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【教えて! ドクター】 予備軍は多い 不眠症対策は万全ですか? 第1回「不眠症ってどんな病気?」

何らかの理由で「眠れない」状態が長く続くと、不眠症になることがあります。不眠症は、「眠れない」というつらさだけではありません。日中の眠気や倦怠感、集中困難など、身体と心にさまざまな影響を与えます。

そんな不眠症の原因と対策について、睡眠治療のエキスパートである睡眠総合ケアクリニック代々木理事長の井上雄一先生に話を聞きました。2回連載でお届けする第1回目は、不眠症とはどのようなものか、またその原因について解説します。

10人に1人が不眠症に悩んでいる

「不眠症は、国民の10人に1人いると言われています。有病率は年齢に比例していて、60歳代から不眠を訴える割合が高くなり、80歳代では3人に1人が不眠だと感じるように。これは、年齢を重ねると眠りが浅くなって分断されやすくなること、睡眠ホルモン・メラトニンの分泌量が減ることが関係しています。男女では女性に多く見られます」と、井上先生は話します。不眠症のリスクとなるスマートフォンやパソコンなどのIT機器と夜遅くまで向き合う生活や、社会の高齢化が進むことを踏まえると、今後、不眠症が増える可能性は大きいと言えるでしょう。

不眠症は、「2時間くらいしか眠れない」といった睡眠時間だけでなく、朝起きたときに「よく寝た」という爽快感がないことや、昼間の生活や身体の活動に悪影響が出ているかどうかも目安に。症状の現れ方によって、次の3つのタイプに分けられます。

1.入眠障害

布団に入ってもなかなか寝つけない。眠りにつくのに30分~1時間以上かかり、それがつらいと感じる状態。例えば午後10時に布団に入っても、午前1時、2時まで寝つけません。眠ろうとすればするほど眠れないのが特徴です。

2.中途覚醒

夜中に何度も目が覚めて、そのあとなかなか寝つけません。年齢を重ねるにしたがって眠りがだんだんと浅くなり、目覚めやすくなる高齢者に多い傾向が。

3.早朝覚醒

「この時刻に起きよう」と思う起床時刻より早く目覚めます。普段よりも2時間以上早く目覚めることが目安。睡眠をコントロールする体内時計がずれやすく、夜遅くまで起きていられない高齢者に多く見られます。うつ病に多い不眠のタイプで、診断の決め手のひとつとされてきました。

2と3は同時に現われることが多いため、まとめて「睡眠維持障害」とされ、不眠症は、入眠障害と睡眠維持障害の2つに分類されることもあります。1・2・3のいずれかが1か月以上続き、かつ昼間に倦怠感や持久力の減退、強い眠気などがあり、日中の活動に支障が出ることが不眠症とされています。

不眠症

身体、心、環境、生活……原因は多様に

不眠症になるにはさまざまな原因があり、誰もがかかる可能性があります。主な原因は次の通りです。

・身体

かゆみ、せき、痛み、ぜん息、気管支炎、頻尿、アレルギーなど、身体的な病気が影響する場合があります。身体疾患が4つ以上ある人は不眠症になるケースが多いというデータも。

・心

何らかのストレスに関連して起こります。仕事や人間関係、家族や親友の死、極度な緊張や興奮(引っ越しや昇進などのポジティブなことも含みます)、プレッシャーなどの要因が不眠を招くケースです。心の繊細な人はストレスに弱く、不眠症になりやすい傾向が。

・環境

寝る時間に騒音がする、寝室が明るすぎる、室温が適切でない、理想の寝床内環境と言われる温度33度+湿度50%に達していないなど、住環境が眠りを左右します。

・生活習慣

夜遅くまでいじっているスマホやパソコン、仕事後の付き合い、夜昼交代制のシフト勤務や時差勤務など、不規則な生活が続くと、体のリズムを刻む体内時計が正常に働かず、睡眠リズムがずれて不眠になることが。また、コーヒーなどのカフェインやアルコール、タバコのニコチンには覚醒作用があるので、摂りすぎには注意しましょう。運動不足も睡眠に影響があるので、インドア派で「身体を動かすことが苦手」という人も気をつけて。

・薬の副作用

服用している薬の影響で不眠症になることがあります。代表的なのは、抗がん剤、自律神経・中枢神経に働く薬、副腎皮質ステロイド、降圧薬、気管支拡張薬などがありますが、これらすべてが不眠症の原因になるわけではありません。

・病気

うつ病、自律神経失調症、統合失調症、不安障害などの心の病気や、むずむず足症候群、睡眠時無呼吸症候群などが原因で不眠症になるケースは少なくありません。「今夜も眠れないのでは?」という不安で、さらに眠れなくなるといった悪循環を招く場合もあります。

病気

今から不眠症対策をしたい不眠症予備軍とは!?

「不眠症の原因を見ても、当てはまるのがなかったので自分は大丈夫」と思う人がいるかもしれません。しかし、「不眠症予備軍は4~5人に1人はいるんです」と井上先生は指摘します。「日常生活に支障はないけれど、しばしば入眠障害や睡眠維持障害がある人は、不眠症予備軍と自覚してほしいですね。それが続くと慢性化し、昼間の活動に悪影響が出始めて不眠症へと発展していくのです」(井上先生)。

第2回は、不眠症にならないために、今からできる対策についてお届けします。

文/内藤綾子

監修:睡眠総合ケアクリニック代々木理事長 井上雄一(いのうえゆういち)先生

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