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睡眠時無呼吸症候群の改善に役立つCPAP(シーパップ)って?

睡眠時間をしっかりとっているつもりなのに、日中の眠気がひどい、朝にスッキリ目が覚めず寝た気がしない、家族にいびきがひどいと指摘された、という人は「睡眠時無呼吸症候群」という病気の可能性が考えられます。睡眠時無呼吸症候群は、読んで字のごとく、睡眠中に断続的に何回も無呼吸が起こる病気で、睡眠の質が低下し健康が損なわれると言われています。

睡眠時無呼吸症候群に関する詳しい解説は、当サイトの専門家インタビュー記事(https://www.goodsleepfactory.com/interview/2318/)でも扱っていますが、今回は、診断を受けるまでの検査についてと、実際に、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に、症状の改善で行われる治療のひとつ、CPAP(シーパップ)療法についてご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群の検査は、
入院検査の他に、自宅でできる簡易検査も

医療機関を受診する場合はネットで検索

「もしかしたら、睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と思っても、何科を受診すればいいのかよくわからないという人は少なくないでしょう。睡眠専門クリニックや呼吸器内科での受診が一般的ですが、睡眠時無呼吸症候群の治療は、耳鼻咽喉科や内科で行っていることも。

通える範囲の医療機関を探すなら、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩む方のためのポータルサイト「睡眠時 無呼吸なおそう.com」内で検索することができます。

手軽な簡易検査で診断も

睡眠時無呼吸症候群の検査には、入院を伴う精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)と、自宅で行う簡易検査があります。精密検査では、1泊で入院し、様々な項目を調べてそのデータを元に、医師や専門の臨床検査技師が判定を行います。

一方、簡易検査は、主に酸素飽和度を調べる検査と、気流やいびき音から気道の狭窄(きょうさく*1)や呼吸状態を調べる検査を自宅で行います。医療機関から手配された検査機器を就寝時に鼻の下や手指に取りつけ、データを測定。これにより睡眠呼吸障害の程度(AHI)がわかります。
*1 間がすぼまって狭いこと

AHIは、「Apnea Hypopnea Index」の頭文字をとった略で、睡眠1時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数を指します。データ測定後は、検査機器を決められた場所に返却。医療機関に返却する場合もあれば、医療機関の指示で貸出を行った業者に返却する場合もあります。

簡易検査の結果だけで、睡眠時無呼吸症候群と診断されるケースも少なくありません。AHIが40以上で眠気など睡眠時無呼吸症候群の症状が明らかな場合、精密検査を行わぬまま、症状改善に向けてCPAP装置を使用した治療がスタートします。

<検査費用例>(3割負担の患者さんの場合)
●簡易検査        :3,000円前後
●終夜睡眠ポリグラフ検査 :10,000円強(検査費用に加え、入院費その他諸経費がかかります)

睡眠時無呼吸症候群の改善に保険適用となる「CPAP療法」

睡眠時の無呼吸を改善

睡眠時無呼吸症候群の治療としてポピュラーなものが、CPAP療法です。CPAPとは、「Continuous Positive Airway Pressure」の頭文字をとったもので、CPAP装置を使った治療は、「CPAP(シーパップ)療法(=経鼻的持続陽圧呼吸療法)と呼ばれます。

医師が患者さんの気道閉塞の程度に合わせ、装置の空気圧を調整、その数値に基づいた設定でエアチューブと鼻マスクを介して空気を鼻から気道へ送り込み、寝ている間の無呼吸を防ぎます。

ぼかし_装_S10+加湿器/夜_N10

CPAP装置はレンタルで

CPAP療法は健康保険が適用されます。近年、装置の小型軽量化も進み、広く普及するようになりました。

それでは、この治療には、どれくらいの費用がかかるのでしょう? 使用する装置は購入の必要があるのでしょうか? CPAP装置を、医療機関を通して患者さんに貸し出している帝人ファーマ株式会社に問い合わせてみました。

「装置の使用は、毎月ごとのレンタルという形をとっています。医師の指示によって医療機関から貸し出されます。費用は、お薬などと同じように医療機関を受診した際に自己負担割合に応じて支払う仕組みです」(プロダクトマネージャー神谷氏)とのこと。

ぼかし_S10+加湿器/N10_画面合成__

健康保険が適用されるので、3割負担の患者さんの場合は、5,000円前後/1カ月が一般的です。これはレンタルの費用で、これ以外に診療費などがかかります。また、治療を受けるには、定期的に受診することも必要に。「慣れるまでは、毎月1回の受診が一般的ですが、治療で効果が出ているとわかれば、医師の判断で2〜3か月に1回の受診ですむようになることもあるようです」(同氏)

必ず受診してからの使用を

睡眠時無呼吸症候群の患者が増え、CPAP装置の存在が知られるようになったためか、ネット検索をすると、この装置が個人向けに販売されています。けれども、この装置を使用する際は、検査のデータ結果にもとづいて、空気圧を設定する必要があります。必ず医療機関を受診して、医師の指導のもとで使用するようにしましょう。

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<CPAP療法 患者さんの声>(編集部調べ)

●『知人がCPAPでスッキリ目覚められるようになったと聞いて、「試してみたい」と、かかりつけ医に相談したところ、簡易検査をすることに。AHIが40を超えていて、すぐに治療が始まりました。私のいびきがひどいために耳栓をして寝ていた妻から、「耳栓をしなくても眠れるようになった」と言われました。目覚めのいいときが増え、日中眠くなることが減った気がします。』[治療歴11か月:Nさん(男性52歳)]

●『妻から「いびきの時、息が止まっている」と言われ、睡眠時無呼吸症候群の治療をしている耳鼻咽喉科で入院検査したところ、AHIが60を超え、最長107秒呼吸が止まっていました。CPAPをつけて寝るようになり、ぐっすり眠れたという感覚が持てるように。治療と並行して、肥満解消のために運動を始め、お酒を控え、生活改善にも気を使いました。学生時代にアメフトをやっていて鼻がつぶれていたのですが、それを手術で治したところ、AHIが一桁に。今は、CPAPなしでも、いびきをかかずに寝られるようになりました。』[治療歴6年:Sさん(男性53歳)]

日中、やたらと睡魔に襲われるなどで、仕事のパフォーマンスが低下していると感じることがあるなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性を疑ってみましょう。簡易検査は思いのほか気軽に受けられます。気になる際は、近くの医療機関を検索することから始めましょう。

取材・文/仲尾匡代

【取材協力】 帝人ファーマ株式会社、帝人在宅医療株式会社
【参考サイト】睡眠時無呼吸なおそう.com
https://659naoso.com/

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