身体は活動的になったり、休息モードになったりしています。

このうち、睡眠に関わるのは副交感神経です。本来であれば自律神経は、日が沈むと交感神経から副交感神経に切り替わるはずなのですが、文明が発達したことで多くの現代人はその交代が上手くいっていないと言われています。夜になっても交感神経が優位のままだと、脳も身体も休まらず、いくら眠っても疲れがとれないということになってしまうのです。

副交感神経を優位に導くためには、心と身体をリラックスさせる必要があります。そのリラックス効果が高いものの1つとして、最近では陶板浴が注目され始めています。

身体を温め、血行を促す陶板浴

陶板浴とはどんなものなのでしょう? 陶板浴は、サウナや岩盤浴とは違って湿度が低く、温度も40度前後、サウナのような息苦しさはないのに、じわじわと汗をたっぷりかくことができます。

着衣のまま床に横たわりますが、仰向けになったり、うつぶせになったりしながら、約40〜50分を過ごします。床に敷かれた陶板の温度は心地よいあたたかさで、とてもリラックスでき、身体が芯から温まっていくのがわかります。また室内は、湿度が10〜30%前後に保たれ、カビが繁殖しない清潔な空気で満たされています。

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「お客さんには、気がついたら眠りに落ちていたという方が多いですね。なかには、普段よく眠れないにもかかわらず、ここに来るとすぐに眠たくなるという方も」というのは、陶板浴サロンを開いて12年になる「ナチュレ・オ・ココ」のオーナー、増田知加子さん。

元々パン職人だった増田さんは、質のよい天然酵母を得るための環境を整えようとして建材を見て回るうちに、陶板浴に出会ったとのこと。実際に自分が体験し、その効能を確信したことで、たくさんの人にその効能を体感してほしいとサロンの経営に携わるようになりました。

身体の温度を上げて、免疫力もアップ!

陶板浴に使われる陶板には、活性酸素を取り除く効果のある溶液が混ぜ込まれており、この溶液の作用で免疫力や自己治癒力がアップする効果も期待できるとされています。酸素を取り除く作用を還元というため、店舗によっては陶板浴の表記を、還元陶板浴としているところもあります。

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「還元を促進する抗酸化溶液の作用もあるのですが、身体に負担のかからない温度でゆっくり全身を温めることで、副交感神経が優位に働き、血流が高まり、身体の節々まで酸素や栄養が行き届くようになります。体温を1度上げると免疫力もアップすると言われていますから、うちのサロンには、がんを患っている方やアレルギー症状を持つ方も数多くいらっしゃっています」と増田さん。

電車に乗って、遠くから通うお客さんも多いのだそう。通常のサウナや岩盤浴だと心肺機能に負担がかかりますが、低温サウナともいえる陶板浴であれば、病気を患って体力がない人でも大きな負担がかかりません。

安眠効果で、毎日が元気いっぱいに

「ナチュレ・オ・ココ」の陶板浴を体験して、身体の調子がよくなった人の中には、自宅に陶板浴を作ってしまったという人も。

「陶板浴をすると、身体がとてもリラックスできて、その夜はとても安眠できるということがわかったんです。増田さんのサロンは自宅からは遠いので、いっそ、自宅に作ってしまおうと一大決心をしました」と話すのは、自宅で太極拳の教室や、酵素玄米の会など、健康に関わるイベントを行うサロン「梅樹庵」を開いている梅澤知子さん。

家族だけで利用するのはもったいないので、サロンに通うお客様限定で、希望者には陶板浴を体験してもらっているのだそう。

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「陶板浴で横たわっていると、副交感神経が優位に働くせいか、リラックスできて、とてもよく眠れます。ストレスの解消にもなるので、胃腸の調子もよく、肌の調子も整って、美容面でもメリットがありました」と梅澤さん。陶板浴を自宅に作ってからは、免疫力もアップしたのか、風邪もひきにくくなったとのこと。

「何よりも、ぐっすり眠れるようになったのが一番の効能だと思います。眠ることで、疲れた身体もリセットできて、毎日元気に過ごせるようになりました」

これから冬に向かって、身体の冷えが眠りを妨げる機会も増えそうです。話題の陶板浴、あなたの街にもないか探してみてはいかがでしょう?

取材・文/仲尾匡代

【取材協力】
ナチュレオココ (1)
・環境回復サロン「ナチュレ・オ・ココ」(千葉市)
増田知加子さん
http://www.genki-club.jp/index.html

・心と体の癒やしの場「梅樹庵」(横浜市)
梅澤知子さん
https://umejuan.wordpress.com/

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