冷えは睡眠の大敵!身体を温めて安眠を手に入れよう

冬の足音が聞こえるこの季節。手足の冷えを強く感じる方も多いのではないでしょうか。実は身体が冷えた状態だとだと寝つきが悪くなってしまうことをご存知でしたか。今回は冬の安眠を守るため、冷えと睡眠について快眠プランナーの塚島早紀子さんにお話を伺いました。
冷えると睡眠の質が低下するのはなぜ?
冷えが睡眠の質を下げたり寝つきを悪くするのは、体温と入眠のメカニズムが関係していると塚島さんは言います。人が眠気を感じるのは上昇した体温がぐっと下がったときです。
朝起きて日付が変わる頃までに眠る人は、18時~20時頃に体温が最も高くなります。その後、内臓などの身体の中心部から熱を汲みあげ、指先から熱を放出させることで、体温を徐々に下げていき、最終的に脳の温度が下がると眠気が起こります。
ところが、冷え性のように、体温が上がらず低いままだと、この入眠のメカニズムがうまく作用しないため、眠気が起こりづらくなってしまうのです。特に女性は男性と比較して筋肉量が少ないことで血の巡りも悪く、熱を作り出すことが難しいので冷え性になりやすいそうです。そのため、より体温のコントロールが重要になります。
身体を冷やす原因は季節だけじゃない
秋から冬は外気が冷たく身体が冷えやすい季節ですが、原因はそれだけではないそうです。身体を冷やす原因は以下の通り。意識することで冷えを防ぎましょう。
身体を冷やす食べ物を摂取する
トマトやきゅうり、レタスといった夏野菜は水気が多く、本来は夏の暑さで上昇する体温を冷ます効果がある食材。これを冬に摂ると身体を冷やす原因となります。また、コーヒーに含まれるカフェインや砂糖も身体を冷やす食品と言われています。
今の季節は芋、栗、かぼちゃを使った秋ならではのスイーツがたくさん登場し、その後はクリスマスや忘年会などイベントが増えますが、砂糖を多く含むケーキなどの食べ過ぎには気をつけましょう。
生活習慣の乱れ
1日のリズムにメリハリがなく過ごしてしまうと、体温のアップダウンもなくなってしまいます。また、生活習慣や食習慣が乱れたり、強いストレスにさらされたりすると自律神経が乱れていきます。自律神経が乱れると血管が細くなり、血の巡りが悪くなるほか、内臓の動きも悪くなることで身体を冷やしてしまいます。日々の習慣に気をつけるだけでなく、活動量を増やすなど、血を巡らせる生活を意識することが大切です。
身体を温めて安眠を手に入れる4つのポイント
1 食事
冬は旬の食材を食べましょう。人参、ねぎ、ごぼう、レンコン、かぼちゃといった根菜類は身体を温めてくれる食材です。また、味噌や醤油といった調味料も身体を温めると言われています。
鍋のように食材を煮込んで食べると更に効果を上げることができます。煮込み料理は身体が温まるだけでなく、食材を柔らかくし消化もよいため、夕食から睡眠までの時間が短くなってしまったときもおすすめです。
消化不良の状態では、寝つきを悪くしたり、途中で目が覚めてしまう原因にもなるので、消化によい食事は睡眠の味方とも言えます。
2 入浴
寝る前の入浴は体温を上げるのに最も効果的です。夜のお風呂が面倒だったり、仕事で帰宅が遅くなるとシャワーだけで済ます方もいると思いますが、シャワーだけでは全身をくまなく温めることができない可能性も。ここでしっかりと体温が上昇しないと、体温を上げて下げるという睡眠のメカニズムが作用しづらくなります。
面倒に感じるかもしれませんが、なるべく湯船に浸かりましょう。入浴のポイントは寝る1時間から1時間半前に38℃から40℃程度のお湯に浸かることです。42℃以上の高めの温度に設定すると、交感神経という日中活動しているときに働いている神経が優位になり、逆に目が覚めてしまうので、寝る前の入浴はぬるめの温度でリラックスしながら入るのがポイントです。
入浴時間は15分から20分程度にゆっくりと浸かることがおすすめです。筋肉がほぐれ血の巡りがよくなるため、入浴中は体温が上がりやすく、寝る前に体温が下がることで、スムーズに眠ることができます。肩まで浸かって首や肩の凝りもほぐし、冷えないようにしましょう。身体を温める効果のある入浴剤を使うのもよいでしょう。
3 寝具
寝具選びも大切なポイントです。なるべく保温性が高く、軽いものを選びましょう。寝床内気候(寝具と身体の間の温湿度)は温度33℃、湿度50%が理想的と言われていますが、実際にそれを保つのはなかなか難しいことです。
とはいえ、パジャマを何枚も着込んでしまうと寝ている間に汗をかいてしまい、それが身体を冷やす原因となることもあります。パジャマはネルや三重ガーゼ、コットンニットなど軽くて保温性のあるものを選びましょう。着込みすぎは肩首が重くなり、寝返りを妨げてしまうため、睡眠中の覚醒の原因になってしまいます。
寒い季節は保温性の高い「敷パット」などを活用し、背中と肩と首を温めることで、冷えを防止し眠りやすくなるでしょう。羽毛布団は直接肌にかけると体温が布団に移り、保温性が高くなります。それでも寒さを感じる場合は、その上に毛布をかけると重さで身体にフィットし、より冷気が布団の中に入らないようにすることができます。
4 寝室環境
冬の快適な寝室の温度は冬季18~22℃、湿度は50%前後がよいと言われています。「寝室が寒い」「布団が冷たい」という方は、就寝前に暖房をつけて快適な温度に保ちましょう。
ただ、暖房をつけたまま寝てしまうと、一度あがった体温が下がりにくくなり寝つきを妨げる原因になったり、肌やのどが乾燥する原因となる可能性も。足先が冷えて眠れない人は、湯たんぽやレッグウォーマーを使って温めましょう。
他にも厚手のカーテンを長めにつける、ベッドの位置を窓から離すなど寝室のレイアウトを冬仕様にすることも、身体を冷やさないポイントになります。
体温の変化と睡眠には大きな関係があるのですね。日々の生活と寝具選びに注意して秋冬の寒い季節も身体を温めて安眠を手に入れましょう。
文/今井菜穂子
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快眠プランナー
塚島早紀子(つかしまさきこ)
約10年間の睡眠サポートサービス運営を通じ、女性の睡眠不足を軽減する情報を発信。
習慣改善プログラムや寝室環境の改善などエビデンスに基づいたケア方法を伝えている。執筆、セミナー、メディア出演など活動中。
http://pleasantsleep.jp/
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