1分で寝落ち!? いい睡眠を引き寄せる“深呼吸”
COLUMN

ダイエットに効果が高い健康法として一時期、話題となった”深呼吸”。実は、寝る前に行うと寝つきもよくなると言われています。深呼吸のメリットやその方法など、いい睡眠を引き寄せる注目のテクニックを紹介します。
浅い呼吸の“胸式呼吸”と深い呼吸の“腹式呼吸”
普段、私たちは無意識に呼吸をして酸素を体内に取り入れていますが、実は呼吸の仕方には大きく分けて2種類あります。ひとつが、浅い呼吸の“胸式呼吸”、もうひとつが深い呼吸の“腹式呼吸”です。
【胸式呼吸】
・肺を動かす
・急速に酸素の取り込みが行える
・交感神経が刺激され、脳や体の覚醒を促すことができる
【腹式呼吸】
・横隔膜を動かす
・少ない呼吸数で酸素を体内に多く取り入れる
・副交感神経を刺激し、リラックス効果を与える
・肺や心臓の負担が減り、血圧を抑える効果がある
・生体機能を整え全身の血行促進につながる
一見すると胸式呼吸にはメリットが少ないように思えますが、交感神経を刺激することで一種の興奮状態になり、身体に刺激を与えることで筋肉などの活性化につながると考えられています。
ストレス社会と呼ばれる中で生活している現代人は、緊張状態が続く中で、知らず知らずのうちに浅い呼吸である“胸式呼吸”が習慣化されてしまう傾向にあると言われています。特に、腹式呼吸を意識的に行うアスリートなどは例外として、一般的に女性は子宮を守るという本能から胸式呼吸になりやすい傾向にあると言われています。意識的に腹式呼吸を行うことで、交感神経から副交感神経に切り替えることができ、全身の筋肉がほぐれて精神が安定し、心身共にリラックス状態に導くことができるようになるのです。
では、いい睡眠に導くには、どのような呼吸法が有効なのでしょうか?
約1分で寝落ち!?“4-7-8呼吸法”でいい睡眠を手に入れよう
入眠に時間がかかるという人にお薦めなのが、リラックスするための腹式呼吸・“4-7-8呼吸法”です。これは、アリゾナ大学医学部の教授で、薬用植物の世界的権威であるアンドルー・ワイル博士が考案したもの。ヨガの呼吸法をベースにした方法で、提唱者のワイル博士によれば、どんなに気分が高ぶっていても1分以内に眠ることができるのだとか。また、朝晩の2回ずつ訓練しておくとさらに素早く入眠できるようになると言います。布団に入ってからすぐに寝つくことができれば、いい睡眠がとれそうですね。
【4-7-8呼吸法のやり方】
1 口を閉じ、4つ数えながら鼻から息を吸い込む
2 7つ数えながら息を止める
3 8つ数えながら口から息を吐ききる
上記3項目を1サイクルとして、3回繰り返すと約1分で完了します。
誰でもすぐできる“4-7-8呼吸法”のポイント
“4-7-8呼吸法”のポイントは、まず、舌の先を口内上側に当てておくこと。息は静かに鼻から吸い込むこと。吐き出すときは、「フーッ!」と勢いよく。この3点を意識することで、より深い呼吸が可能になります。布団に横になってから、すぐに眠ることができるようになれば、睡眠の満足感もUPするはず。誰でもできる“4-7-8呼吸法”を取り入れることで、いい睡眠が期待できそうです。
“4-7-8呼吸法”には、まだ研究例はないのですが、4・7・8という不規則なリズムで呼吸することで呼吸のスピードがゆっくりとなり、また、呼吸だけに意識を集中させることができるため雑念が消えて、すんなりと眠りにつくことができるのだと言われています。
いい睡眠をとりたい!と、お悩みの方。お金も時間もかからないシンプルな深呼吸を試してみてください。
【参考文献】
お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術 森下克也(角川マガジンズ)
・ストレスが溜まったら深呼吸! 深呼吸がもたらす10の効果とは?
http://www.career-rise.info/blog/breathe-deeply/
・nikkei BP net簡単に心を落ち着かせる4・7・8呼吸法
http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090428/149839/
文/高橋晴美
関連するキーワード

高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
大塚家具のLINE公式アカウント!
続けて読みたい!あなたにオススメの記事