本当に枕は必要? 自分に合った枕を選んで快眠を手に入れる!

理想的な枕になかなか巡り合えないことから、枕を使わずに寝ている人も少なくないようです。枕は睡眠の質を大きく左右する大切なグッズのひとつです。枕の必要性などを再確認して自分に合った枕を見つけましょう。
人間だけが使う枕……そもそも寝るときに枕はなぜ必要なの?
皆さんは人間以外で頭部の下に物を置いて寝る動物を見たことがありますか? まれに室内飼いをしている犬が、クッションの上に頭を乗せて寝ている姿を見かけることがあるかもしれませんが、毎回、クッションを自分で引き寄せて寝ているということはないでしょう。人間以外の動物は枕を使いません。人間の場合は、進化の過程で頭脳が発達したことで頭が重くなり、その頭を支える道具を使うことで、楽に眠れるようになったことを経験的に習得したのではないかと考えられています。
さらに、構造上から見た場合、人間の脊柱は側面から見ると連続したS字状にカーブしています。この形状が重い頭や体重を支えるのに、最も無理のない楽な姿勢をつくります。寝ている間もこの自然な姿勢を保つために、頭が前に出ようとします。これによりできた頸椎(頭を支える7つの首の骨)と敷布団とのスペースに枕を当てて埋めることで、S字カーブに近い自然な状態に近づけることができるのです。
自分に合った枕の高さの目安はどのくらい?
枕の役割は寝ているときに、敷き布団と頭部・頸部の間にできるすき間を埋めることですが、このすき間が埋まれば、どのような枕でもよいというわけではありません。
自分に合った枕を選ぶには、まず、枕の“高さ”が重要です。大柄・小柄、太っている・痩せている、首のカーブが深い・浅いなど、体型によって適した枕の高さは異なります。リラックスした自然の姿勢が取れるよう、敷き布団と頭部・頸部の間にできたすき間をきちんと埋めてくれる高さで、おおよその目安は体格により2.5~5㎝くらいの幅があります。
自分に合った枕であれば、スムーズに寝返りをうつことができます。
睡眠の質を高めるおすすめの枕の素材は?
自分に合った枕を選ぶには、枕の“高さ”の他に、どの素材のものを選ぶかも大切です。素材は個々の好みになりますが、それぞれの素材のメリットとデメリットを調べてみました。
【ヒノキなどの自然素材】
ほのかに漂うヒノキの香りは、リラックス効果が高く睡眠の質を高める効果が期待できる。また、ヒノキなどの自然素材は湿気を吸い取る働きがある。その反面、素材が硬いので寝心地が気になるという人もいる。
【低反発ウレタン枕】
頭や首がフィットしやすくやわらかいので、寝心地がいいと感じる人が多い。その反面、汗を吸収しにくいので、夏は蒸れやすく冬は枕が硬くなりやすい。
【羽根枕】
汗を吸収し湿気も飛ばしてくれるので蒸れにくく軽くてやわらかい。その反面、羽毛の骨部分が尖っているため、ときどき枕から飛び出すことがある。
【そば殻枕】
吸収性と通気性が高い。その反面、湿気が多いとカビやすく、そばアレルギーの人は使用できない。
硬さ、香り、音などが自分の好みに合っていることがポイントです。購入前によく吟味して、自分に合った枕で安眠を手に入れましよう。
【参考文献】
『枕と寝具の科学』(日刊工業新聞社)
・みんなの睡眠.com
http://xn--q9ji3c6d1826bela.com
・ロフティー 枕の基礎知識
http://www.lofty.co.jp/kisokoza/
文/高橋晴美
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高橋晴美(たかはしはるみ)
フリーランス編集ライター。食と健康・旅をテーマに執筆。
主に、旭屋出版 日経BP社 夕刊フジ JTBパブリッシングの月刊誌およびMOOKSなどの編集記事・広告を担当。(株)スミフルジャパンのバナナソムリエ。ベジフルティーチャー。
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