不眠症の原因と対策は? 大人と子どもでどう違う?
COLUMN

不眠症の原因として多いものは、大人と子どもで異なると言われています。まずは大人の不眠症の一般的な原因と対策を確認し、その上で、子どもの不眠症のよくある原因についてみていきましょう。親の立場の方は、子どもに起こりやすい不眠の傾向を知って、ぜひお子さんの不眠症の予防・対策に励んでみてください。
大人の不眠症の原因と対策
不眠症とは、夜になかなか寝つけない『入眠障害』、途中で目が覚めてしまう『中途覚醒』、朝早く目覚めすぎてしまう『早朝覚醒』、ぐっすり眠れない『熟眠障害』などの睡眠にまつわる問題が一ヶ月以上続き、日中の活動に支障が出る病気のことです。
一般的に、不眠症の原因はストレスや身体の病気、心の病気、薬や刺激物、体内リズムの乱れ、騒音や光、温度や湿度などの睡眠環境にあると言われています。
対策には以下が効果的とされています。
・体内時計を整えるために就寝・起床時間を一定にする
・朝起きたら太陽の光を浴びる、適度な運動をする
・ストレス解消法を見つける
・寝る前は副交感神経を活発にして寝入りやすくする
・寝酒をやめること
子どもの不眠症で多いタイプと原因
子どもでも不眠症になりますが、『入眠障害』のタイプが最も多いと言われています。一方、大人、特に高齢者になるほど『早朝覚醒』や『熟眠障害』、『中途覚醒』が多くなると言われています。
そんな子どもの『入眠障害』で最も多いのが『神経生理性不眠』というものだと言われています。これは、不安や悩み、ストレスなどがきっかけになってなかなか寝つけない不眠のことです。
またテレビやゲームなどに夢中になって毎晩夜遅くまで起きているといった生活習慣による『習慣性不眠』も多いと言われています。
こうした子どもの不眠の背景には、親である大人の生活リズムによるところも大きいと言われています。例えば、親が宵っ張りで夜寝るのが遅いなどです。
子どもの不眠症を放っておくと、気力や意欲が低下したり、イライラ、抑うつ感がでたり、感情のセルフコントロールがしにくくなったりする原因になり得るとも言われています。
子どもの不眠症の対策は?
子どもの『神経生理性不眠症』を治療する場合、睡眠薬はあまり使用せず、生活習慣を見直して工夫することで正しい睡眠・覚醒リズムを身に付けさせるのが一般的だと言われています。
ただし重度の場合、睡眠薬や入眠薬が使用されることもあります。また、カウンセリングや心理療法もよく行われています。
もし自分の子どもが精神的なことや生活習慣の乱れが原因で不眠気味の場合には、精神的な原因を見つけ解決へと導きつつ、生活リズムを整え、規則正しい生活や運動、食事への配慮をすることが親としてできることだと言われています。
また脳の病気や睡眠時無呼吸症候群、小児うつ病などの病気が原因であることも考えられるため、原因は早期に限定せず、正確にとらえることも重要です。
大切なのは、子どもはまだ自分をコントロールする力が大人よりも弱いことをよく理解し、親が生活習慣をサポートしてあげることです。朝、一定の時間に起こして太陽の光をしっかり浴びさせ、朝ごはんを食べさせる習慣づくりにより、子どもの心身の健康や不眠症予防・対策につながります。
まとめ
子どもに多い不眠症のタイプや原因は、大人と少々異なることがわかりました。子どもを持つ親としては、子どもが不眠症にならないようにうまく規則正しい生活習慣をサポートしてあげる必要があります。また、子どもが不眠に悩んでいるようであればいち早く察知して、対策をとってあげましょう。
参考文献
・『気づいて!こどもの心のSOS こどもの心の病全書: こどもの心の病全書乳幼児、小学生、中高』(VOICE INC.)
・新橋スリープ・メンタルクリニック「精神生理性不眠症」
http://sleep-mental.com/index14.html
・e-ヘルスネット「不眠症」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
・スイミンネット「睡眠障害の原因」
http://www.suimin.net/step1/cause/
文/石原亜香利
関連するキーワード

石原亜香利(いしはらあかり)
ライター。主に30~40代のビジネスパーソン向け、美容・健康・ダイエットのジャンルで、多くの記事執筆・取材経験がある。読む人が日常生活の中で、実際に役立てられる企画立案・記事制作を心がけている。
大塚家具のLINE公式アカウント!
続けて読みたい!あなたにオススメの記事