快眠できない! 改善策は愛情ホルモン・オキシトシンにあり!?

快眠できないという原因の多くにストレスがあります。近年、このストレスを消し去る新たなホルモンがあることがわかりました。それが”オキシトシン”です。このオキシトシン、どうすればより多く分泌できるのでしょうか?ストレスを消し去るオキシトシンについて解説します。
体内のさまざまな器官に作用する“オキシトシンとは?
オキシトシンは、心の安定や幸福感へつながる重要なホルモンです。幸せホルモンと呼ばれるものに“セロトニン”がありますが、オキシトシンが分泌されることで、セロトニンも活性化すると言われています。
オキシトシンは人間だけが持つものではありません。哺乳類が共通に持つホルモンで、神経伝達物質の役割を果たし体内のさまざまな器官に作用します。2015年に筑波大学の研究チームが、「飼い主とイヌが触れ合うことで互いにオキシトシンが分泌される」という論文を発表し、『サイエンス』誌に掲載されて話題を呼んだというエピソードもあります。
ギリシャ語で「早く生まれる」という意味の言葉が語源と言われ、19世紀末頃にはその存在が知られており、その頃すでに女性の出産や子育てに関連するホルモンとして認知されていたそうです。
長い間オキシトシンは、出産した女性しか分泌できないホルモンと考えられていたのですが、研究が進んだ結果、未婚女性も男性も高齢者もオキシトシンを分泌できるということが解明されました。
“快眠できない”をオキシトシンで効果的に改善できる!?
オキシトシンは以前から、母乳の分泌を促す作用があり、幸福感や愛情と深い関係があることはわかっていました。このことから別名「愛情ホルモン」と呼ばれています。しかし、近年オキシトシンの研究が飛躍的に進んだことで、オキシトシンには、下記のような多くの効果があることが証明されています。
・幸せな気分になる
・不安や恐怖心が減る
・他者への信頼の気持ちが増す
・身体の痛みを抑制する
・深い人間関係を結ぼうとする意欲が高まる
・心臓の機能を上げる
・免疫力を高める
そして、最大の効果が“ストレスが緩和される”ことだと言います。
このオキシトシンをより多く分泌することでストレスを軽減し、快眠できないという状態を解消することができそうです。
“快眠”の救世主!オキシトシンの増やし方は?
「快眠できない」と悩む現代人は多いので、このオキシトシンを利用しない手はありません。では、どうすれば、オキシトシンを増やし、快眠できない日々を終わらせることができるのでしょうか?
【スキンシップをする】
親子、夫婦、兄弟や姉妹、好きな人などと心地よいスキンシップをしましょう。
手をつなぐ、抱擁(ほうよう)する、好きな人とのキス、性行為など。あるいは、エステのマッサージなどもおすすめです。また、犬や猫などのペットをなでるという行為も。ただし、嫌いな人や苦手な動物とスキンシップをとっても不快なだけで、オキシトシンは分泌されません。必ず好きな人や動物と触れ合うことが大切です。
【会話を楽しむ】
たとえ直接身体に触れなくても精神的に触れ合うことでも効果があると言います。たとえば家族で会話をする、会社の帰りに同僚や友達と飲みに行く、カラオケに行くというように、人との交流を深めるといった行為もOKです。
【人を思いやる気持ちを持つ】
誰かのためにプレゼントを贈る、手料理を作るなど。あるいは、他人に対して親切心を持つことでもオキシトシンを活性化できます。
【感動する】
自分の五感が喜ぶような、たとえばおいしい料理を食べる、絵画鑑賞や音楽を聞くなど、感動する気持ちを呼び起こすことも効果的です。
いかがでしたか?ご紹介したように、オキシトシンを活性化する方法は特別に難しいものではないと思います。自分が心地よいと思うことを意識しながら、オキシトシンを日々の生活の中でより多く分泌することで、ストレスを効果的に減らし快眠できない状況を解消するのに役立ててください。
【参考文献】
・リクナビNETジャーナル
https://next.rikunabi.com/journal/20151128/
・国際社会経済研究所
https://www.i-ise.com/jp/column/kyuukonu/2015/06.html
・リズム
https://www.life-rhythm.net/okishiton1/
文/高橋晴美
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高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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