質のよい睡眠で美肌に!ゴールデンタイムの新常識とは?

「最近肌の調子が悪い」「目の下のクマが消えない」「朝起きても疲れがとれない」−−。そんなみなさん、しっかりと質のよい睡眠はとれていますか?
美肌は寝ている間に作られます。しかも寝入りから最初の3時間が肌の新陳代謝を促すピークの時間帯なのだとか。その時間帯に質のよい睡眠がとれれば、高価な美容液を使わずとも美肌をキープできるといいます。そこで、肌のゴールデンタイムについて「成城松村クリニック」の松村圭子院長にお話いただきました。
美肌には高価な美容液よりも質のよい睡眠が効果的?!
人間の肌は寝ている間に日中に受けたダメージを修復し、再生します。つまり、眠ることで高級な美容液を使わなくてもタダで美と健康を手に入れられるわけです。
そして、肌を再生してくれるのが「成長ホルモン」です。成長ホルモンとは脳下垂体で作られている物質で、身体の中のさまざまな機能をコントロールする大切なホルモンです。
細胞の修復やたんぱく質の合成、新陳代謝の促進など、肌の再生に関することはもちろんのこと、身長を伸ばしたり、筋肉を発達させたり、身体にある物質をエネルギーとして使える物質に変えたりする働きがあり、子どもから大人まで生きていく上で欠かせないものです。そして、この成長ホルモンが深い眠りの際に大量に分泌されることから、「お肌のゴールデンタイム」という言葉が生まれたわけです。
しかしながら、美容にも欠かせないこの成長ホルモンの分泌は、加齢とともに低下していきます。ピークは10代で、そのあとは緩やかに低下し、30代〜40代では50%、60代では30%くらいの分泌量になります。
また、睡眠を促進するメラトニンというホルモンも重要です。成長ホルモンの分泌はメラトニンによっても促されるからです。メラトニンは朝日を浴びた約14時間後に分泌が増加すると言われています。
つまり、朝7時に起きると、21時頃から分泌され、そこから約2~3時間後、23~0時頃に分泌量がピークになります。成長ホルモンが大量に分泌されるのが寝入りから約3時間ですから、ふたつのホルモンの分泌が重なる時間帯に眠ることが大切です。つまり、23時〜2時頃が肌のゴールデンタイムと言えるのです。
朝7時に起きる方は22時頃から入眠モードに切り替えるのがベストですね。以前は22時〜2時が肌のゴールデンタイムと言われていましたが、さまざまな研究で、時間よりも寝入りに深い睡眠をとることが大切ということがわかってきました。
肌のゴールデンタイムとは?
・成長ホルモンが大量に分泌されるのは寝入りから3時間
・メラトニン分泌が最大になるのは目覚めた時間から約14時間後
・朝7時に起きる人の肌のゴールデンタイムは23~2時
質のよい睡眠のために日中にすべきこと
ご紹介した考えでいうと、寝入りからすぐに深い眠りが得られなければ意味がありません。
23時に必ず寝なきゃ!と眠くないのに焦って無理にベッドに入っても浅い眠りになってしまい、成長ホルモンが分泌されません。質のよい睡眠を得るためには日中の過ごし方が重要になってきます。
眠りの準備は朝から始まっています。朝は決まった時間に起きること。朝ごはんをきちんと食べて、日中はよく身体を動かし、筋トレなどの運動で身体を適度に疲れさせることです。そして、入眠の2〜3時間前には夕食を済ませて風呂に入り体温を上げます。上がった体温が下がることで眠気が訪れるので、お風呂は入眠の1時間くらい前に済ませておくのがベストです。
また、ちゃんとパジャマを着ることも大切です。睡眠時には血流を促すために20〜30回ほど寝返りをうつと言われているので、きちんと寝返りがしやすく工夫されたパジャマを着て寝ることで、より質のよい睡眠が得られます。寝る前にスマホやテレビを見ることも睡眠の質を低下させます。寝酒やカフェインの摂取も眠りを浅くしてしまうのでよくないですね。
食事や生活のリズムを整えて質のよい睡眠をとるだけで、年齢を重ねても美肌がキープできると思えば頑張る価値がありますよね。
美肌のための睡眠のポイント
・朝は決まった時間に起きる
・朝ごはんをきちんと食べる(糖質、たんぱく質、食物繊維をバランスよく)
・15分程度のストレッチや筋トレをする
・午後3時までの10~20分程度の昼寝をする
・睡眠前の入浴で体温を上げる
・寝る前のスマホやテレビは控える
・寝る前のお酒やコーヒーなどは控える
・パジャマに着替えて寝る
プラスアルファでもっと質のよい睡眠を
睡眠の質が上がれば、肌の新陳代謝は促進されます。ただし、美肌には乾燥は大敵です。30歳を過ぎると皮脂の分泌も低下してくるので保湿が何よりも大切です。乾燥は肌老化の原因。保湿をきちんとすることでターンオーバーも促されるので、寝るときには加湿器を使用するとよいでしょう。昔と違って夏でもエアコンで乾燥しがちになるので、季節を問わず一年中保湿を心がけることをおすすめします。
また、質のよい睡眠がとれないと、副交感神経が優位にならずリラックスできないので、血行が悪くなり、クマもできてしまいます。茶グマも青グマも結局は睡眠不足が原因ですから、クマのないイキイキとした美肌のためにも深い眠りができるように生活リズムを整えてくださいね。好きな香りのアロマやシルクの枕カバーなど、自分の心が豊かになるようなアイテムを取り入れることもおすすめですよ。
いかがでしたか? 深く眠れて肌のゴールデンタイムが得られるように、毎日の生活リズムを規則正しく過ごしたいですね。松村先生によれば、日本の40代女性は世界で一番睡眠時間が少ないそうです。
家事に育児に仕事に、忙しくて眠れない世代かとは思いますが、もっと男性の協力を得て睡眠時間をキープして、美しい肌で歳を重ねたいものですよね。
取材・文 横田可奈
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成城松村クリニック 院長
松村圭子(まつむらけいこ)
成城松村クリニック院長。日本産科婦人科学会専門医。大妻女子大学非常勤講師。
女性にとって身近で相談しやすい、かかりつけ医院を目指して、2010年に世田谷区にクリニックを開院。
著書に『10年後もきれいでいるための美人ホルモン講座』(永岡書店)、『40歳からの女性の不調にやさしく効く漢方の本』(日東書院本社)など多数。
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