海外旅行前に知っておきたい!時差ボケで眠れないときの睡眠法
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長期休暇のある8月は海外旅行へ行かれる方も多いのではないでしょうか?でも、せっかくの楽しい旅行を体調不良で台無しにしてしまうのが時差ボケ。日中なのに眠気が抜けない、逆に夜になっても眠れないといった日が続くととても辛いですよね。なんと8割もの旅行者が時差ボケに悩まされるそうです。今回はそんな時差ボケのメカニズムと対処法をご紹介します。
時差ボケとは
時差ボケとは4~5時間以上の時差のある場所へジェット機などで急速な移動をすることにより、体内の生物時計と現地の生活時間にズレが生じること(外的要因)、さらに生物時間に支配される体内リズム間にズレが生じること(内的要因)が加わることで起こる体調不良のこと。
時差ボケは到着直後よりも数日後に症状が強くなることもありますが、これはそのタイミングで体内リズムとのズレが最も大きくなっているからだそう。
この他、飛行中の減圧、ジェット機内の低酸素といった特殊な環境、夜間飛行中の睡眠不足や疲労、さらに年齢や体力差が加わることで、その症状や重度は人それぞれ違うそうです。飛行時間が長いと症状がより強く出やすいのはこのためですね。
時差ボケの主な症状
・睡眠障害
・日中の眠気
・集中力の低下
・疲労感
・食欲不振
・頭重感
なぜ時差ボケが起こるのか
では、なぜこんなにも時間のズレが私たちの体に大きく影響を与えるのでしょうか。実は人の生体リズムの周期は、1962年ドイツのユルゲン・アショフの研究結果として24時間よりも少し長い25時間だと発表されました。
生体リズムは人によって異なりますが、平均は24時間15分なのだそう。これを24時間に調整しているのがセロトニンやメラトニンといった太陽の光によって分泌されるホルモンや、睡眠・覚醒といった生活習慣なんです。これが時差により、本来寝るべき時間のはずが、現地は朝なので太陽の光を浴びてしまい、身体が混乱し生体リズムのバランスが崩れてしまうわけです。
さらに時差ボケではフライトの方角も影響を与えます。同じ8時間程度の時差であっても、西向きのフライトは5−6時間で生体リズムが現地時間に合うのに対し、東向きのフライトでは10日前後かかってしまうそう。時差のない南北のフライトでは時差ボケはもちろん起こりません。
生体リズムは心身ともに影響を与えますが、睡眠には最も大きな影響を与えます。だから眠気を強く感じることや、眠れなくなるといった症状が強く表れるのですね。でも、『せっかく旅行に行ったのに眠くて楽しめない』『楽しく旅行して帰ってきたのに頭が重くて気分が台無し』などの想いはしたくありません。なんとか時差ボケから逃れたいところですね。
時差ボケの予防法
時差ボケを完全に予防することは、生体リズムの役割から難しいのですが、事前に準備することで時差ボケの症状を軽減することができるそうです。
1 睡眠不足を解消しておく
旅行前から睡眠不足があると時差ボケの症状は悪化しやすくなります。旅行3日前から成人であれば7~8時間程度の睡眠時間を確保し、睡眠不足を解消しましょう。
2 旅行先の方角に注意する
東側方向へ旅行をするときは、睡眠時間の確保に加えて就寝・起床と食事のタイミングを1~2時間ほど早くしましょう。また、朝起きたら太陽の光を浴びて、夕方からは明るい光を浴びないようにしておくこともおすすめです。逆に西側方向へ旅行をするときは就寝・起床と食事のタイミングを1~2時間ほど遅らせましょう。
また、起床後1時間は濃いサングラスをかけてできるだけ薄暗いところで生活し、逆に夜間は明るいところにいることがおすすめです。生体リズムと現地時間の差を少なくしておくことが大切です。
時差ボケの対処法
時差ボケの対処法は短期間の旅行か長期間の旅行かで異なります。
3−4日の短期間の旅行の場合は、日本のリズムを崩しすぎないことで、帰国後の時差ボケを抑えることができます。現地時間にとらわれ過ぎずに24時間あるうちのどこかで睡眠をとること。15−20分程度の仮眠を上手に活用してみましょう。
2週間以上の長期旅行の場合は、日本での生体リズムを現地時間に早く同調させることが、時差ボケの影響を短期間で解消させるポイントです。到着して眠気を感じても現地が日中の場合は起きているようにしましょう。
現地の日光を利用することもリズムを整えるポイントです。例えば日本と17時間の時差があるLAに行く場合は、1日目・2日目は10:00まではサングラスをして太陽光を避け、13:00-15:00は太陽光に当たるようにすると1−2時間程度生体リズムが進むそうです。旅行先によって変わるので注意しましょう。
帰国後は日本の生体リズムに合わせるため、食事時間や生活スケジュールを日本時間に合わせることに加え、日中に眠気を感じる場合は15-20分程度の仮眠をとることもおすすめです。逆に寝すぎてしまうと生体リズムが戻るのを遅らせてしまうので、注意しましょう。
旅行はとても楽しいもの。旅先でも帰ってきてからも時差ボケに悩まされないよう、睡眠と光の調節で上手に生体リズムを整えて素敵な思い出を作ってください。
参考文献:
日本旅行医学会学会誌 第11号
睡眠医療 No.4 Vol.11
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今井菜穂子(いまいなほこ)
管理栄養士・遺伝子アドバイザー
株式会社谷田ヘルスリンク、渋谷DSクリニックにて栄養指導経験を積む。海外留学を経て現在はさくら内科クリニック(東京都世田谷区)にてダイエット、美容、健康に悩む方へ栄養・食事指導にあたる。ほか、食生活や生活習慣、美容、ダイエットに関する記事の執筆、監修。
公式HP:http://nahokoimai.com
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