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【友野なおさんに聞く!②】 睡眠に満足している人ほど、年収が高い? 眠りと仕事の気になる関係とは?

「寝る間を惜しんで仕事をする人がデキル人、という価値観は古い!」。バッサリと斬る友野なおさんは、睡眠コンサルタント×産業心理カウンセラーの視点から、働く人にとっての睡眠の大切さを提唱しています。今回は、睡眠と仕事の切っても切れない関係について聞きました。

“寝てない自慢”は、もはやかっこ悪い!?

—日本人に睡眠不足の人が多いのはなぜ?

ひと昔前の日本では、「寝る間を惜しんで働く人が、デキル人」という考え方が根づいていました。でもいま、グローバルでは、“寝てない自慢”はかっこ悪いと言われているんです。

いろいろな業種・職種があるので一概には言えませんが、限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮し、ワーク・ライフ・バランスをキープしている人こそ、仕事がデキル人だという考え方が、欧米では当たり前になりつつあります。

つまり「仕事が忙しくて寝ていない」は、翻訳すると「俺は仕事ができない」と言っているのと同じ。睡眠学の世界ではそう考えられています。

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先進国の中でも睡眠時間が短い日本は、睡眠やワーク・ライフ・バランスについての考え方が大きく遅れています。これは、がむしゃらに働くことが正解だった高度経済成長期の価値観と、日本に深く根づいている “気合い”の精神がベースにあるからではないでしょうか。

受験でも『四当五落』*という言葉があるように、日本人は眠ることを美学としてこなかった民族。眠ることは「なまけている」「もったいない」という認識が根強く、時間が足りなくなったら、睡眠を削るということになってしまうんです。

*受験勉強における睡眠時間が4時間であれば合格、5時間であれば不合格という意味

なかには睡眠時間が極端に少なくても大丈夫な“ショートスリーパー”と呼ばれる人もいますが、全体の0.5%くらいと言われています。寝なくても大丈夫と言っている人も、話を聞いてみると眠りが足りていない“えせショートスリーパー”であることが多いんです。

睡眠不足が続くと、酔っぱらったときと同じ状態に!?

—睡眠不足が仕事のパフォーマンスに与える影響は?

睡眠不足で日中に眠くなると、集中力や思考力が下がりますよね。6時間睡眠を2週間続けると、丸2日間徹夜したときと同レベルまで脳の機能は低下すると言われています。また、5時間以下の睡眠が数日続くと、缶酎ハイを数杯飲んだレベルまで低下してしまうそうです。

睡眠改善委員会が行った『睡眠と年収の関係』についてのインターネット調査でも、興味深い結果が出ています。睡眠に不満を感じている人や睡眠を軽視している人を“かくれ不眠者”とし、20〜49歳の男女832名の快眠者と“かくれ不眠者”の年収を調べたところ、“かくれ不眠者”は快眠者より年収が低い傾向があることがわかりました。

*睡眠改善委員会:「『睡眠改善』が、年収アップ・仕事効率化の近道に」より
http://www.brainhealth.jp/suimin/newsrelease/pdf/press_110523.pdf

そして、睡眠不足が仕事のパフォーマンスを下げると言われる一方で、職場環境が睡眠の質に影響を与えることもわかってきています。
職場のソーシャルキャピタル(信頼関係)と睡眠の質を調べたある論文では、ソーシャルキャピタルが高いほど、携帯活動計(ウェアラブル端末)を使って測定した睡眠の質が高くなる傾向があったと言っています。

また、ワーク・ライフ・バランスを尊重する上司のもとで働く労働者は、そうでない上司のもとで働く労働者に比べて睡眠時間が長く、心疾患系の危険因子(喫煙や肥満など)が低かったこともわかりました。

理解度の高い上司のもとにいるとストレスも軽減され、夜にぐっすりと眠ることができます。眠りの質がよくなれば、仕事のパフォーマンスも上がり、ワーク・ライフ・バランスをさらに良好に保てるという好循環が生まれているのだと思います。

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日中のストレスが、睡眠の質を下げている!

—ストレスが睡眠の質に影響を与えるんですか?

睡眠を司る中枢とストレスを感知する中枢は、脳内の同じ場所にあると言われています。だから、ストレスが睡眠に与える影響は、非常に大きいんです。どれだけ理想的な寝室をつくったとしても、例えば上司に理不尽に怒られたなどの精神的なストレスを受けると、眠りが悪くなってしまいます。

うつ病になると、眠れないなどの症状があらわれますが、逆に、眠れないためにうつ病を発症する場合もあります。不眠とうつには、強い相関関係があることがわかっているんです。

特に20代〜50代の働き世代は、大きな精神的ストレスを抱えている人が多いと言われています。うつ病などの精神疾患にかかる人が増え、過労死や自死にいたるケースも先進国の中では信じられないほど多い。このような最悪の事態を防ぐためには、眠ることが重要だという認識を一人ひとりが持つことが大切だと思っています。

眠れないとお悩みの方は、仕事モードから眠りモードへの切り替えを上手に行えるよう、「ここなら安心できる」という眠りの環境を整えてみてください。寝心地のいいパジャマや寝具を用意して、眠りによい習慣などを試してみるのもおすすめです。

また、日ごろの人との付き合い方や情報との接し方を見直して、できるだけストレスを減らせるような工夫もできるといいですね。

上司からのメールは、エスプレッソ2杯分の覚醒効果!?

—いい睡眠のために、やめるべきこと・やるべきことは?

最近は、パソコンや携帯電話があればどこでも仕事ができるというメリットある一方で、いつまでも仕事ができてしまう問題もあります。就寝時間の直前まで仕事をしてしまったり、メールをチェックしたり。実は、眠る直前に上司からのメールを読むと、エスプレッソを2杯飲んだときと同じくらい脳が覚醒してしまうと言われています。

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働き方の問題は、個人が改善したいと思っていても、会社や社会がそれを許さない状況が多いので、自分でタイムスケジュールを組んで、意識的に変えていくことが大切だと思います。

どうしても睡眠の時間が確保できないなら、質をなんとか担保するように工夫してみてください。いまはテクノロジーを駆使した快眠アイテムもいろいろとあるので、それを使って睡眠の質を上げるサポートをするのもおすすめです。例えば、自分の眠りの質を計測できるウェアラブルな端末やアプリで自分の眠りを“見える化”して、改善していくという手もあります。

睡眠の時間と質を確保することは、いい仕事をするための重要な要素。眠りと仕事を切り離して考えるのではなく、いい仕事の中に睡眠が含まれていることを常に意識しておくといいと思います。睡眠時間を削ってがんばって仕事をしたとしても、翌日の生産性が落ちてしまえば意味がないですよね。ミスが増え、それが他人を巻き込む大惨事になることだってあります。

いい仕事をするために、そして、自分や会社のリスクマネジメントのためにも、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、睡眠の時間と質をきちんとコントロールしていくことが大切です。まずは、今夜、なんとなくスマホを見ている時間を睡眠時間に変える、タイムスケジュール管理からはじめてみませんか?

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