更年期にさしかかる40代半ば、不眠を解消し深い眠りを得る方法
COLUMN

40代半ばといえば更年期にさしかかる時期です。更年期症状が現れてくるのが一般的ですが、とくに不眠や浅い眠りを自覚しやすいようです。そこで更年期に不眠や浅い眠りを改善し、できるだけ深い眠りをとる方法を更年期障害に詳しい浜松町ハマサイトクリニックの婦人科専門医・医学博士である吉形玲美医師に話を聞きました。
更年期の不眠や浅い眠りの主な原因は『ホルモン』
――更年期には、なぜ不眠や浅い眠りを自覚する女性が多いのですか?
まだ明確にはわかっていませんが、女性ホルモンが減少することに原因があると考えられています。女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2つがありますが、どちらも眠気を促したり、抑えたりといったように、睡眠中枢に大きな影響を与えています。そのため更年期にさしかかり減少していくにつれ、睡眠に悪影響をもたらすことがあります。
また更年期症状による二次的な不眠もあります。例えば、ほてりや発汗などが夜間に起こることで睡眠が妨げられることがあります。また不安や抑うつなどの精神症状が不眠につながることもあります。
そして眠りと直接関わる、脳の松果体から分泌される「メラトニン」というホルモンが年齢とともに減少することも、更年期に不眠や浅い眠りが起こりやすい原因と考えられます。
更年期に深い眠りを得るには治療・睡眠リズム・朝の日差しなど
――更年期の不眠や浅い眠りを改善して深い眠りを得る方法を教えてください。
・更年期障害を治療する……症状が気になる場合、婦人科でホルモン補充療法などの治療を受けましょう。更年期症状が改善されれば不眠も改善され、しっかりと睡眠をとることができるようになります。すると更年期症状自体も改善していき、好循環になります。
・睡眠リズムを整える……加齢に伴いメラトニンが減少することなどから眠りが短く浅くなりやすくなり、睡眠の質が下がりやすくなります。日中眠くなるのであれば身体に必要な睡眠が得られていないことが考えられます。午後3時頃までなら短時間のお昼寝をすることは夜の睡眠には影響せず、脳のリフレッシュもできるのでおすすめです。
・カフェイン類やアルコールに注意する……眠りを妨げるコーヒーなどのカフェイン類は夕方以降摂らないようにしましょう。またアルコールにまかせた入眠は質の低い眠りにつながり身体によくないため、寝る直前までの飲酒は控えましょう。
・朝に明るい日差しをあびる……朝に明るい日差しをあびると、夜にかけてメラトニン分泌がよくなり、すーっと眠りにつきやすくなります。
・スポーツや趣味を楽しむ……適度に身体を動かしたり、趣味を楽しんだりすることは更年期症状にもいい影響があります。思い切り活動すれば夜の寝つきもよくなるでしょう。
我慢は禁物。気になる場合は婦人科で相談を
――40代半ばの女性で不眠に悩まれている方へ、アドバイスをお願いします。
「更年期にさしかかった40代半ばの世代には、不眠はよく起こります。不眠とともに、月経の変調がある、閉経を迎えたかな?といった症状もある場合は、婦人科で相談してみてください。我慢は禁物です。ホルモン剤や適切な睡眠導入薬の使用も時には必要なことです」
文/石原亜香利
監修: 浜松町ハマサイトクリニック 婦人科専門医・医学博士 吉形玲美医師
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浜松町ハマサイトクリニック 婦人科専門医・医学博士
吉形玲美(よしがたれいみ)
東京女子医科大学医学部卒。同大学非常勤講師。
日本女性医学会認定女性ヘルスケア専門医。生理不順、妊活、更年期など、女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする婦人科医。40代以降の女性の健康の鍵を握る成分として注目される「エクオール」研究の第一人者でもある。
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