寝苦しい暑い夜をどうにかしたい 夏の不眠対策のススメ
COLUMN

暑くてなかなか寝つけなかったり熟睡できなかったりする日が続いてしまうと、翌日のパフォーマンスにも影響が出てしまいます。そうならないために、寝苦しい夏の夜の不眠を解消する方法を紹介します。
寝苦しい夏の夜でも快眠できる寝室にする方法
家にいて起きている時間は、テレビがあるリビングなどで過ごす人が多いと思います。しかし、寝室は1日のうち4分の1から3分の1もの長い時間を過ごす場所です。不眠を防ぐには、まず、寝室の環境を快適にすることがポイントになります。
寝室の環境を整えるなかで、外からの騒音や明るさを遮断するのはもちろんですが、寝苦しい夏の夜に一番、注意しなければならないのが“温度”と“湿度”。寝室は昼間、出入りすることが少ないので熱や湿気がこもりやすくなります。
そこで、帰宅したらすぐに寝室の扉をはじめ、クローゼットや押し入れ、ベッドの引き出しなどをすべて開けて、こもった熱を逃しましょう。その後に、エアコンを使って部屋を冷やすことで、部屋だけでなく布団や枕にこもった熱や湿気も下げることができます。
エアコンはタイマーを使い、最も眠りが深くなる寝始めの3時間に熟睡できるように整えることが重要です。温度は28℃に設定してエアコンの風が直接、身体に当たらないようにしましょう。もし、エアコンだけでは暑いと感じる場合は扇風機を併用するとよいでしょう。このとき扇風機にもタイマーをかけて身体への直風を避けるようにします。
ただし、熱帯夜のような特に暑い日は、タイマーが切れると暑くて目が覚めてしまい結局、朝まで熟睡できないこともあります。また、熱中症予防のためにも、エアコンをつけたまま寝た方がよいでしょう。そして、身体が冷えすぎないように布団やタオルケット、上着などで調整しましょう。
夏でも湯船につかって深部体温を上げると入眠しやすい
人間は身体の中の温度“深部体温”が下がると眠気を感じるので、熟睡するためには深部体温を下げることが大切です。それにはまず、寝る1時間ほど前にお風呂に入り、できれば夏でも湯船につかって身体を温めましょう。あえて温めることにより、その反動で深部体温が下がりやすくなります。夏はシャワーだけという人もいると思いますが、その場合は、出る前に足首にシャワーをかけて温めると身体全体が温まります。
人間は本来、身体の末端から熱を放出して体温調整をしています。寝苦しい夏の夜はタオルケットなどをはいでしまうことがありますが、足首までおおって寝ることで、足の裏から汗が出やすくなり効率的に深部体温を下げることができるそうです。
それと、熟睡するために大切なのが「寝床内気象」です。寝るときの布団の中の状態を表すことばで、理想的な寝床内気象は温度が約33℃、湿度は50%程度とされています。これは季節を問わず1年を通して同じであると考えられています。理想に近づけるために、夏には夏用の寝具に替えること。寝苦しい夏の夜には通気性が高く、熱を逃す速度が速い素材を使ったシーツなどがおすすめです。
寝るときは頭の上部を冷やしてクールダウンを!
私たちの頭、厳密にいえば“脳”は熱を持っているといいます。近年、スマートフォンなどの普及により、私たちはいつでもどこでも知りたい情報を手に入れることができます。その膨大な情報を処理しようとして脳が熱を持つのだそうです。内臓の深部体温を下げるのと同様に、脳の深部体温を下げることが安眠につながると考えられています。
寝苦しい夏の夜は、保冷剤などを活用して頭を冷やしながら寝るという人も多いかもしれません。これは、脳の熱を冷ますのにとても効果的な方法です。ただし、このとき気をつけたいのが冷やす部分です。耳から下を冷やしてしまうと脳の活動が活発になってしまうため入眠の妨げになると言われています。頭を冷やす場合は頭の半分から上の部分だけにしましょう。
いかがでしたか? 寝苦しい夏の夜は、上記の方法を取り入れて不眠を解消してみてください。
【参考文献】
『今度こそ「快眠」できる12の方法 ぐっすり眠って、すっきり起きよう!』(阪急コミュニケーションズ)
・環境省 COOLBIZL
http://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/coolbiz/office/action_detail_001.html
・NHK 生活情報ブログ
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/165409.html
文/高橋晴美
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高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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