寝不足は仕事の敵! 忙しい人こそ、スリープマネジメントのススメ
COLUMN

仕事で徹夜することが武勇伝として語られていたのは、今は昔。最近は、翌日の仕事のパフォーマンスを上げるためにも、睡眠をしっかりとマネジメントすることが必須という認識が広がってきています。その理由とは?
脳の疲れを取りのぞけるのは、睡眠だけ!
睡眠は、身体だけでなく、脳の疲れをリセットするためにも欠かせないものです。
そして、身体の疲れは、マッサージをしたり横になったりして軽減することができますが、脳の疲れは睡眠でしか回復できないとか。脳が疲れてくると脳内にたまってくる催眠物質『アデノシン』を取りのぞくことができるのは、睡眠だけなのだそうです。
脳に疲れがたまったまま、寝不足でムリをして仕事をしても効率は上がりません。「徹夜するほどがんばった」「寝る時間がもったいない」といった考え方はやや時代遅れ。脳のパワーをフル活用して仕事のパフォーマンスを上げるには、寝不足にならないよう、睡眠をしっかりとマネジメントすることが大事なのです。
まず、1日のスタートは、朝ではなく夜だと考えてみてはいかがでしょう。はじめよければ、終わりよし。ぐっすり眠っていいスタートがきれれば、その一日をパワフルに過ごせるはずです。
寝不足はNG。スリープマネジメントは、リスクマネジメント!
寝不足になるとミスが増えるのは、多くの方が経験したことがあると思います。ある実験では、睡眠時間が4時間で慢性的な睡眠不足になっている人、8時間睡眠の人それぞれに同じ作業をしてもらったところ、ミスの回数は4時間睡眠の人が多く、その差は約6倍だったそうです*。
チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故、スペースシャトル チャレンジャー号の爆発事故では、スタッフのシフトワークや寝不足による注意力低下が一因だったそうです。バスやトラックの運転手のオーバーワークが事故を招いたと推測されるニュースも、最近よく耳にします。
16時間眠らずに働き続けると、酔っぱらっている状態と同じになるとも言われています。オーバーワークで仕事をしなくてはならないときは、疲れを感じたら少しでも寝ることが、リスク管理という面からも大切だということを覚えておきたいですね。
*『ぐっすり眠りたければ、朝の食事を変えなさい』(PHP研究所)より
スリープマネジメントは、ライフマネジメント!
ただ、睡眠の大切さは理解しているものの、忙しくて睡眠時間を確保するのがむずかしいという方も多いのではないでしょうか。オーバーワークを減らす努力とともに、限られた時間の中でも満足度の高い睡眠がとれるように、生活習慣を工夫してみることをおすすめします。
例えば、せっかく床に入ったもののなかなか入眠できないと、それだけ睡眠時間を削ることになります。スムーズに眠りにつけ、さらに眠りの質を高められるよう、就寝前の生活習慣をマネジメントすることも大切です。
仮眠をとるなら15時までに20分程度で。カフェインが入ったコーヒーなどは就寝の4時間前までに。夕飯や飲酒は3時間前までに。入浴は1時間半ほど前にぬるめの温度で20~30分ほどがおすすめです。入眠後もぐっすりと眠ることできるように、枕や寝具などが身体に合っているか見直してみるのも一つの手。ぜひ、寝不足を解消し、質の高い眠りを手に入れる生活習慣をマネジメントしてみてください。
【参考文献】
『9割の不眠は「夕方」の習慣で治る』(SB新書)
『なぜ一流の人は「眠り」にこだわるのか?』(すばる舎)
『快眠のための朝の習慣・夜の習慣』(だいわ文庫)
『8時間睡眠のウソ。』(日経BP社)
『ぐっすり眠りたければ、朝の食事を変えなさい』(PHP研究所)
文/武田明子

武田明子(たけだあきこ)
フリーランスのコピーライター。
広告制作会社でコピーライターとして企業の商品・サービスのプロモーションに携わった後、出産を機にフリーランスへ。医療・美容系をはじめ、ママ向けからビジネス系まで多様なジャンルのコンテンツを制作。
読む人に伝わる、わかりやすい執筆を心がけています。最近の楽しみは、iPhoneのアプリを使って睡眠の質を“見える化”すること。翌朝いいデータが取れていると、ぐっすり眠れた感がアップします。
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