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睡眠の悩みがあるとき、睡眠改善薬を気軽に使っていい?

ドラッグストアで売られ、簡単に手に入る睡眠改善薬。「病院へ行くほどではないけれど、睡眠の悩みがある」といったとき、頼りたくなります。睡眠改善薬の正しい使い方について、月に500人以上の不眠患者を診察するスリープ&ストレスクリニックの林田健一院長に聞きました。

睡眠改善薬と睡眠薬、どう違うの?

──睡眠改善薬とは、どのようなものでしょうか。

ドラッグストアで販売されているのが睡眠改善薬です。「睡眠薬が簡単に手に入る」と思っている人がいるかもしれませんが、病院で処方される「睡眠薬」とはまったく異なる薬だということを覚えておいてください。

──睡眠改善薬の成分を教えてください。

睡眠改善薬は、ほとんどが「塩酸ジフェドラミン」という成分を主としています。塩酸ジフェドラミンは、覚醒作用をもたらすヒスタミンという脳内物質をブロックする作用があります。

主に総合風邪薬や鼻炎薬などに含まれる成分で、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を和らげます。風邪薬や鼻炎薬を服用したあと、眠くなった経験はありませんか? この眠気こそ、塩酸ジフェドラミンの仕業。本来は風邪薬や鼻炎薬の「除去したい」と思われる副作用なのですが、それを利用してつくられたのが睡眠改善薬というわけです。

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──睡眠薬と区別しづらいかもしれません。

睡眠薬には、塩酸ジフェドラミンのような抗ヒスタミン成分は入っていません。「向精神薬」に属する薬で、大脳に直接作用して眠気を誘います。より睡眠改善に特化して効果が高いのが睡眠薬。睡眠改善薬と睡眠薬は作用がまったく違い、「睡眠薬の作用が弱いもの=睡眠改善薬」ではないので注意しましょう。

一時的な緊急処置に適した薬。継続的に使うのはNG

──睡眠改善薬は、どのようなときに使うとよいでしょう。

「なかなか寝つけない」「眠りが浅い」などといった睡眠の悩みがあり、「忙しくて病院に行く時間がない」という場合の緊急処置として使ってみてください。

ただし、夜に眠れなくても、日中の活動中に、「眠くてたまらない」「集中できない」といった問題がないなら、睡眠改善薬を使う必要はありません。

──副作用、依存性がとても気になります。

薬のパッケージの注意書きにも書かれているので必ず確認して欲しいのですが、次のような副作用が起こることがあります。

・発疹
・めまい
・口の乾き
・イライラ
・日中の急な眠気
・頭痛
・吐き気
・尿閉
・便秘
・倦怠感

など。

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睡眠改善薬は一時的に使用する薬なので、依存性の心配はほとんどありません。

──睡眠改善薬を使用する際の注意点を教えてください。

一週間以上、継続的に使うことは避けましょう。ひと箱に入っている量も3~6日分程度で、一週間続く不眠には対応していないのです。継続すると、人によっては耐性がついて効かなくなることもあります。ひと箱使いきって、「まだ睡眠の悩みが改善しない」というなら、病院への受診が必要というサインです。

睡眠改善薬の眠りは、質がよくない!?

──忙しい現代人は、簡単に手に入る睡眠改善薬に頼りがちな気がします。

睡眠改善薬から促される眠りは、実はそれほど質のよいものではありません。深い眠りのノンレム睡眠が増えて、浅い眠りのレム睡眠が減るなど、レム睡眠とノンレム睡眠が規則正しいリズムを刻むナチュラルな睡眠とは違います。翌朝まで眠気が残り、目覚めが悪くなったりすることもあります。そのため、簡単に手に入るからといって継続的でなく、一時使用にとどめておく必要があるのです。

──睡眠改善薬の効きが悪い人はいると思います。その場合、睡眠の悩みがふくらみ、ますます眠れなくなりそうです。

睡眠改善薬が効かないからといって、睡眠薬のすべてが効かないということではありません。そのような人こそ病院を受診して、症状に合った睡眠薬を処方してもらうことが睡眠の悩みを解決する近道となります。

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睡眠の悩みのかげには、不眠症以外の病気が隠れているかも

──やはり、病院で専門医に診てもらうことが大事ですね。

「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などといった症状があると、「自分は不眠症」だと自己判断してしまいがちです。しかし、不眠症状の原因は、うつ病、睡眠時無呼吸症候群、昼夜逆転の不規則な生活リズムなどが隠れていることも珍しくありません。

その場合、いくら睡眠改善薬を使用しても何の解決にもならないのです。一番大切なのは、病院で「不眠症です」と、きちんと診断を受けること。そこから最適な治療をスタートさせることなんです。

専門医を受診すれば、睡眠の悩みや日常生活などについて話を聞き、「なぜ眠れないのか」という原因を探ることから始めます。生活リズムの改善や考え方などを指導され、適切な睡眠薬を処方されて睡眠改善を図ります。

──最後に、睡眠に悩んでいる人へメッセージをお願いします。

睡眠の悩みを抱える人は、「今夜こそ眠らないと」と意識し過ぎて、余計眠れないという悪循環に陥る傾向があります。眠れない夜が続くと不安になり、薬を頼りたくなるのは当然です。

しかし、睡眠改善薬が根本的な眠りの原因を解消してくれるわけではありません。「睡眠改善薬を使いたい」と思うことは、「睡眠を見直す時期なのだ」というサインです。「眠れない」ことの背景に何があるのか、まずは考えてみましょう。必要であれば、いつでも専門医を受診してください。

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