夜中、睡眠の途中で目が覚めてしまったときにやってはいけないこと
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夜、睡眠の途中で目が覚めてしまうことはよくあります。そして一度目覚めてしまうと、再び眠りにつけなくなり困った…なんて経験をされた方も多いでしょう。そんなとき、再び眠りにつくために、”やってはいけないこと”を市川メンタルクリニックの院長で日本睡眠学会認定医の芦澤裕子先生に教えていただきました。途中で目が覚めにくい普段の行動も伺いましたので合わせてチェックしてみてくださいね。
睡眠の途中で目が覚めたときにやってはいけない行動4つ
夜、睡眠の途中で目が覚めて寝付けなくなったとき、やってはいけない行動として、芦澤先生は次の4つを挙げます。
1.時計を見る
途中で起きた際、不眠症の方はたいてい時計を見て時間を確認しているようです。『どれだけ眠れたかしら』『××時間しか眠れていない』『あと○○時間もあるから眠らないと』と頭を働かせて時間を計算し、自分で不安要因を作り出しています。『早く寝ないと』と繰り返し念じることになりますので、頭が冴えてかえって眠れなくなるのは当たり前です。
途中で起きたときはトイレに行くときでも壁時計を見ずに布団に入り、『目覚まし時計が鳴るまで目をつぶってボーっとしてよう」とある意味腹をくくることが大切です。
2.ブルーライトを見る
時間を確認するためにスマートフォンを見る方が多いようです。スマホやPC、テレビなどの画面から発せられるブルーライトは、再入眠を遅らせてしまう可能性があります。またスマホでネットサーフィンなどを始めると脳が活発化し、交感神経が優位となり再入眠が妨げられてしまいます。
3.タバコを吸う
タバコに含まれるニコチンの刺激により寝つきが悪くなります。また喫煙によって、のどのつまり感や咳が出やすいため、再入眠困難、その後の中途覚醒、熟眠障害につながることがあります。
4.飲酒をする
アルコールは寝つきのみよくし、その後の睡眠の質を下げます。よって中途覚醒、熟眠障害が増えてしまい、結果、さらなる不眠を招いてしまいます。
普段の生活で実践! 睡眠の途中で目が覚めないようにする工夫4つ
途中で目が覚めてしまったときにはぜひこれらのことを意識してみましょう。また、もともと途中で目が覚めないようにするには寝る前にトイレに行っておく、水分をとり過ぎないほか、日頃から次のことを行っておくとよいそうです。
1.ブルーライト、飲酒、喫煙を控える
寝る1時間前からはスマホ、PC、テレビを控えましょう。また普段から夜、お酒を飲む、煙草を吸う習慣がある方は、就寝の3時間前までに済ませておくこと。もちろんお酒は適量に、煙草は吸いすぎに注意を。
2.カフェインは夕方以降に摂るのを控える
カフェインを含むコーヒーや紅茶、緑茶などを夕方以降に飲むと、覚醒作用で夜の睡眠に影響を及ぼします。寝つきが悪くなるほか、途中で目が覚めやすくなります。カフェインはできれば夕方以降は控えて、就寝4時間前までにとるようにするとよいですね。
3.昼寝は30分間までを15時までに
昼寝の習慣がある場合は、30分間までを15時までに済ませるようにしましょう。夜の寝つきが悪くなるだけでなく、中途覚醒しやすくなります。
4.普段から身体を動かす・寝る前にストレッチをする
身体が疲れきっていれば深く眠りやすくなり、途中で目覚める頻度も減ります。そのためには日中、程よく身体を動かすようにし、身体を疲れさせることがポイントです。入眠4~6時間前に適度な運動をすることで気分転換ができ、不眠や中途覚醒への不安感も軽減されます。寝る前は軽いストレッチをするとよいでしょう。
夜、睡眠の途中で目が覚めると眠れなくなってしまうという方は、ぜひこれらの対策を実践してみてください。それでも改善しない場合には、専門医に相談するのをおすすめします。
取材協力
市川メンタルクリニック 院長 芦澤 裕子先生
日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会認定医、認定産業医、臨床研修指導医。
筑波大学医学専門学群卒業後、筑波大学附属病院、国立国際医療研究センター国府台病院などでの勤務を経て2016年から市川メンタルクリニックの院長。
https://www.ichikawa-mental.jp
文/石原亜香利

石原亜香利(いしはらあかり)
ライター。主に30~40代のビジネスパーソン向け、美容・健康・ダイエットのジャンルで、多くの記事執筆・取材経験がある。読む人が日常生活の中で、実際に役立てられる企画立案・記事制作を心がけている。
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