肥満につながるだけではなかった! よく眠れない理由は“夜食”にあり!?

肥満の原因になることが分かっていても、夜遅くまで起きているとついつい食べたくなってしまうのが夜食。空腹が我慢できずに昨夜も!という人は多いのではないでしょうか。でもそれが、よく眠れないなど睡眠に悪影響を及ぼしているとしたら……。今回は誰もがしてしまいがちな“夜食”について深堀りします。
日本人の腸は欧米人よりも長く肉の消化には不向きだった!?
空腹を我慢して布団に入るよりもお腹が満たされていた方が、すぐに眠りにつくことができ、ぐっすり熟睡もきるのでるのではないか。そう思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、その思い込みが、よく眠れない理由なのかもしれません。
夜は内臓の機能が低下するため、夜食を食べることで胃腸に負担がかかることになります。通常、食べたものが消化されるには約3時間(食材により異なる)かかると言われているので、理想としては布団に入る3時間前までには、食事は済ませた方がよいとされています。
また、夜はエネルギー消費が少ないので、特に牛肉や豚肉などの脂肪類の消化は遅れると言われています。日本人の食生活は50~60年前と比べて大きく変化しており肉食が増えていますが、肉が好きだからといって遅い時間に食べれば、たちまち肥満へとつながりかねません。
しかも、日本人の腸は、欧米人に比べて約1.3~2倍も長いことがわかっています。これは、もともと日本人は、野菜、穀物、木の実を中心とした食生活を送ってきた農耕民族であったからだと考えられています。肉食中心の狩猟民族であった欧米人とは異なるため、そもそも、日本人の腸は肉を消化するのにはあまり向いていないのだそうです。
よく眠れない原因は、もしかしてその“夜食の食材”にあり!?
常備されていていつでも食べられる手軽さから、夜食にはインスタント食品やレトルト食品、あるいはスナック菓子を食べてしまいがちに。しかし、このような加工食品には“リン酸塩”という保存料が多く含まれているものもあるようです。リン酸塩は亜鉛の吸着とカルシウムの体内の蓄積を妨げるので、長期にわたって食べ続けると、イライラしたりよく眠れないといった状態が起こることもあるそうです。
それだけではなく、加工食品は塩分が多くなりがちなので、夜食に食べると寝ている途中で喉が渇いてしまい途中覚醒になることもあるようです。
どうしてものときのために、夜食に向く食材を知っておこう!
必ずしも、夜食そのものが悪いわけではないようです。胃が空っぽの状態では脳に血液が多くいってしまうため、かえって睡眠の妨げになり、よく眠れない状態になると言われています。“適度な夜食”をとることで、眠りに入りやすくなる面もあるそうです。
しかし、お腹が空いて夜食をどうしても我慢できないときでも、油っこく脂質を多く含むようなファストフード、揚げ物、ラーメンなどのメニューは、できるだけ避けましょう。
低カロリーで低脂質、低炭水化物で、消化のいい良質なたんぱく質を含む、かまぼこ、豆腐、納豆、野菜、おでんなど、消化吸収のよい食材をとるように心掛けましょう。
よく眠れないからといって寝る直前に夜食を食べなくても済むように、夜型生活を改めてできるだけ早寝早起きの習慣をつけることが望ましいですね。
【参考文献】
・『税所式 日本人のための睡眠雑学100 すぐ寝られる!よく眠れる!すっきり起きられる!』(講談社)
・「ビジネス・ジャーネル」http://biz-journal.jp/2017/02/post_18124_2.html
文/高橋晴美
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高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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