寝言があるのは、よく眠れない証拠?
COLUMN

寝言が多いと、「よく眠れないのでは?」「心や身体に問題がある?」と思ってしまいそうです。寝言とは、どのようなものでしょう。そのメカニズムを解説します。
自然な現象で、成長とともに減っていく
そばで眠っている家族がはっきり話をするのを聞いてドキッとしたり、逆に、「あなた、寝言が多かった」と言われて気まずい思いをしたりしたことはありませんか。寝言は誰もが経験する自然な現象です。
子どものころに多く見られますが、成長とともにだんだんと減り、25歳を過ぎるとほとんどなくなると言われています。遺伝が多少関係していると考えられ、女性よりも男性に多いようです。
寝言は、睡眠の種類によって違ってきます。
■レム睡眠のとき(身体は休んで脳が活動している)
・脳が活発な状態になって身体が上手く動かせない状態なので、ごにょごにょした言葉ではっきり聞き取りにくい
・夢の内容と関係があるものが多い
■ノンレム睡眠のとき(身体も脳も休んでいる)
・日常生活での出来事に関係していることが多い
・夢の内容とはあまり関係していない
寝言が増えて、よく眠れないなら要注意
上記のような寝言なら特に心配はなく、「寝言があるのはよく眠れないことが原因?」と不安に思う必要もありません。しかし、次のようなときの寝言は注意したほうがよいでしょう。
■ストレスが多い
ストレスが増えるにしたがって、寝言の量や長さが増える傾向があります。「寝言が増えてよく眠れない」と思ったら、ストレスが原因かもしれません。
■高熱が出た
インフルエンザなどで高熱が出ると、うなされるような寝言がよく見られます。ただしこの場合、寝言というよりも熱にうかされて無意識に発する「うわごと」に近いものです。
病気が隠れている場合も。心配なら受診を
寝言には、病気が隠れている場合もあります。「いつもの寝言と違う」「寝言を発しながら、身体がつらそう」というときは気をつけてください。
■睡眠時無呼吸症候群
はっきりした言葉ではなく、うめき声やあえぎ声が多いです。よく眠れない状態でいびきや呼吸停止を伴っているときは、この病気の可能性がゼロではありません。
■レム睡眠行動障害
夢の中の動きをそのまま現実世界でもやってしまう症状で、寝言も夢と同じ内容を発言します。
■ナルコレプシー
感情的な内容の寝言で、悪夢でうなされることが多くあります。
■夜驚症
子どもに多く見られ、夜中に突然大きな声や悲鳴をあげて目覚めます。脈拍が速くなったり呼吸が荒くなったりすることも。
「寝言が多くて心配」「聞かれて恥ずかしい」といったことで「寝言をどうにかしたい」と思っているなら、まずはどのような寝言なのか、その原因は何なのかを知ることが改善の近道かもしれません。寝言には上記に紹介したようにさまざまな種類があり、それによって原因や解決法は異なります。たとえば強いストレスがあるなら、軽減させる方法を考えたり、誰かに相談したりすることも必要です。
「寝言が病気につながっているかも」「寝言が多くなり、よく眠れない」などと不安な場合は、睡眠外来など睡眠に詳しい医師を受診すると安心です。
参考文献
・All About「寝言が多い、ひどい」のは病気?見分け方と対処法」
https://allabout.co.jp/gm/gc/384433/
・Hapila「寝言の原因とは?ストレスや病気との関係性って?」
https://hapila.jp/cause-sleep-talking
・せせらぎメンタルクリニック「「寝言が多い」にはどのような意味があるのか。寝言の原因と改善法」
http://seseragi-mentalclinic.com/sleep-talking/
文/内藤綾子
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内藤綾子(ないとうあやこ)
東京出身。保険会社でOLを経験したのち、編集プロダクションに転職してライター業をスタートさせる。
出産を機にフリーとなる。ビジネス、家庭、健康、育児、教育に関連する記事を雑誌やWebで執筆するほか、書籍の企画・構成なども行う。
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