返事をしてはいけないの!? 寝言のヒミツ
COLUMN

子どものころ、親や兄弟から「こんな寝言を言っていたよ」と指摘され、恥ずかしかったり、不思議に思ったり、そんな経験はありませんか?
大人になっても、時々寝言が出るという人もいるかもしれません。
この寝言、一体どんな現象なのでしょうか? その不思議に迫ります。
寝言が出るのは眠りが浅いとき
寝言とは、「睡眠中に発せられる言葉」のこと。傾向としては子どもに多く、女性より男性のほうが多い、遺伝的な要素も含まれる、などと言われています。
寝言自体は異常行動ではなく、誰でも時々発することがあるようです。
ではどんなときに発するものなのでしょうか?
まず睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠に分かれます。
レム睡眠は、脳は活動しているけれど、身体は寝ている状態。脳は記憶の整理や固定などを行っており、この間に夢を見ることも多いです。
ノンレム睡眠は、脳も身体も寝ている状態で、眠りの深度によって、軽い眠りから深い眠りまでの4段階に分けられます。
寝言を発しやすいのは、レム睡眠時と、ノンレム睡眠時のなかでも軽い睡眠である1、2段階目だそうです。
ハッキリした寝言はノンレム睡眠時、むにゃむにゃと不明瞭な寝言はレム睡眠中に出現しやすいと言われています。
通常なら、寝ている間に言葉を話すと、筋肉からの刺激が脳に伝わって目覚めてしまいます。でも、寝言を言っている人は、この覚醒機能が少し弱くなっていることが多いのだとか。
そのため、「寝言に返事をしてはいけない」という説は全くの迷信。浅い眠りのときが多いとはいえ、寝言を言っている人に自覚はなく、返事をしても聞こえていないからです。
寝言が睡眠障害や精神疾患の合図のときも
健康な人でも、ストレスが強いときは寝言が多くなると言われています。
ただ、もともと寝言を言うことがなかった人が、突然頻繁に寝言を言うようになったら要注意。
睡眠が浅くなっているとか、異常な睡眠によるものかもしれないからです。
例えば、睡眠時に無呼吸になり眠りが浅くなる「睡眠時無呼吸症候群」、突然発作が生じて眠ってしまう「ナルコレプシー」という疾患などの可能性もあります。
これらが原因で寝言を発しているようなら、適切な治療を行うことが必要となってきます。
寝言は恥ずかしい……その対応策は?
疾患が原因でなくても、パートナーなどに指摘され、「寝言を止めたい」なんて人もいるでしょう。
予防策としては
・寝る直前に刺激の強いテレビを見たり、ゲームをしたりすることは避ける。
・ストレスを溜めないよう趣味やスポーツで気分転換をはかる。
・心身ともにリラックスして眠りに入るようにする。
などがあります。
普段から寝言が多いことを気にされている方は、これらを意識してみてはいかがでしょうか。
たかが寝言、されど寝言。寝言が疾患の合図になることもあるのは驚きでしたね。
さらにはストレスが溜まると寝言も多くなるということ。
「寝言、増えたかな?」と思ったら、まずはストレスの原因を取り除くようにし、睡眠環境を整えて、深い眠りが得られるようにしましょう。
【参考文献】
「眠る前5分間エクササイズで快眠生活」(実業之日本社)
せせらぎメンタルクリニック
http://seseragi-mentalclinic.com/sleep-talking/
文/阿部桃子
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