睡眠の質を上げるための入浴のコツ
COLUMN

脳が疲れていると十分な睡眠をとったとしても、疲れをとることはできないと言います。その脳の疲れをとるのに最適な場所がお風呂。今、注目の心理療法を活用した睡眠の質を上げる入浴方法を紹介します。
シャワーだけでは身体の疲れはとれていない?!
仕事などで帰宅が遅くなると、湯船にはつからずにシャワーだけで簡単に済ませてしまうという人も多いかもしれません。しかし、そのような方法では、身体の疲れはとれないため、睡眠の質を上げる入浴にはならないと言います。
湯船にゆっくりつかることで、身体の芯から全身を温めることができます。ただし、お湯の温度が高すぎると交感神経が活発になってしまうので、40度ぐらいの温度に調節するとよいでしょう。また、肩まで湯船につかることで浮力により体重は10分の1以下になるため、リラックス効果も高まります。
ちまたで噂の“マインドフルネス”とは!?
テニスのノバク・ジョコビッチ選手やアップル社などの大手企業も社員研修に取り入れていることなどから、欧米を中心に普及しているのが“マインドフルネス”。です。心理療法のひとつで、怒りや不安などで揺れ動く精神を、主に瞑想を行うことで自分の身体や気持ちの状態に気づく力を養い、脳を休めることができると言います。
これまで、集中していない状態の脳は、エネルギーをほとんど消費していないと考えられていました。しかし、実はその状態でも脳全体の60~80パーセントを使っており、それが脳疲労の原因であることが判明したのです。
脳の疲労を取り除き睡眠の質を上げるのに効果的なのが、マインドフルネスを入浴時に行う方法です。
睡眠の質を上げる入浴のコツは呼吸に集中すること!
睡眠の質を上げるのに効果的な入浴時に行うマインドフルネス呼吸は、以下の方法で行います。
①背筋を伸ばして目は軽く閉じる
湯船につかり背中を浴槽につけて背筋を伸ばし体制を安定させる。手は浴槽のふちや太ももの上に軽くのせて、目は軽く閉じる。
②身体の感覚に意識を集中させる
背中やお尻、足の裏など浴槽についている部分に注意を向ける。お湯の感触や水音なども全身で感じてみよう。
③呼吸を意識して数える
身体の感覚の次に呼吸に意識を向ける。鼻から息を吸って鼻から息を吐く。心の中で1から10まで数をゆっくり数えながら呼吸を行う。
途中で雑念が浮かんできても、良い・悪いと判断しないで受け止め、呼吸に意識を戻すようにすれば、それでOK。難しく考えることなく、呼吸に集中する時間を毎日の入浴時に5分、取り入れよう。
湯船につかりながらマインドフルネス呼吸法を続けることで、脳は疲れにくくなると言われています。睡眠の質を上げるために、いつもの入浴時にこの呼吸法を試してみてください。
【参考文献】
・マインドフルネスとは何か?
https://www.motivation-up.com/whats/mindfulness.html
・マインドフルネス入浴法で明日への元気を手に入れよう!
http://www.skincarenista.com/?p=520
『日経ヘルス』2018年1月号(日経BP社)
文/高橋晴美
関連するキーワード

高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
大塚家具のLINE公式アカウント!
続けて読みたい!あなたにオススメの記事