食欲の秋！睡眠とダイエットの関係を理解して秋太りに備えよう
実りの秋は様々な食材が旬を迎え、美味しいものが増えるため、つい食べすぎてしまいやすい季節です。そこに睡眠不足が加わると、食欲がさらに増えるだけでなく、代謝も落ちてさらに太りやすくなってしまうかも。睡眠とダイエットの関係を理解して秋太りを予防しましょう。
なぜ秋は太りやすいの？
秋はそもそも太りやすい季節です。夏は夏バテという言葉がある通り、暑さにやられ食欲が低下しがちですが、秋になると夏の暑さも落ち着き、食欲が戻ってきます。
さらに、秋は寒い冬に向けての蓄えの季節。いつでも食材が手に入る私たちにはピンと来ないかもしれませんが、自然界では冬は草木が枯れ、食材が手に入りづらくなります。そのため、人も動物も秋になると食欲がわき、たくさんのものを食べて脂肪として身体に溜め込み、冬の飢餓に備えるよう準備をします。
ですが、現代の私たちは、冬でも食材が手に入るため、秋に備えたものは冬に使われず溜め込まれたままになってしまうのです。
そこに、睡眠不足が加わると更に太りやすい身体になってしまうというのをご存知でしょうか？
睡眠とダイエットの関係
人の食欲には、２つのホルモンが大きく関係しています。食欲を増進するホルモンである「グレリン」と満腹を感じさせる「レプチン」です。人は体内時計という時間を測る機能があり、食事時間が近づくと胃からグレリンが分泌され、脳の視床下部が刺激されることで食欲を感じます。そして必要な食事の量を摂ると、脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌され、視床下部を刺激することで満腹感を感じます。
この２つのホルモンにより、通常は食事量が調整されるのですが、睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、グレリンが増え、レプチンが減ってしまいます。食欲を強く感じ、食べても満腹感を得られにくいとなれば、ダイエットがうまくいくはずがありません。
さらに、レプチンには心臓や胃などの内臓を動かす、体温を維持するなど、生きるために必要なエネルギーの基礎代謝をあげる働きがあります。睡眠中もレプチンが消費カロリーを高めています。しっかり睡眠をとってレプチンを分泌させ、働かせることがダイエットを手助けしてくれるというわけです。
睡眠不足と甘いもの
秋が旬の食材は芋、くり、かぼちゃ、そして果物と糖質の高い甘い食材が多めです。スイーツとの相性もよいため、ケーキ屋さんにもモンブランやバンプキンパイ、フルーツタルトと新商品が並び、誘惑してきます。ですが、糖質はダイエットの敵。食べ過ぎれば確実に太ってしまいます。なんとか我慢したいところですが、実は睡眠不足になると私たちは甘いものを欲してしまうんです。
睡眠は身体だけでなく、脳を休ませるもの。睡眠が不足すると脳はストレスにさらされ、ストレスホルモンであるコルチゾールを分泌させます。これが無性に甘いものが食べたくなる原因なのだそう。
人類の長い歴史の中で、もっともストレスの原因となっていたものは飢餓（＝エネルギー不足）だったそうですが、その名残なのか、人はストレスを感じるとエネルギーを補おうとします。エネルギーをもっとも早く効率よく摂取できるのが糖質なため、本能的に甘いものを欲してしまうのです。
本来コルチゾールは抗炎症作用や、たんぱく質などの主要栄養素の代謝に関わっており、寝ている間には起きてからの活動に向けて、脂肪をエネルギーに変える働きがあり、ダイエットの味方といえます。ですが、睡眠不足により悪い方に働くと、一気にダイエットの敵になってしまうのです。
夏に一生懸命ダイエットをしたのに、秋太りしてしまったらもったいないですよね。美味しい秋の旬の食材を楽しむのはとても楽しいことですが、食欲のコントロールを失ってしまうと大変です。睡眠をしっかりとって、上手に食欲をコントロールして秋太りに備えましょう。
参考文献：
「いい眠り」は体を引き締める 睡眠ダイエット （株式会社 新講社）
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今井菜穂子（いまいなほこ）
管理栄養士・遺伝子アドバイザー
株式会社谷田ヘルスリンク、渋谷DSクリニックにて栄養指導経験を積む。海外留学を経て現在はさくら内科クリニック（東京都世田谷区）にてダイエット、美容、健康に悩む方へ栄養・食事指導にあたる。ほか、食生活や生活習慣、美容、ダイエットに関する記事の執筆、監修。
公式HP:http://nahokoimai.com
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