暑くて眠れないなら寝床内気象を調節!快眠できる温度湿度って?

夏といえば熱帯夜。暑くて眠れない経験をしたことのある方も多いのでは? 暑さで睡眠が妨げられるのは避けたいものですよね。
そこで注目したいのが、睡眠と温度・湿度との関係。睡眠と密接に関係している温度と湿度をうまく調節することで、快適な眠りを得ることができるのです。今回は睡眠改善インストラクターの石川泰弘さんに、暑くて眠れない夏の夜に実践したい、温度と湿度の調節方法について教えていただきました。
寝具内の温度・湿度が快眠につながる!
暑くて眠れない夜の対策を考える上で知っておきたいのが「寝床内気象(しんしょうないきしょう)」。石川さんに解説いただきました。
石川さん:寝床内気象とは、寝具と人体の間にできる空間の温度と湿度のことです。この寝床内気象を睡眠に適したものに調節することで、快適な睡眠につなげることができます。
寝床内気象の目安は?
寝具の中の温度や湿度には普段、なかなか気が回らないものですよね。石川さんに、快適な睡眠が得られる寝床内気象の目安を教えていただきました。
石川さん:快適な睡眠を得るための寝床内温度は32℃~34℃の範囲、湿度は50%±5%が目安です。寝床内温度は睡眠中ほぼ一定を保ちますが、湿度は急激に上昇した後で低下し、その後は一定を保つという特徴も。また、夏と冬ではそれぞれ外気温や湿度が異なることから、それぞれに次のような対処が必要になります。
夏
夏は外気温・湿度と同様、寝床内も高温多湿になるため工夫が必要です。詳しくは後ほどご説明します。
冬
冬は気温が低いので、寝床の中では冷たさを感じやすくなります。寝床前に少し寝具を温めておくとよいでしょう。寒さを感じるときは敷布団を厚くすると保温されやすくなります。掛け布団を必要以上に増やすよりも寝返りが打ちやすくなり、快適な睡眠をとることができます。
また人間は眠りにつくときにサーカディアンリズム(体内時計)の関係で体温を自然と下げますが、体温を下げるときには身体から放熱します。この放熱の助けになるのが寝具の通気性です。通気性も考慮するとよいでしょう。
暑くて眠れない!夏の寝床内気象を調節しよう
夏は寝苦しい夜が続き、暑くて眠れないということもあるでしょう。そんなとき、寝床内気象に意識を向けて調節してみてはいかがでしょうか。石川さんは、夏の寝床内気象をうまく調節する方法を次のように話します。
石川さん:エアコンなどを利用して室温や湿度をコントロールしたり、通気性・吸湿性のよい寝具や衣類を選んだりすることで調節できます。
エアコンは夜通しつけていると風邪を引いてしまうこともありますので、できれば数時間後に止まるようにタイマーを設定にしておくことをおすすめします。
寝具や衣類についても、睡眠中に徐々に下がる体温を意識して選びましょう。放熱しながら体温を下げるので、夏は通気性や速乾性のよい衣類や寝具を選択する必要があります。ちなみに抱き枕は、脇が空くので意外と身体から熱が逃げやすくなり、涼しく感じます。
また衣類は身体を締め付けないものを選ぶことも大切です。締め付けのある衣類を着て寝ると血液循環が悪くなってしまう、リラックスできないなど、体温調整に影響を及ぼす可能性が高くなるからです。
熱を逃がす通気性・乾燥性のよい寝具や衣類の例
・綿素材の寝間着
・コットンガーゼのシーツやパジャマ
・リネンのシーツやパジャマ
・パイルシーツ
など
暑くて眠れない夜がやってきたら、ぜひ寝床内気象に気を配り、部屋の温度・湿度はもちろん、寝具や衣類についてもポイントを押さえて選んでみましょう。
【取材協力】
睡眠改善インストラクター
石川泰弘さん
2006年より(株)バスクリンのPR・IR活動を行う。現在、「お風呂博士」として各メディアでPR活動を行う傍ら、全国各地で温泉や入浴、睡眠に関する講演を実施。著書に「たった一晩で疲れをリセットする睡眠術」(日本文芸社)など。
文/石原亜香利
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石原亜香利(いしはらあかり)
ライター。主に30~40代のビジネスパーソン向け、美容・健康・ダイエットのジャンルで、多くの記事執筆・取材経験がある。読む人が日常生活の中で、実際に役立てられる企画立案・記事制作を心がけている。
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