休日の寝だめは、効果ある? 逆効果?
COLUMN

寝不足がつづくと、休日くらいはゆっくり眠りたいものですよね。明日からがんばるためにも、ついつい昼までだらだらと寝てしまう……。そんな寝だめは、実は、おすすめできません。
一方、休日の眠りが効果的になる『補充睡眠』という考え方もあります。さて、その方法とは?
寝だめしたのに、ツライのはなぜ?
睡眠不足を補うために、多めに睡眠をとっておくという、寝だめ。理想的な睡眠のリズムから考えると、その効果は期待できず、良い習慣ではないと言われています。
そもそも、私たちの体内時計は、朝、光を浴びることで活動モードのスイッチが入り、一定の時間(14~16時間)が経つと、睡眠モードへと切り替わります。もし、だらだらと昼まで眠ってしまうと、この体内時計のリズムを崩すことに。夜は眠りにくく、翌朝は起きるのがツライ……ということになりがちです。
さらに、眠りの深さは、入眠後の3時間が一番深く、その後、90分ごとの睡眠サイクルが進むごとに、浅くなる傾向があります。だらだらと長く眠れば眠るほど、浅い眠りがつづくことに。結果、起きてもスッキリしないで、寝すぎて眠いという状態に陥りやすいそうです。
有効な寝だめと逆効果な寝だめ、2つのタイプがある!
寝だめが有効かどうかは、そのとり方によって変わってきます。一つ目は、睡眠を先にまとめてとって、その分、長時間起きておこうとする『先取り睡眠』タイプ。例えば、「明日は仕事で徹夜になりそうだから、今日は半日寝ておこう」というものです。
これは、先述の『だらだらと昼まで眠る』のと同じで、寝たはずなのにスッキリしない状況を招くことに。結果、体内時計も崩してしまうので、おすすめできません。
もう一つは、普段十分に睡眠がとれていないため、週末などにまとめてとろうとする『補充睡眠』タイプ。睡眠不足がつづくと、慢性的に自律神経が緊張し、頭痛やめまいなどが起こりやすくなるそうです。『補充睡眠』は、このような緊張を緩和するリラクゼーション効果があり、有効と言われています。
『補充睡眠』も、上手にとらないと効果が台なしに。
気をつけておきたいのは、『補充睡眠』もとりすぎると、『先取り睡眠』と同様に、だらだら睡眠になってしまうこと。寝過ぎないように注意が必要です。例えば、普段4〜5時間ほどしか睡眠をとっていない場合なら、起床時間を3時間遅らせて、7~8時間しっかりと眠ると良いそうです。
一方、起床時間は普段通りに設定して、3時間ほど早く眠りにつくという方法も。体内時計を整えるためには、起床時間を固定する方が良いと言われているので、こちらの方がおすすめです。
どちらにしても、『補充睡眠』は、睡眠が足りてない場合の応急処置。慢性的に睡眠が足りていないと感じている方は、自分に必要な睡眠時間を確保できるよう、生活習慣を見直す工夫をすることが大切です。
【参考文献】
「お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術」(角川SSC新書)
文/武田明子

武田明子(たけだあきこ)
フリーランスのコピーライター。
広告制作会社でコピーライターとして企業の商品・サービスのプロモーションに携わった後、出産を機にフリーランスへ。医療・美容系をはじめ、ママ向けからビジネス系まで多様なジャンルのコンテンツを制作。
読む人に伝わる、わかりやすい執筆を心がけています。最近の楽しみは、iPhoneのアプリを使って睡眠の質を“見える化”すること。翌朝いいデータが取れていると、ぐっすり眠れた感がアップします。
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